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恐れで進む日も、楽しさで進む日も<br>〜ペンデュラムと心理学から考える、私の仕事の軸〜

恐れで進む日も、楽しさで進む日も
〜ペンデュラムと心理学から考える、私の仕事の軸〜

ペンデュラムとの出会い

今年の8月、スピリチュアルに詳しい友人に天然石を扱うお店さんを紹介してもらい、そこで「ペンデュラム」というものに出会いました。

ペンデュラムとは、チェーンの先に石や金属などがついた振り子のこと。自分の潜在意識に問いかけるためのツールとして使われています。
YES・NOで答えられる質問を自分に投げかけ、振り子の動きによって答えを確認するというものです。
ただし、ペンデュラムは人によってYES・NOの動き方が違うそうです。
そのため、最初に「私は奥村優希という名前ですか?」など、答えが明らかな質問をして、自分にとってのYESとNOの動きを確認します。
また、質問はできるだけ具体的にすることが大切だそうです。

人事や労務の仕事では、正解が一つに決まっていない場面で判断を求められることがあります。
私自身も、事務所の経営や仕事の進め方について迷うことも。
私が最初にした質問は、「私は、今の事務所の経営方針をこのまま大切にしていっていいですか?」というものでした。

答えは、YES。

その「YES」が、思っていた以上に心強く、迷いながら進んでいた自分の背中を押してくれました。
最初は半信半疑でしたが、使ってみると面白いものです。
もちろん、ペンデュラムだけで経営判断をしているわけではないですよ。自分の考えを整理し、本音に気づくためのきっかけとして使っています。

ペンデュラム

経営方針を言語化しながら気づいたこと

最近、ホームページのリニューアルに向けて、事務所の経営方針を言語化する作業をしています。
「自分たちは何のために、何を大切にして、誰のために仕事をしているのか」。
言語化を進める中で、自分が大切にしていることが改めて見えてきました。

一つは、「法律上はこうです」で終わらないこと。
法律や制度を正しくお伝えすることは専門家として当然大切ですが、「法律上こうだから」という答えだけでは、実際の会社の課題が解決しないこともあります。
会社にはそれぞれの歴史や文化があり、経営者の考え方も、従業員との関係性も違う。だからこそ、まずお話をしっかり伺い、その会社にとって何が一番いいのかを一緒に考えることを大切にしてきました。

もう一つは、「困ってからではなく、困る前から」という姿勢です。
労務のことは問題が起きてから専門家に相談するものだと思われがちですが、本当に大切なのは問題になる前に相談できること。その入口を低くしておくことが、私が港オフィスを作ったときから変わらずやりたかったことでした。

そして、「良いことは社長が考える。心配なことは私たちが考える。」という言葉も、今回言語化する中で出てきました。
経営者には前を向いて会社を成長させることに集中してほしい。だからこそ私たちが、リスクや「もしも」を先回りして考える役目を担う。
ときには口うるさい小姑のように感じられるかもしれないけれど(笑)、それも伴走者の仕事だと思っています。

この言葉たちを書き出してみたとき、「あ、私はずっとこれがやりたくて、ここにいるんだ」と腑に落ちる感覚がありました。
ペンデュラムで確認した「YES」の答えと、経営方針の言葉が、同じところを指していた気がして。
値引きをめぐって弱気になっていた自分の軸が、はっきり見えた瞬間でした。

崖ルートか、階段ルートか

ペンデュラムとの出会いとは別に、最近、自分自身を見つめ直したいという思いから、「センターピース」という心理学をベースにした講座も受け始めました。

その講座では、人が行動するときの原動力を、「崖ルート」と「階段ルート」という言葉で捉える考え方が紹介されました。
崖ルートとは、不安や自己否定、「このままではダメだ」「失敗したくない」「嫌われたくない」といった恐れを原動力にして行動することです。
一方、階段ルートは、安心感や喜び、ワクワクする気持ちを原動力にして、自然に一歩ずつ進んでいく考え方です。

私は、この話を聞いて、「どちらが正しい、ということではないのだな」と思いました。

クライアントのお役に立てたとき、職場環境がよくなったと聞いたとき、社員の笑顔が増えたと言っていただけたときは「階段ルート」の思考になっているんだろうなと感じます。
楽しいし、うれしい。仕事が好きだからこそ、続けてこられたのだと思います。

