相談内容
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出勤簿は付けないといけませんか
初歩的な質問ですみません。学習塾(従業員12名)で事務をしています。学生講師の給料は、講師本人が手書きで出してくるコマ数の報告表をもとに手計算しています。タイムカードや出勤簿のようなものはありません。小さい塾でも、何時に来て何時に帰ったかを記録しておく必要があるのでしょうか。
たいやきさんの相談
宮城県/教育・官公庁
他の専門家からの回答
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1.「出勤簿」は必要か
労働基準法には「出勤簿」という名称の帳簿を作成する義務そのものは定められていません。一方、労基法108条により賃金台帳の作成が義務付けられ、労基法施行規則54条では各労働者について労働日数、労働時間数、時間外・休日・深夜労働時間数等を記載する必要があります。
さらに厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、使用者は労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録することとされています。
つまり重要なのは「出勤簿という書類があるか」ではなく、誰が、いつからいつまで働いたかを確認できる記録があるかです。
2.学生講師の自己申告だけでもよいか
原則は、使用者が直接確認する方法、またはタイムカード、ICカード、パソコンの使用記録等の客観的な記録による方法です。
やむを得ず自己申告制とすることもできますが、適正な申告方法を説明し、実態とのずれがあれば調査・補正するなどの措置が必要です。単純に本人の申告をそのまま給与計算に使用すればよいわけではありません。
したがって、「○月○日・2コマ担当」のようなコマ数だけの報告では始業・終業時刻が分からないため不十分と考えられます。
3.学習塾で特に注意する点
労働時間は「授業をしている時間」だけとは限りません。使用者の指示や実際の業務上必要な授業準備、片付け、生徒対応、報告書作成、ミーティング、研修等も、使用者の指揮命令下で行われていれば労働時間になります。厚労省も業務に必要な準備・後始末や義務付けられた研修等は労働時間になり得るとしています。
そのため、「1コマ90分×2コマ=3時間」とだけ計算すると、前後の業務時間について賃金未払いが発生する可能性があります。
4.今後の実務対応
少なくとも各講師について、勤務日、実際の始業時刻、終業時刻、休憩時間、実労働時間を記録し、時間外・休日・深夜労働があればそれも把握する方法に変更することをお勧めします。必ずしも紙の出勤簿やタイムカードである必要はなく、適正に記録・保存できる方法であれば電子的な管理も可能です。
これらの労働時間記録は労基法109条の「労働関係に関する重要な書類」に含まれます。本則は5年間ですが、2026年9月現在は経過措置により当分の間3年間の保存義務となっています。
労働基準監督署の臨検監督では、賃金台帳やタイムカード等から未払賃金や長時間労働の有無を確認することがあります。労働時間を裏付ける資料がない場合、適正な賃金計算を説明できないリスクがあります。
したがって、「出勤簿を作ること」そのものより、現在のコマ数だけの申告を改め、各講師の始業・終業時刻を含む実際の労働時間を記録できる仕組みに変更するのが良いでしょう。

