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男性育休の取得率公表が義務に、店長が休むと店が回らない飲食店の対応策は
男性社員の育児休業についてご相談します。大阪府内で飲食店を約30店舗展開する会社で人事を担当しており、従業員は420名です。従業員300人超の企業に男性の育児休業取得率の公表が義務付けられ当社も対象ですが、直近の取得率は1割程度にとどまっています。店舗の正社員は店長と社員2〜3名の少人数体制のため、店長が1〜2か月休むと店舗運営が立ち行かなくなるという心配から、取得をためらう男性社員が多いのが実情です。取得率はどの数値をどこで公表すればよいのでしょうか。また、シフト制の店舗で取得を進めるための代替要員の工夫や分割取得の活用など、実務的な進め方についてアドバイスをお願いします。
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常時雇用する労働者が420名であれば男性の育児休業等取得状況の公表義務の対象です。取得率が1割程度であること自体に法定最低取得率違反という問題はありませんが、少人数店舗では「店長本人が休まないことで店舗を維持する」のではなく、代行店長を複数店舗単位で確保する仕組みを中心に取得可能な体制を作ることが重要と思います。
1.何を公表するのか
2025年4月1日から常時雇用する労働者300人超の事業主は毎年1回以上、公表前事業年度について、次のいずれかを公表します。パート等も、期間の定めなく雇用される者や1年以上継続雇用される者等は「常時雇用」に含まれます。
a.男性の育児休業等取得割合
=育児休業等をした男性労働者数÷配偶者が出産した男性労働者数
b.育児休業等+育児目的休暇の取得割合
=育児休業等取得者数+育児目的休暇利用者数÷配偶者が出産した男性労働者数
a.b.のどちらを公表するかは会社が選択できます。
産後パパ育休も育児休業等に含まれます。
2.どこに公表するのか
公表はインターネットその他適切な方法で行い一般の人が閲覧できる状態にします。「両立支援のひろば」は有力な方法ですが、そこへの掲載だけが義務ではなく一般公開された自社ホームページでも可能です。公表前事業年度終了後おおむね3か月以内の公表とされています。
3.取得率1割自体は違法か
育児・介護休業法には、男性取得率について「○%以上」という最低取得率や、低率そのものへの直接的な罰則はありません。ただし、本人・配偶者の妊娠出産の申出があれば、育休制度等の個別周知・取得意向確認が必要です。また、取得を理由とする不利益取扱いや育休ハラスメントは禁止されています。
したがって「店長なので休まれると困る」「分割なら認める」など取得を抑制することは避けるべきと思います。
4.30店舗の飲食店での実務策
現実的方法としては、各店舗で代替要員を個別に探す方式ではなく、複数店舗単位で代行店長を配置する方式です。例えば、エリアごとに店長経験者を1~2名育成し、店長不在時に派遣する、各店で社員1名を店長代理レベルまで育成する、繁忙期以外は近隣店から応援を出せる人員配置にするといった方法があると思います。
新規雇用や派遣による代替も可能ですが、店長業務を直ちに任せるより既存社員を店長代理とし、代替人材を一般業務へ配置する方が運用しやすいと思います。
5.分割取得の活用
通常の育児休業は2回まで分割取得でき、産後パパ育休は出生後8週間以内に通算28日まで、2回に分割できます。両制度は別枠です。
例えば「産後パパ育休2週間→復帰→2週間」「その後、通常の育休を1か月」といった取得も可能です。ただし、分割は本人の選択であり、店舗都合で事実上強制することは避けるべきです。
6.会社として優先すべき対応案
1.店長業務の標準化・副店長候補育成、2.エリア単位の代行店長制度、3.出産予定を早期に把握して3~6か月前から代替計画作成、4.取得事例を社内共有、の順で進めることをお勧めします。
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