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マイナンバーカードの健康保険証利用とは?メリットや企業担当者がやるべきことを解説

マイナンバーカードの健康保険証利用とは?メリットや企業担当者がやるべきことを解説

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マイナンバーカードの健康保険証利用とは、医療機関を利用する際に提示する健康保険証をマイナンバーカードと一体化するという取り組みのことであり、主にデジタル庁と厚生労働省が進めています。

2024年にはついに健康保険証の廃止が閣議決定されており、医療分野のDX化に拍車がかかっています。実際のところマイナンバーカードを健康保険証利用することは各所にどのような影響があるのでしょうか。

そこで本記事では、マイナンバーカードの健康保険証利用についてその概要やメリット、企業担当者が覚えておきたいポイントなどを解説します。

この記事でわかること・結論

  • 2024年12月2日に現行の健康保険証を発行終了し廃止することを正式決定
  • 2023年4月より、国内すべての医療機関においてマイナンバーカードの健康保険証利用対応が義務化
監修者労務SEARCH 編集部

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マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)とは

マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)とは

マイナンバーカードの健康保険証利用とは、2021年10月20日よりデジタル庁や厚生労働省が本格的に進めている「マイナンバーカードと健康保険証の一体化」のことを指します。一体化の導入後に利用するものをマイナ保険証とも呼びます。

厚生労働省の資料によると「これからはデータに基づく診療・薬の処方が受けられます」とのことで、医療分野のデジタル化を目的とした取り込みとしてマイナンバーカードの健康保険証利用が進められています。

2024年には健康保険証が廃止される

政府は2023年12月22の閣議決定にて、2024年12月2日に現行の健康保険証を発行終了し廃止することを正式決定しました。これにより、マイナ保険証への移行が来年も続いていくでしょう。

2024年12月2日以降は、最長1年間の猶予期間が設けられる予定でありその期間は現行の健康保険証を利用することができます。また、マイナ保険証を持っていない方については保険証の代わりとなる「資格確認書」を発行するとしています。

マイナ保険証の導入率

2023年4月より、国内すべての医療機関(病院・医科診療所・歯科診療所・薬局)においてマイナンバーカードの健康保険証利用対応が義務化されました。

厚生労働省が公表している「医療機関等向けポータルサイトアカウント登録状況及び顔認証付きカードリーダー申込状況一覧」では、導入にあたり使用するカードリーダーの申し込み率と実際のマイナ保険証対応率の全国平均値が確認できます。

2023年12月17日時点の各種導入率・参加率
医療機関 カードリーダー導入率
下:マイナ保険証参加率
病院 98.6%
97.7%
医科診療所 91.2%
88.7%
歯科診療所 87.3%
84.6%
薬局 96.1%
95.3%

上記を確認してみると、病院や薬局においては90%以上の参加率であるため、ほとんどがマイナ保険証に対応しています。

歯科診療所についてはもう少し浸透率が上がるのが理想です。歯医者を利用する際は、マイナ保険証を活用したい場合は、まずは対応しているかどうか確認しておくと良いでしょう。

マイナンバーカードの健康保険証利用の使い方

マイナンバーカードの健康保険証利用の使い方

マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)は、実際にどのように使うのでしょうか。ここでは使い方の例をいくつか紹介します。

自身の医療情報を確認する

マイナンバーカードを健康保険証利用することで、マイナポータル上で自分の診断履歴などが確認できます。電子版のお薬手帳を連携すればこれまでに処方された薬も閲覧可能です。

医療機関の自動受付時に使う

マイナ保険証に対応している医療機関であれば対人受付ではなく、自動受付で利用することができます。その際に顔認証付きカードリーダーでの申し込みとなるためスムーズに診察まで進めることができるでしょう。

マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット

マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット

マイナンバーカードを健康保険証として利用する具体的なメリットを紹介します。

マイナ保険証によるメリット

  • 健康保険証の提示が不要になる
  • 医療情報の確認がマイナポータルでスムーズになる
  • マイナポータルで確定申告もラクになる
  • 健康保険証への切り替えがラクになる
  • 高額医療制度の利用もスムーズになる

健康保険証の提示が不要になる

病院や薬局など健康保険証を提示しなければならないシーンは多くありますが、マイナンバーと健康保険証が一体化することで受付自体が自動化するため、提示する手間がなくなります。

健康保険証のほかにもマイナ保険証で「健康保険被保険者証」「国民健康保険被保険者証」「高齢受給者証等」「被保険者資格証明書」「特定疾病療養受療証」などが提示不要になります。

