「人事や労務に関する情報収集をしたいけど、どのメディアを信じればいいのかわからない…」そんな悩みをもつ人事・労務担当者は多いのではないでしょうか?
人事・労務の仕事は、採用や人材育成・人事評価・労務管理など幅広く、常に最新の情報が求められます。さらに、採用市場の動向・法改正・他社の成功事例などチェックすべき情報は膨大です。しかし、情報があふれるいまの時代、本当に役立つ情報をどう見極め、業務に活かせばいいのか迷うこともあるでしょう。
そこで本記事では、人事・労務担当者が自社に合ったメディアを選び、効率よく情報を収集し、実務に活かすためのポイントとおすすめのメディア10選を紹介します。
目次
多種多様な人事・労務メディアの中から、自社にとって最適なメディアを選ぶためには、いくつかの基準をもつことが重要です。ここでは、目的の明確化、信頼性の確認、メディアの特性理解という3つのポイントを紹介します。
まず、人事・労務メディアで何を知りたいのか、どのような情報を求めているのかを明確にしましょう。人事・労務の経験が浅い方が網羅的な知識を得たいのか、最新トレンドを追いかけたいのか、セミナー情報を探したいのかによって、選ぶべきメディアは異なります。
おすすめなメディアの特徴 | |
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初めて人事を担当する | 人事・労務業務の手順が網羅的にわかりやすく記載されているメディア |
人事に関するトレンドを把握したい | 更新頻度が高く、SNSやメルマガで最新情報を提供するメディア |
セミナー情報を 入手したい |
開催日やエリア、カテゴリで検索しやすいサイト設計、またはメルマガで案内があるメディア |
人事・労務担当者の業務は、従業員の生活や人生に影響を与えるため、情報の信頼性は非常に重要です。一つの情報源を鵜呑みにせず、複数のメディアを比較検討し、中立的な視点をもつように心がけましょう。特に、法改正に関する情報は、厚生労働省などの公的機関の情報と照らし合わせることが不可欠です。
人事・労務メディアは、情報を無料で提供する代わりに、広告媒体としての側面をもつ場合があります。人材サービス会社やコンサルティング会社が自社サービスを宣伝するために運営しているオウンドメディアも多く存在します。そのため、記事の内容が中立的であるか、特定のサービスを推奨していないかを見極める必要があります。以下の点に注意して活用しましょう。
人事・労務メディアでは、法律関連などの高い専門性・正確性が求められるものよりも、他社の制度や取り組みの事例、最新トレンド、専門家へのインタビュー記事などが情報収集に適しています。
数ある人事・労務メディアの中から、特におすすめの10個を目的別に厳選しました。 各メディアの特徴、主な提供コンテンツに加えて「人事メディアの選び方」で解説した目的に沿った活用例を紹介します。
労務SEARCH(サーチ)は、労務・人事・総務管理者の課題を解決することを目的としたメディアサイトです。労働保険(労災保険/雇用保険)、社会保険、人事労務管理、マイナンバーなど、企業にとって価値のある情報が提供されています。
最新の法改正への対応や最新のニュースなどが掲載されているので、労務管理の実務に役立つ情報を探している方におすすめです。また、電子契約システムやオフィスステーションサインのようなツールの紹介もおこなっています。
運営会社 | エフアンドエムネット株式会社 |
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会員登録 | 一部のコンテンツで必要 |
会員数 | 5.5万人以上 |
サイトURL | https://romsearch.officestation.jp/ |
WEB労政時報は、人事・労務に役立つ情報提供と課題解決を支援するサイトです。労政時報の最新号記事の一部やWEB独自記事、ニュース、調査レポート、改正法情報、労働判例などが提供されています。
WEB労政時報では、人事労務カレンダーや用語集などのコンテンツも利用可能です。労使および専門家へのアンケートによる賃上げ見通しや、新卒者の初任給予測といった調査レポートも公開されています。そのほか、人事制度事例や中途採用を成功させるポイント、アルムナイネットワークの構築方法など、実務に役立つ情報が掲載されています。
サイトでは無料版と有料版があり、有料会員になると、2001年からのバックナンバー読み放題、実務相談Q&A使い放題、お気に入り記事のクリップや閲覧履歴管理機能、メールでの情報配信、セミナー優待価格などの特典があります。
運営会社 | 株式会社労務行政 |
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会員登録 | 一部のコンテンツで必要 |
会員数 | 6万人以上※ |
サイトURL | https://www.rosei.jp/readers |
2022年8月末時点
日本の人事部は、人材採用・育成、組織開発に関する情報を提供するナレッジコミュニティサイトです。36万人以上の人事担当者が会員として登録しており、人事担当者のためのオープンプラットフォームとして機能しています。
提供するコンテンツは多岐にわたり、人事課題の解決に役立つ各種ソリューションやセミナー情報、事例、レポート、書式例なども無料ダウンロードできます。さらに「HRアワード」や「HRカンファレンス」といったイベントも主催しており、セミナーやイベント情報も豊富です。初めて人事や採用担当になった方におすすめです。
運営会社 | 株式会社HRビジョン |
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会員登録 | 一部のコンテンツで必要 |