でも、正直に言うと、恐れから動いている部分の方が大きく、私の考え方はほとんどが「崖ルート」かもしれません。
逆に、崖ルートだからこそ、必死になってやり切れたこともあります。不安や悔しさを力に変えて、もう一歩踏み出せたこともありました。
その時々の状況や気持ちによって、行ったり来たりするものなのかもしれません。

「豊かさとは、選択肢が多いこと」という言葉を勉強するなかで聞きました。
恐れを原動力にして踏ん張ることもできるし、安心感や喜びを原動力にして進むこともできる。
大切なのは、自分が今どちらの状態にいるのかを知り、その時々で自分に合った選択ができることなのだと思います。

自分の軸を見つけるために

バックオフィスで働いているみなさんに、聞いてみたいことがあります。
みなさんは、今の仕事に、どちらのルートで向き合っていますか?

「ミスをしたら怒られる」「評価が下がるといけない」「周りに迷惑をかけてはいけない」こうした気持ちが行動の中心になっているとしたら、それは崖ルートかもしれません。もちろん、責任感は大切です。
ただ、それだけを原動力にしていると、気づかないうちに疲れてしまうことがあります。
一方で、「この仕事が得意だから担いたい」「この会社をよくしたい」「この人に喜んでもらえるとうれしい」という気持ちがあるなら、それは階段ルートの入口なのかもしれません。

バックオフィスで働いていると、日々の業務に追われて、立ち止まって考える時間がなかなか取れないこともあると思います。
でも、たまには「自分はなぜこの仕事をしているのか」「今の働き方は本当に自分が望むものなのか」「これは恐れから動いているのか、喜びから動いているのか」と、自分に問いかけてみてほしいです。

奥村優希

自分の軸を見つけるために、特別に難しいことをする必要はないと思っています。
まずは、「自分はどんな瞬間に仕事が楽しいと感じるのか」を思い出してみる。
書類がきれいに整理できたとき、誰かに感謝されたとき、難しい問題が解決したとき。どんな小さなことでも構いません。
そこに、自分にとっての「階段ルート」の入口があるのかもしれません。

次に、「今、恐れから動いていることはないか」を確認してみる。
怒られるのが嫌だから、評価が下がるのが怖いから、周りに迷惑をかけたくないから。
もし、それが行動のすべての原動力になっているとしたら、少し立ち止まってみてほしいです。

ただ、センターピースは私自身も受け始めたばかりで、まだ学んでいる途中です。
そのため、ここで書いていることも、現時点での私自身の感想にすぎません。
講座の中では、崖ルートで頑張ってきた人が、いきなり階段ルートに切り替えようとすると、かえって不安定になってしまうこともあると聞きました。
これまで恐れを力にして頑張ってきた人にとっては、それも大切な原動力だったのかもしれません。

無理に「今日から階段ルートで生きよう」とするのではなく、まずは自分が今どちらのルートで動いているのかに気づくこと。
そして、自分に合ったペースで、少しずつ選択肢を増やしていくことが大切なのだと思います。

最後に、これだけは言わせてください。
答えは、誰かから与えられるものではなく、自分の中にあるのだと。
ペンデュラムも、心理学も、結局は自分の本音を引き出すためのきっかけです。
私もまだ、答えが出ていない問いを抱えながら、今日も仕事をしています。
でも、その問いを持ち続けていること自体が、自分の軸を保つことにつながっているように感じています。

ペンデュラムでなくても構いません。
悩みをノートに書き出すだけでも、散歩をしながら考えるだけでもいい。
自分の本音に耳を傾ける時間を持つこと。それだけでも、仕事への向き合い方や、毎日の充実感は少しずつ変わっていくのだと思います。
崖を必死によじ登るよりも、階段を一段ずつ、ゆっくり着実に上がっていく方が、結果的に遠くまで進める。私は、そんなふうに思っています。

奥村 優希
SAKURAOFFICE社会保険労務士法人https://saku-sr.com/代表社員(港オフィス)

奥村 優希

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岐阜県出身。9歳でミュージカル『アニー』のケイト役として子役デビューし、約20年間芸能活動を行う。

母である社会保険労務士・奥村広美とともに法人を運営。約8年の社労士実務経験を持ち、人事労務セミナー講師、労務DD、IPO支援などを手がける。2026年4月には「一般社団法人士進会」を設立し、代表理事に就任。

2024年12月には電子書籍『20代開業社労士~人生を変えた社会保険労務士として生きる道~』を出版。「迅速かつ丁寧な対応」をモットーに、社労士業界の活性化に取り組んでいる。
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