
働く私のご機嫌アイテムと、就業規則のリアル
〜知っておきたい就業規則の、お得な読み方〜
「自分の機嫌は、自分で取る」ということ
私のご機嫌アイテムの筆頭は、ネイルです。
銀座のネイルサロンに4週間に1回通っていて、毎回すごくかわいくしてもらえるので気分が上がります。
特に好きなのはマグネットネイル。角度によって色が変わる、あの光沢感がたまりません。
ネイルをしていると、PCをたたく手が跳ねるんです(笑)。仕事の合間にふと自分の手元を見るだけで、なんだかちょっと頑張れる気がします。

あとは作業中のBGM。集中したいときはスタバのカフェミュージック、テンションを上げたいときはBE:FIRSTや、うちのスタッフが好きなSUPER BEAVERを流したりしています。
ただ、日本語で歌詞があると、ちょっと作業の邪魔になる瞬間もあって。その日の作業内容によって使い分けています。
お気に入りの文房具があるとテンションが上がる、というのもあります。
デスクに観葉植物を置くのも好きで、こっそり持ち込んでいたりします(笑)。
タスク管理は紙に書くのが一番しっくりくる派で、完了したら横線を引いてチェックするあの達成感が、地味に好きです。
こういう小さな「ご機嫌」の積み重ねが、日々のモチベーションを支えてくれています。
私が大切にしていることは、「自分の機嫌は、自分で取る」ということです。
PCに向かいながらため息をついている上司がいたら、周りはどう感じるでしょうか。
仕事がしんどいのはわかる。でもその空気は、確実に周りに伝わります。機嫌が悪い人の近くで、気持ちよく仕事ができる人はいません。
ネイルを見て気分を上げる、好きな音楽を流す、観葉植物に水をやる、タスクを紙に書いて横線を引く。
どれも些細なことですが、「今日も頑張れそう」という気持ちをつくるための、自分なりの儀式です。
職場でおしゃれを楽しむためのルールとは?
おしゃれを楽しむうえで、社労士として気になるのは会社のルールとの兼ね合いです。
身だしなみのルールは、業種や職場によって実はかなり異なります。
接客業や飲食業なら、ネイルはNGというケースが多いです。衛生面や安全面という合理的な理由があります。
一方、オフィスワーク中心の職場であれば、ある程度の自由が認められていることも多いです。
私が「これはさすがにちょっと難しいかな」と思うのは、爪が長すぎるネイルや、黒のネイルです。黒は実は私も挑戦したことがあるのですが、そのときは薄いグレー寄りの黒でギリいける感じのものにしました(笑)。
身だしなみのルールについては、就業規則に記載されているケースが多いです。
ただし「ネイルOK」とするだけでは、どの範囲のネイルがOKなのか曖昧になります。
就業規則に実際のネイルの写真を添付して、どんなネイルならOKかのイメージを共有するのが一番トラブルになりにくいと思います。
就業規則は、会社が一方的に決めたルールブックではありません。従業員が自分の権利を守り、トラブルを未然に防ぐためのものでもあります。
うちの男性スタッフが先日、少しパーマをかけただけで「これ大丈夫ですか?」と確認してきてくれました。そのひと言がすごく嬉しかったです。
ルールを守ろうとする姿勢そのものが、信頼につながると思っています。
身だしなみについて、会社はどこまで言っていい?
では会社は従業員の身だしなみについて、どこまで指示できるのでしょうか。
判断の基準は「業務の円滑・適正な遂行のために合理的に必要か」「会社や業務への信頼の維持・獲得のために合理的に必要か」という2点です。
実際の裁判例を見ると、ハイヤー会社が「ひげを剃って乗務すること」を義務づけた就業規則について、裁判所は「特段汚らしくない口髭を剃ることは業務命令に当たらない」と判断しています(イースタン・エアポートモータース事件)。
一方、路線バスの乗務員に夏季でも制帽の着用を命じた会社については、公共性の高さを理由に業務命令として有効と判断されています(神奈川中央交通減給事件)。
つまり、同じ「身だしなみの命令」でも、業種や職務内容、また就業規則に合理的な理由があるかどうかによって合法か違法かが変わります。
就業規則、実は「お得情報」の宝庫
就業規則というと読みにくい法律文書のように感じますが、実は従業員にとって「知ると得をする情報」が詰まっています。
たとえば慶弔休暇や特別有給休暇。「こんな休暇があったの?」と入社後何年も経ってから気づくケースは珍しくありません。
結婚祝い金や出産祝い金などの慶弔金も要チェックです。
また、就業規則には副業・兼業に関する規定を置いている会社も増えています。
副業を全面禁止にすることは今の時代難しくなってきていますが、「会社の許可を得たうえで」「本業に支障をきたさない範囲で」という条件を規定しておくことは大切です。
最近増えているのが、リファラル採用(社員による知人紹介)の手当に関する相談です。
「紹介してくれた社員にお礼をしたい」という気持ちはよくわかります。ただ、このリファラル手当、やり方を間違えると職業安定法上の問題になる可能性があります。
紹介に対する報酬は、給与として支給すること、そして就業規則や賃金規程にきちんと根拠を設けることが必須です。
就業規則は会社と自分を守るもの

ここで言わせてください。
ネイルのことも、休暇のことも、残業のことも——自分の働き方に関わることは、一度就業規則を確認してみてください。
「読みにくい」と感じたら、社労士に聞くのが一番の近道です。
就業規則は、作っただけでは意味がありません。社員に周知されていること、そして内容を理解してもらうことが大切です。
就業規則の説明を入社時の研修に組み込んでいる会社は、トラブルになりにくい傾向があります。
お気に入りのネイル、文房具、デスクの観葉植物、紙のタスクリストに横線を引く達成感。小さなご機嫌を大切にしながら、会社のルールともうまく付き合っていけたら、毎日がもう少し楽しくなると思っています。

母である社会保険労務士・奥村広美とともに法人を運営。約8年の社労士実務経験を持ち、人事労務セミナー講師、労務DD、IPO支援などを手がける。2026年4月には「一般社団法人士進会」を設立し、代表理事に就任。
2024年12月には電子書籍『20代開業社労士~人生を変えた社会保険労務士として生きる道~』を出版。「迅速かつ丁寧な対応」をモットーに、社労士業界の活性化に取り組んでいる。