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全体最適と部分最適との違いとは?実施効果や人事労務との関わり方を解説!

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経営・戦略

会社を効率よく経営していくためには、「全体最適(組織全体が最適化された状態)」を図る必要があります。重要な意思決定を迅速に行う会社経営者や企業幹部の方は、全体最適の正確な意味を理解することが求められています。今回は、全体最適の正しい意味や部分最適との違い、人事労務との関わり方について具体的に解説します。

全体最適とは

全体最適とは、会社経営や組織運営の場面において、会社や組織が抱えるシステム全体が最適化されている状態を指します。会社経営者や企業幹部などの経営陣が会社全体の収益を最大化させるための指針として、全体最適という概念が用いられています。

会社経営において、一部の部門やシステムの生産性のみを向上させたとしても、他の部門とのあつれきが生じる可能性があります。会社経営者が社員全員の意識改革を実行し、全体最適に対する考え方を会社に浸透させることが大切です。

今後は少子高齢化が加速し、人材の不足が懸念される中、全体最適を図り、できるだけむだを省き、会社の業務全体を最適化することが必要です。

部分最適との違い

全体最適と対象的な概念として、「部分最適」という考え方があります。全体最適は組織やシステム全体を最適化することに対して、部分概念は組織全体ではなく、組織やシステムの一部に着目して業務の効率化を図った状態を指します。

全体最適は会社経営者や経営幹部など、会社経営に関わる上層部が意識すべき概念であるのに対し、部分最適は現場の部長やマネージャー、スタッフ一人ひとりが意識すべき概念だといえます。

全体最適は部門同士の連携だけでなく、経営陣と各部門との連携も迅速に行われる組織構造であることに対し、部分最適は各部門がそれぞれ独立して意識決定を行い、会社全体が機能不全を起こしやすい組織構造だといえます。

部分最適との違い

部分最適と全体最適は常に相反する概念とは限らず、部分最適されたからといって、必ずしも全体最適に影響を与えることはありません。

全体最適の効果

会社経営者など組織のリーダーが常に全体最適を意識して会社を経営することにより、会社経営におけるむだを省き、組織全体として業務を効率的に進めることができます。その結果、会社の業績が上がり、経営の安定に貢献することが期待できます。全体最適の実現は会社の経営に大きな影響を与え、さまざまな効果を生み出します。

生産性の向上

全体最適の実現により会社全体の生産性向上が期待できます。具体例として、製造工程だけでなく、箱詰め作業や梱包、検品などの労働集約型作業において、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やIoTを活用して省力化を図り、会社全体の生産性向上を実現しているメーカーの事例も報告されています。

【参考】2018年度版ものづくり白書「概要」|経済産業省 厚生労働省 文部科学省
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2018/honbun_pdf/pdf/gaiyo.pdf

また、複数の支店を持つ会社が支店ごとに行っていたバックオフィス業務を一つの部署に集約して全体最適を図ることで、それぞれの支店の生産性を向上させた事例の報告もあります。

全体最適の観点から、本来必要性が低かった業務プロセスを削減し、必要性の高いプロセスを適切に再配分することにより、会社全体の生産性が向上する効果があります。

経営資源の有効活用

全体最適を図ることにより、ヒトやモノ、情報など限られた経営資源を適切な部門や業務プロセスに有効活用できます。その結果、ノウハウの共有により部門間やグループ会社同士でのシナジー効果が発揮され、組織全体の活性化が期待できます。

業務の自動化・効率化

多くの会社は「日々の定型業務や煩雑な管理業務をどのように効率化すれば良いか」といった悩みを抱えています。RPAやIoTなどのテクノロジーを積極的に活用して、全体最適を図り、業務の自動化・効率化を実現しなければなりません。

全体最適の問題点(注意点)とは

全体最適は会社経営において、多くのメリットを与える大切な概念ですが、いくつかの問題点も存在します。会社経営者や経営幹部などトップ層は、全体最適の問題点にも着目することが大切です。

部門間の対立

全体最適の実施は、特定の部署にメリットがある反面、他の部署にはデメリットが発生して利害が対立する場面が発生します。例えば、全体的な売り上げを伸ばす目的で営業部門に資金を投入して人員やシステムを拡充することにより、商品開発に予算が回らず、生産部門が納得のいく商品を開発できない事態が生じる可能性があります。

