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講師の交通費は払うものですか
学生アルバイトの講師から「交通費は出ないんですか」と聞かれて、答えられずにいます。宮城で個別指導塾を2教室運営していて、職員は12名です。社員には交通費を出していますが、アルバイトには昔から出していません。交通費は必ず払わなければいけないものなのか、会社が決めてよいものなのか分かりません。
たいやきさんの相談
宮城県/教育・官公庁
他の専門家からの回答
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交通費(通勤手当)は労働基準法上すべての労働者に必ず支給しなければならない手当ではありません。 したがって、会社が通勤手当制度を設けないこと自体は可能です。ただし、今回のように正社員には支給し学生アルバイトには一律支給しない場合は、パートタイム・有期雇用労働法上の「不合理な待遇差」に該当しないかを別途検討する必要があります。
厚生労働省の「同一労働同一賃金ガイドライン」は、通勤手当について、短時間・有期雇用労働者にも通常の労働者と同一の通勤手当を支給することを原則としています。一方、勤務日数が少ない者には月額定期代ではなく日額交通費を支給する、店舗採用者には合理的な上限額を設ける、といった違いは問題とならない例として示されています。
したがって、「正社員だから支給、アルバイトだから不支給」「昔からそうしている」という理由だけでは十分な説明にならない可能性が高いと考えます。パートタイム・有期雇用労働法8条では、職務内容、職務・配置変更の範囲、その他の事情を考慮して不合理な待遇差を設けることを禁止しています。同法9条に該当する、正社員と職務内容・配置変更範囲が同一の労働者であれば、差別的取扱いも禁止されます。
学生アルバイトだからこの規制の対象外になるわけではありません。 「アルバイト」という名称に関係なく正社員より週所定労働時間が短いまたは有期契約であれば同法の対象になります。社会保険の短時間労働者については「学生でないこと」という要件がありますが、これは社会保険適用の話でありパートタイム・有期雇用労働法とは別です。
今回まず確認すべきなのは、1.正社員の通勤手当の支給目的・支給基準、2.アルバイトの契約期間・所定労働時間、3.正社員と講師アルバイトの職務内容・責任・配置転換範囲、4.雇用契約書・労働条件通知書・就業規則・求人票における交通費の記載です。
「学生は学校への通学定期を持っているから」という事情については個々の通勤実態や制度目的によって評価が変わりますので、「学生であることだけを理由に一律不支給としても問題ない」とは言えないと思います。
労働条件通知書等に「交通費なし」と明示していても、それだけで不合理な待遇差が適法になるわけではありません。逆に、何も記載していない場合には、求人時の表示、就業規則、過去の運用、労働契約の内容等から支給義務が契約上成立していないか確認が必要です。労働基準法15条は労働契約締結時の労働条件明示を義務付けているからです。
まずはアルバイトだけ完全不支給を続けるより、実際の出勤日数に応じた実費支給や合理的な上限額を設定する方法を検討する方がガイドラインとの整合性を説明しやすいと考えます。本人から質問された場合も、「アルバイトだから出ない」と回答するのではなく、現在の正社員・アルバイト双方の支給基準とその理由を確認してから説明する必要があると思います。同法14条2項により、短時間・有期雇用労働者から求めがあった場合には、正社員との待遇差の内容・理由を説明する義務があるからです。