医療情報の確認がマイナポータルでスムーズになる

自身のこれまでの特定健診情報や薬剤情報などが過去3年〜5年分閲覧することができたり、電子版のお薬手帳とも連携したりすることができます。旅行中など遠出している場合でも自身の医療情報にアクセスができるのもポイントです。

特定診断情報 薬剤情報
・受診者情報
・特定診断結果情報
・質問票情報
・メタボリックシンドローム基準の該当
・特定保健指導の対象基準の該当
※2020年以降分が過去5年分閲覧可能
・受診者情報
・過去に処方された薬の情報
(調剤日、医薬品名、成分名、用法、容量など)
※2021年9月分より閲覧可能
※過去3年分を閲覧可能

また、データであれば医師との共有も口頭でする必要がなく診察自体もスムーズになるでしょう。かかりつけ医でない初めての医療機関の場合でも、すぐに自身に合うお薬などが共有できるようになります。

マイナポータルで確定申告もラクになる

国税庁が提供する、国税電子申告・納税システムであるe-Taxとマイナポータルを連携することで確定申告における医療費控除申請などがラクになります。

POINT

医療費控除が自動入力できる

医療費控除の申告は、1年間にかかった各診察時の領収料などをまとめておき自身で申告書に記載する必要がありました。しかし電子申告であるe-Taxと、自身の医療費情報をデータとして保管するマイナポータルを連携することで、各金額や受診履歴の自動入力が可能になります。

これまで手入力や紙での申告だった医療費控除について、バラバラの領収証を管理する必要もなくなります。対象となるものは2021年9月以降に受診した医療保険情報からとなるため覚えておきましょう。

健康保険証への切り替えがラクになる

マイナンバーカードを健康保険料利用することで、就職時や転職時の健康保険証への切り替えがスムーズになります。健康保険の新規加入から、実際に各個人に保険証が届くまでは通常少し時間がかかります。

ですが、マイナ保険証であれば加入手続きが済んでしまえば、すぐに健康保険証として医療機関などで利用することができます。

また、定期的な更新が必要であった保険制度(国民健康保険や後期高齢者医療制度など)の加入者でのマイナ保険証の場合はその定期更新が不要になります。

高額医療制度の利用もスムーズになる

医療機関を利用する際に、入院などによって高額になってしまうケースもあります。そんな時に「高額療養費制度」を活用することが多いと思いますが、その際は「限度額適用認定証※」というものを申請して届き次第、医療機関へ提示してやっと利用という流れです。

「限度額認定証」とは窓口での支払が高額になる場合に、自己負担額を所得に応じた限度額 にするために医療機関に提出する証類のこと。

そのため「限度額適用認定証」が届くまでは一時的に限度額以上の支払いをする必要がありました。

POINT

マイナ保険証では限度額以上の支払いが免除される

マイナ保険証に対応している医療機関であれば、情報提供への同意をすることで高額医療制度を利用する際の限度額超えの一時支払いについて免除されます。限度額適用認定証がなくても高額医療制度がスムーズに利用できるため大きなメリットです。

また、実際にマイナ保険証への移行がまだ済んでいない場合でも情報提供の同意さえあれば、所得に応じた限度額を超える支払いが免除になります。ここで提供する情報とは以下のようなものを指します。

医療機関や薬局などに
提供される情報

  • 保険者番号
  • 被保険者番号、記号
  • 枝番
  • 限度額適用認定証区分
  • 適用区分(特定疾病療養受療証の特定疾病区分含む)
  • 交付年月日
  • 収年月日
  • 長期入院該当年月日(限度額適用・標準負担額減額認定証の交付対象者)

急な入院などで医療費が多額になってしまった際に落ち着いて利用できるように、このマイナ保険証や情報提供の口頭同意による免除についてはしっかりと覚えておきましょう。

マイナンバーカードの健康保険証利用のデメリット

マイナンバーカードの健康保険証利用のデメリット

続いてマイナンバーカードを健康保険証利用することによるデメリットを紹介します。

マイナ保険証によるデメリット

  • 対応していない医療機関もまだある
  • マイナンバーカードの紛失時は再発行に時間がかかる

対応していない医療機関もまだある

マイナンバーカードの健康保険証利用について、冒頭でも2023年12月中旬の導入率を確認しましたがまだ対応していない医療機関もあります。

マイナンバーカードの紛失時は再発行に時間がかかる

万が一、マイナンバーカードを紛失してしまったら再発行には最大2カ月程度かかります。その間に医療機関を利用したくても、マイナ保険証は使えません。

デジタル庁は、マイナ保険証の紛失時についての対応を進めているそうです。万が一落としたり無くしたりした場合は、デジタル庁の公式Webサイトにある一時利用停止用のフリーダイヤル「0120-95-0178 (24時間365日)」に連絡してみましょう。

