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ドライバーと倉庫スタッフで36協定は分けるべき?年960時間の上限と様式の注意点
36協定の締結実務について確認させてください。当社は埼玉県内で運送と倉庫の事業を行う物流会社で、従業員は120名です。来年度の協定更新に向けて内容を見直しているのですが、ドライバーは時間外労働の上限が年960時間である一方、倉庫スタッフや事務職は原則どおり年720時間と伺っており、これまで一つの協定書にまとめて届け出てきたことに不安が出てきました。自動車運転者向けの様式で全員分を届け出てよいのか、職種ごとに分けて締結すべきなのかが分かりません。また、出荷が集中する11月から12月に備えて特別条項を設ける場合、ドライバーと倉庫スタッフとで扱いが異なる点があれば教えていただけますでしょうか。
さんとてさんの相談
埼玉県/流通・小売・サービス
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ドライバーと倉庫スタッフ・事務職が同一事業場にいるからといって、36協定そのものを必ず職種別に分けて締結する必要はありません。 労基法36条は「事業場」単位での締結を基本としており、自動車運転の業務を含む事業場についてはそのための専用様式が用意されています。
1.今回使用する36協定届
厚生労働省の現行様式では「自動車運転の業務を含む場合」として
・通常の36協定:様式第9号の3の4
・特別条項付き:様式第9号の3の5
が用意されています。したがって、ドライバーがいる事業場であれば、倉庫スタッフ・事務職を含めてこの様式で届け出ることが可能です。職種ごとに別々の36協定を作成し、第9号の2と第9号の3の5を別々に提出しなければならないという制度にはなっていません。
ただし、協定内ではドライバーと倉庫・事務職を明確に区分して時間数を設定することが重要です。 両者に同じ960時間の上限を適用することはできません。
2.上限規制は大きく異なります
倉庫スタッフ・事務職は一般則が適用され、原則は月45時間・年360時間、特別条項を設けても、時間外労働は年720時間以内、時間外+休日労働は単月100時間未満、2~6か月平均80時間以内、月45時間を超えられるのは年6回までです。
一方、自動車運転の業務は、特別条項を締結した場合の時間外労働の上限が年960時間です。また、一般労働者に適用される「単月100時間未満」「2~6か月平均80時間以内」「月45時間超は年6回まで」の規制は適用されません。
ただし、960時間まで自由に残業させられるという意味ではありません。 ドライバーには別途「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」による拘束時間・休息期間等の規制があります。
3.11~12月の繁忙期
倉庫スタッフについて11~12月に月45時間を超える可能性があるなら「通常予見することのできない業務量の大幅な増加等」の臨時的な特別の事情を前提とした特別条項が必要です。また、45時間超となる月は年6回以内でなければなりません。
ドライバーも特別条項を設ける場合は年960時間以内ですが45時間超の月を年6回までとする規制は適用されません。 このため、同じ11~12月の繁忙であっても、協定上の管理方法は倉庫スタッフとは異なります。
4.実務上の対応について
まず「埼玉県内に何個の労基法上の事業場があるか」を確認してください。営業所・倉庫等が独立した事業場に該当する場合は事業場ごとに36協定が必要です。
同一事業場であればドライバーと倉庫・事務職を一つの36協定として締結し、特別条項を設けるなら様式第9号の3の5を使用しながら職種ごとに適用される上限を分けて管理する対応となります。