会員数 | 36万2,732人※ |
サイトURL | http://jinjibu.jp/ |
2025年2月19日時点
HRプロは、人事・労務に関する課題解決を支援する日本最大級の人事ポータルです。人事担当者向けの最新トレンドニュースやコラム、インタビュー記事などを掲載し、人事の課題解決に役立つ専門家ネットワークやHRテックに関する情報も提供しています。
また、人材育成・採用・労務管理・組織開発など、人事関連の幅広いテーマを扱っていること、調査レポートや資料ダウンロードなど、実践的な情報収集や学習に役立つコンテンツが豊富なことも特徴です。専門的な情報が満載なので、中途採用を強化したい企業の人事担当者にもおすすめでしょう。
HRプロでは、無料会員登録することで、会員限定の記事やコンテンツを利用できるようになります。
運営会社 | ProFuture株式会社 |
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会員登録 | 一部のコンテンツで必要 |
会員数 | 約8万人※ |
サイトURL | http://www.hrpro.co.jp |
公式サイトによります
HRドクターは、企業の人事と経営者向けに、採用と教育に関する情報を提供するメディアです。新卒採用・中途採用・新人育成・リーダー育成・組織へのエンゲージメント向上など、人事領域の採用と教育に特化したテーマを扱っています。
主に組織活性化のための記事、セミナー情報、動画などを発信しており、採用力アップやマネジメント手法の比較、研修効果を高めるコンテンツなども提供しています。実践的なノウハウが得られるでしょう。
運営会社 | 株式会社ジェイック |
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会員登録 | 一部のコンテンツで必要 |
会員数 | 非公表 |
サイトURL | https://www.hr-doctor.com/ |
HR NOTEは「人事の成長から、企業の成長を。」をコンセプトに、人事担当者や経営者の課題に寄り添った情報メディアです。普段の人事業務に役立つ情報から、HRに関するトレンド情報まで、さまざまなノウハウやナレッジを配信しています。
採用・組織・労務・HR Techなど、人事担当者や経営者が関心をもつ幅広いコンテンツを提供しており、組織文化やエンゲージメント向上に関心がある方におすすめです。掲載されている記事は、アルバイト・パート採用手法、エンジニア採用手法、外国人採用手法といった採用に関する記事や、ダイバーシティ&インクルージョン、企業文化・組織風土といった組織に関する記事、社会保険、勤怠管理などの労務に関する記事などがあります。
そのほか、セミナー情報やお役立ち資料、ニュース、特集など、多様なコンテンツが用意されており、人事注目のタグから記事を検索することも可能です。
運営会社 | jinjer株式会社 |
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会員登録 | 一部のコンテンツで必要 |
会員数 | 非公表 |
サイトURL | https://hrnote.jp/ |
BizHint(ビズヒント)は、クラウド活用と生産性向上を支援する専門サイトです。このサイトでは、戦略・経営、新卒・中途採用、アルバイト採用、人材育成、組織・チームワーク、従業員満足度、イノベーション、マーケティング、労務、働き方改革・キャリア、生産性向上など、多岐にわたるカテゴリに関する情報が提供されています。
BizHintは、インタビュー記事、イベントレポート、お役立ち資料といったコンテンツを通じて、ビジネスのヒントを提供しています。特に、企業の生存戦略、組織変革、リーダーシップ、データドリブン経営といったテーマに焦点を当てたインタビュー記事が豊富です。また、補助金・助成金に関する情報や、最新の業界動向も提供しており、企業が直面する課題の解決を支援しています。
サイト内では、人気記事ランキングも提供されており、関心の高い情報を簡単に見つけることができます。さらに、ニュースレターやSNSを通じて最新情報が配信され、業界の「今」を見逃さないようにサポートしています。
運営会社 | 株式会社ビズヒント |
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会員登録 | 一部のコンテンツで必要 |
会員数 | 65万人以上※ |
サイトURL | https://bizhint.jp/ |
2024年6月時点
アルー株式会社は、新入社員から経営層、グローバル人材まで、プロフェッショナル人材を育成することを目的とした企業です。20年の大手企業向け研修実績があり、これまでの経験で得た知見やノウハウ、研究結果に基づく情報をブログで提供しています。
そのほかブログでは、新入社員、管理職、グローバル人材育成、DX人材育成、ビジネススキルといったテーマに関する記事や、導入事例、開催予定のセミナーに関する情報を掲載しています。
運営会社 | アルー株式会社 |
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会員登録 | 一部のコンテンツで必要 |
会員数 | 非公表 |
サイトURL | https://service.alue.co.jp/ |
転職会議は、企業の評判や年収、面接対策などの情報を、現社員や元社員からの口コミとして提供する転職総合サイトです。特徴は、国内最大級※1の440万件以上の転職口コミ情報が掲載されていること。これらの口コミを通じて、実際に働いていた社員による会社への評価、年収、残業時間、有給消化率などを確認できます。
