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従業員のマイナンバー収集の確認義務事項4つのポイント

マイナンバーが施行されて、従業員のマイナンバーの収集がだいぶ進んだ企業も多いことでしょう。とはいえ、実際に収集したマイナンバーの必要書類に不備がないか、確認事項にもれがないか不安に思っているマイナンバー担当者も多いのではないでしょうか。

マイナンバーの収集は企業の人事労務管理の中で最も重要な給与管理や従業員の社会保障を左右しますので、不備や確認もれがないよう以下の4つの点を再確認しましょう。

1.本人であるかどうかを証明する身元確認書類の確認

事業者は、給与や賞与の計算の際には給与額より所得税、住民税などの税金や雇用保険などの社会保険料を天引きし、それらの税金や社会保険料を従業員にかわって納付することが法律で定められています。その手続きのため、事業者には従業員のマイナンバーを収集する義務が生じます。

従業員からマイナンバーカードを収集する際は、なりすましを防ぐために、番号確認と同時に身元確認書類などで厳密な本人確認をすることが番号法で義務付けられています。

身元確認書類には大きく分けて3つのタイプがあります。

  1. マイナンバーカード
  2. 写真表示のある書類(1種類)

    運転免許証、運転経歴証明書、パスポート、在留カード、写真付き学生証など

  3. 写真表示のない書類(2種類)

    健康保険、船員保険、後期高齢者医療または介護保険の被保険者証、税金や公共料金の領収書、印鑑登録証明書(発行後6か月以内)など

これらの身元確認書類は、次で説明する身元確認で使います。

2.マイナンバー番号と身元の確認

身元の確認は、前の項で述べた通りマイナンバーの番号が本人のものであることの確認です。これは税や社会保険に関係する給与管理や労働基準法で定められた36協定の順守などの人事労務管理をしっかり行う上でも大切な確認ですので、不備がないよう細心の注意を払う必要があります。

身元確認は以下のような方法で行います。

  1. 個人番号カードを持っている場合

    マイナンバーカードで番号確認と身元確認

  2. 個人番号カードを持っていない場合

    通知カードで番号確認、身元確認書類で身元確認

  3. 住民票等マイナンバーが記載された書類での番号確認、

    身元確認書類での身元確認

3.代理人委任状の確認が生じるケース

死亡した従業員の生命保険の契約者が事業者で、死亡保険金受取人が遺族である場合、事業者は遺族の代理人として保険会社に死亡保険金を請求するため、故人のマイナンバーが記載された保険請求関係書類を保険会社へ送ります。

そのような場合、「代理権の確認」「代理人の身元の確認」「本人の番号確認」が必要です。
そのために必要なものは以下の通りです。

  1. 代理権の確認

    代理人委任状

  2. 代理人の身元の確認

    代理人のマイナンバーカード、運転免許証などの身元確認書類

  3. 本人の番号確認

    本人のマイナンバーカード、通知カード、住民票の写しなど、マイナンバーの記載された書類

4.扶養家族マイナンバーの収集と本人確認

年末調整の申告や健康保険など社会保険関連の届出には、従業員本人同様に扶養家族のマイナンバーも収集が義務付けられています。その場合、本人確認をするかどうかについて説明します。

年末調整の申告では、従業員が扶養家族と対面確認をして、明らかに本人だと確認できる場合は事業所に扶養家族の身元確認書類を提出する必要はありません。また、健康保険についても従業員が扶養家族の本人確認を実施しているという観点で考えるため、税金の申告と同じと考えていいでしょう。

また、「年金の第3号被保険者の配偶者」については、法律上では配偶者本人がマイナンバーを提供し、事業所が本人確認をする必要があるとされていました。しかし、平成28年11月の閣議決定を受けて、年金機構へ提出する書類へのマイナンバーの記載が任意(実質的には不要)となりましたので、漏洩の機会を減らす意味でも書かずに提出する方が良いでしょう。

まとめ

従業員のマイナンバーを収集する際には、身元確認書類、代理人状等のすべてに不備がないかを確認する必要があります。

また、扶養家族のマイナンバー収集については届出先の機関により手続きの方法が違いますので、その点にも注意が必要です。今後は収集後の扶養家族の増減などに伴い、より厳重なマイナンバーの管理が必要となってきますので、社内でしっかりと管理・確認できる業務フローを作っておきましょう。

岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

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