導入に時間がかかる

大きな会社組織ほど経営資源(ヒトやモノ)が多いことから、全体最適の実現に多くの時間を要してしまいます。社内システムを新たに再構築する場合や、新たな業務プロセスを社員に共有するための社内研修の実施など、全体最適に必要な時間やコストが膨大になるため、短期間で全体最適を実現することは決して簡単ではありません。

既存システムとの不整合

全体の最適化を図るために、古いシステムから新しいシステムに入れ替える場合、既存システムとの不整合が生じることがあります。また、既存システムを利用する人の中には新たなシステムに柔軟に対応できない人もいることから、問題なく迅速に移行できるケースは少ないといえます。

人事労務の全体最適への考え方

人事業務や労務業務といった会社における管理業務は、会社で働く社員一人ひとりの業務を影で支える重要な役割を担っています。人事労務の業務内容は、給与計算や労働時間管理、社会保険料の納付など多岐にわたることから、全体最適による効率化が求められています。

人事労務業務は組織全体に影響する

人事労務業務には、会社の人員配置や採用といった人事業務と給与計算や社会保険手続きなどの労働管理業務の二つの業務に分けることができます。これらの人事労務業務は会社の規模が大きくなり従業員が増えるにつれて煩雑かつ作業量が膨大となります。

人事労務業務にデジタルツールやソフトウェアを導入し、システム化するなど効率化を実現できれば、煩雑な作業を大幅に削減することが可能です。定型業務が多い人事労務業務を自動化・効率化により、組織全体の業務を大幅に改善することが期待できます。

人事労務の生産性向上が鍵

急成長しているベンチャー企業や創業間もない会社の中には、営業部門や経営戦略部門に経営資源を集中し、人事労務業務がおろそかになる企業が多数見受けられます。

売り上げを伸ばして成果を上げることは大切ですが、会社の成長や従業員の数に合わせて人事労務業務を自動化・効率化することにより、人事労務担当者だけでなく、現場の社員の業務負担を軽減できます。その結果、社内環境が改善され、従業員のモチベーションも向上し、会社全体の最適化につながります。

人事労務に全体最適を検討すべき企業とは

人事労務に関する業務は煩雑であり、簡単には改善されにくい特徴があります。しかし、人事労務の効率化を図り、全体最適に成功した企業も多数存在します。人事労務に全体最適を検討すべき企業は一体どのような企業かご紹介します。

多数の連結会社や拠点がある企業

企業規模が比較的大きく、複数の連結会社や多店舗展開している企業は、アルバイト・パートタイムの従業員も多く、従業員数が多くなるため、人事労務に関する業務も膨大な量となる傾向があります。さらに海外を含め、拠点が多い企業は調整に時間がかかる、管理が行き届かないなどのリスクが発生するため注意が必要です。
多数の連結会社や拠点がある企業ほど、バックオフィス業務の効率化を図り、人事労務に全体最適を検討すべきです。

女性従業員が多い企業

女性従業員が多い企業は、契約書や社会保険や雇用保険に関する書類作成業務に加えて、従業員の産前産後休業や育児休業、扶養配偶者としての取り扱いなど、男性従業員が多い企業と比べて、役所に提出する書面が多くなります。そのため、女性従業員が多い企業は人事労務に関する業務を効率化するために全体最適を検討すべきといえます。

人材派遣など「ヒト」を扱う企業

人材派遣など「ヒト」を扱う企業では、正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトなどさまざまな雇用形態で働いている従業員が多数存在します。さらに人の入れ替わりも激しいため、人事労務に関する業務も増大する傾向にあります。「ヒト」を扱う人材派遣サービスを担う企業ほど、可能な限り、全体最適を実現して業務の効率化を図るべきです。

まとめ

  • 全体最適とは、会社経営や組織運営の場面においてその会社や組織が抱えるシステム全体が最適化されている状態を指す
  • 部分最適と全体最適は常に相反するとは限らず、部分最適が実現されたとしても、必ずしも全体最適の実現が困難ということにはならない
  • 全体最適は、生産性の向上や経営資源の有効活用などの効果を期待できる一方で、社内の部門間の対立やシステムの不整合などを引き起こす可能性がある
  • 人事労務業務は組織全体に大きな影響を及ぼす業務であることから、業務が効率化されて生産性が向上すると会社全体の業務の最適化につながりやすい
  • 人を扱う企業や女性が多い企業、連結会社を多く持つ企業など、人事労務に全体最適の導入すべき企業にはいくつかの特徴がある
Growthix Capital 株式会社 取締役 CSO|田坂 伸一

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