会員数は980万人以上で、これも転職系サービスとしては日本最大級※1の規模を誇ります。日本中の企業の口コミが集まるため、企業は転職者の本音を知って組織改善に、ライバル各社の情報を知って人事戦略の策定に活用できます。
運営会社 | 株式会社リブセンス |
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会員登録 | 必要 |
会員数 | 980万人以上※2 |
サイトURL | https://jobtalk.jp/ |
1:公式サイトによります
2:2025年2月20日時点
エンゲージ会社の評判(旧:ライトハウス)は、就職・転職を希望するすべての人に活用してもらうことを目的とした、日本最大級※1の口コミ・評判プラットフォームです。2011年から会社に関する正確かつ質の高い情報を収集し、毎日更新しています。
このプラットフォームには、3,000万件以上の社員・元社員の口コミ・評価が掲載されており、22万社以上の会社に関するクチコミを見ることができます。社員・元社員の生の声を通じて、会社のリアルな状況を知ることができ、独自のチャートで企業の強み・弱みがわかりやすく表示されている点が特徴です。
エンゲージ独自の調査による企業研究や、企業データの比較、女性評価の可視化など、企業をあらゆる角度から知ることが可能です。転職者たちの本音を知り、組織改善に活かしましょう。
運営会社 | エン・ジャパン株式会社 |
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会員登録 | 必要 |
会員数 | 約400万人※2 |
サイトURL | https://en-hyouban.com/ |
1:公式サイトによります
2:2024年7月24日時点
メディア名 | 特徴 |
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@人事 | 人と人をつなぐ、人事のための総合メディア。具体的な施策やナレッジが満載。 |
人事Gate.jp | 人事・労務・総務の問題解決、便利な書式提供、人事関連の制度・規則を解説。 |
Tech総研 | エンジニアのための『仕事・職場・転職』応援サイト。ワークライフバランスや給与調査に関する記事が満載。 |
美人事 | 「働く女性は美しい」をコンセプトに、美しい女性人事を紹介。女性人事の体験談が満載。 |
20代の 働き方研究所 |
20代向け転職サイトRe就活がプロデュースする人事メディアで、仕事観や働き方、キャリアに関する情報を発信。 |
Business Lawyers | 最新の法改正や判例のポイントなどについて弁護士がわかりやすく解説。 |
みんなの採用部 | 求人募集から母集団形成、選考における見極め、入社後の育成など、採用に関わるすべてのフェーズで支援する情報を提供。 |
オフィスのミカタ | 従業員の働きがい向上に務める担当者向けに、完全無料で使える総務や人事、経理、管理部といったバックオフィス業界に特化したコンテンツを提供25。 |
月刊総務 オンライン |
総務・人事に特化した情報をお届けする、日本唯一の総務専門誌『月刊総務』のWeb版。 |
人事・労務メディアで得た情報を、個人のスキルアップに留めず、組織全体の成長につなげることが重要です。ここでは、社内説得、採用マーケティング、人事担当者間の意見交換という3つの活用方法を紹介します。
新しい人事施策を導入する際、社内の理解を得るのが難しい場合があります。そのようなとき、人事・労務メディアで得た他社の成功事例や業界トレンドは、客観的な説得材料として有効です。事例やトレンドを示すことで、感情論ではなくデータに基づいた議論を促し、合意形成を円滑に進めることができます。
具体的な活用例としては、気になる記事をピックアップし、社内の人事ミーティングで共有したり、上司向けに要約資料を作成して提案の根拠に活用したりしましょう。
人事・労務メディアの記事をSNSで共有し、自社の取り組みをアピールすることで、採用マーケティングやブランディングに活用できます。たとえば、働き方改革に関する記事をシェアし、自社の取り組みを付け加えることで、求職者に対して企業の魅力を効果的に伝えることができます。
人事担当者同士で、定期的に人事・労務メディアの記事を共有し、意見交換をおこなうことで、新しいアイデアが生まれることがあります。最新ニュースやトレンドを共有することで、自社に必要な施策を検討するきっかけになります。
たとえば、Slackで「人事情報共有チャンネル」を作成する、定期的に社内勉強会を開く、社内ブログに人事メディアで得た「今月の人事トレンド」をまとめるなど、情報共有の方法は多数あります。こうすることで人事担当者の知識も向上し、個人のスキルアップにもつながるでしょう。
人事・労務メディアは、人事・労務担当者にとって情報収集の強力なツールとなります。しかし、情報過多の時代だからこそ、目的を明確にし、信頼性を見極め、メディアの特性を理解したうえで活用することが重要です。
本記事で紹介した選び方と活用方法を参考に、自社に最適なメディアを見つけ、継続的な学習と情報アップデートをおこなうことで、人事・労務担当者自身と組織全体の成長につなげていきましょう。
労務・人事・総務管理者の課題を解決するメディア「労務SEARCH(サーチ)」の編集部です。労働保険(労災保険/雇用保険)、社会保険、人事労務管理、マイナンバーなど皆様へ価値ある情報を発信続けてまいります。
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