マイナンバーカードの健康保険証利用の登録方法

マイナンバーカードの健康保険証利用の登録方法

マイナンバーカードと健康保険証を一体化するにはマイナポータルからの利用申請を経てから実際に適用となります。

マイナ保険証の利用申請方法はいくつかあるため紹介します。

Webで申し込み

PCやスマホから利用申請をする方法です。PCから利用申請をする場合は専用のカードリーダーが必要であるため用意しましょう。

スマホから申し込みする場合は、iOS/Androidに対応したマイナポータルのアプリをダウンロードしておく必要があります。

セブン銀行ATMで申し込み

セブン銀行からもマイナ保険証の利用申請ができます。手順は以下を参考にしましょう。

セブン銀行ATMでの申請手順

  1. マイナンバーカードおよび4桁パスワードを用意
  2. セブン銀行ATMの「マイナンバーカードでの手続き」を選ぶ
  3. 「健康保険証利用の申込み」を選ぶ
  4. 画面の指示とおりに操作していく
  5. 利用申請完了

スマホでの操作に自信がない方は、お近くのセブン銀行ATMから申し込みをするのも良いでしょう。

マイナ保険証による人事労務担当者への影響

マイナ保険証による人事労務担当者への影響

マイナンバーカードが健康保険証利用になる際に、企業にはどのような影響が出るのでしょうか。ここでは、マイナ保険証について企業担当者が覚えておきたい内容やする必要のある対応などを解説します。

従業員の質問には回答できるようにしておく

健康保険証の扱いや、医療費控除など関連する内容は答えられるようにしておきましょう。

特に、人事労務担当者がマイナンバーカードと健康保険証を一体化して利用したい場合について聞かれるケースも多いです。自身で利用申請をする旨などしっかりと伝えましょう。

限度額適用認定証の手続きについて理解しておく

「限度額適用認定証」は高額医療費を支払う際に利用できるものですが、通常こちらの限度額適用認定証についての申請は会社を経由して手続きをします。

しかし、手続きをする前にマイナ保険証についての確認が必要です。

2つのポイントを確認する

「対象従業員がマイナ保険証を利用している」かつ「対象医療機関がマイナ保険証に対応している」かの確認をしましょう。2つとも満たしている場合は、限度額以上の支払いが免除されるためそもそも限度額適用認定証の手続きをする必要がありません。

従業員から高額医療制度および限度額適用認定証についての手続きをお願いされたり、質問されたりする場合は正確に対応・回答できるようにしておきましょう。

マイナンバーカードの健康保険証利用に関するよくある質問

マイナンバーカードの健康保険証利用に関するよくある質問

健康保険証が廃止になるのはいつですか?
健康保険証の廃止は2024年12月2日となります。この日程は2023年12月22日の閣議決定にて正式に決まりました。
マイナンバーカードを健康保険証利用するメリットは?
マイナ保険証を利用することで医療機関での自動受付でスムーズに申し込みができます。また、自信の診療状況や薬剤情報などを過去分まで閲覧できることもメリットの一つです。合意があれば医師への共有もできるため口頭で伝える必要もなくなります。また、入院などで高額な請求になる場合は、限度額以上を負担しなくても良くなりました。
マイナンバーカードを健康保険証利用で企業担当者はどう影響する?
健康保険証が廃止されることで、従業員に対する正しい促しが必要になります。たとえば医療機関を利用した際にきちんと保険証として利用できることを再度確認したり、高額医療制度についての理解を深めたりなどがあります。従業員の医療機関利用について関連する対応はすべて再確認しておくと安心です。

まとめ

マイナンバーカードの健康保険証利用は、マイナンバーカードを健康保険証の代わりとして利用するものであり、マイナポータルにおけるデータでの管理を促進するという取り組みです。

デジタル庁や厚生労働省が主軸となって議論を進めており、2024年12月には現行の健康保険証が発行終了となることも正式決定しました。執行猶予は1年間あるため、その間にマイナ保険証への移行が必要です。

利用申請には方法がいくつかあり各個人が自身で手続きをする必要があります。会社担当者は従業員への周知や、医療機関や関連制度の利用時における対応などを今一度確認しておきましょう。

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