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【2026年最新版】知らないと損する助成金・補助金一覧|中小企業が使える制度まとめ

監修者:涌井 好文 涌井社会保険労務士事務所
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この記事でわかること・結論

  • 助成金と補助金の根本的な違い、および両方を組み合わせるメリット
  • 2026年に中小企業が活用できる厚労省系の助成金・経産省系の補助金の主要制度と概要
  • 申請を失敗しないための事前準備と注意点

2026年(令和8年)、助成金・補助金を取り巻く環境は大きく変化しています。コロナ禍を中心とした支援から、現在は賃上げ、生産性向上、DX、GXなどを重視する施策へと政策の重点が移りつつあります。

厚生労働省が所管する助成金は、各制度の支給要件を満たした場合に支給対象となる仕組みである一方、経済産業省・中小企業庁が所管する補助金は、公募のうえ審査・採択を経て交付されるのが一般的です。この違いを理解したうえで、自社の目的に応じて活用を検討することが重要です。

また、2026年度は制度の再編や名称変更もみられます。たとえば、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更されました。加えて、令和8年度予算では「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」という再編後の枠組みも示されています。旧名称のままだと最新の公募情報を見落とすおそれがあるため、申請前には必ず公式情報を確認しましょう。

本記事では、2026年に中小企業が活用を検討できる主要制度を、厚生労働省・中小企業庁の公式情報をもとに整理し、目的別の選び方や申請前の注意点を解説します。

目次

助成金と補助金の違いをまず整理しよう

「助成金」と「補助金」は混同されやすいですが、管轄省庁・財源・受給の難易度が異なります。2026年の資金調達を有利に進めるには、この違いを正しく理解することが第一歩です。

助成金とは|要件を満たせば原則受給できる厚労省の制度

助成金は主に厚生労働省が所管する制度で、雇用保険料を財源としています。最大の特徴は、一定の要件を満たせば原則として受給できる点です。審査・採択というプロセスがなく、要件充足を確認できれば支給が決定します。そのため、補助金と比較して資金計画が立てやすく、中小企業が最初に検討すべき制度といえます。

POINT
助成金の主な特徴

要件を満たせば原則受給できる「受け取りやすさ」が最大の強みです。ただし予算に上限があるため、早めの準備・申請が重要です。

管轄・財源

主に厚生労働省が所管。雇用保険料を財源とするため、雇用保険適用事業主が基本的な対象です。

受給の仕組み

審査・採択はなく、要件を満たせば原則として支給されます。ただし予算の上限があるため、年度内に募集が終了するケースもあります。

主な対象領域

雇用・人材育成・労働環境改善など。正社員化・賃金引き上げ・テレワーク導入・採用定着等の取り組みが対象です。

申請代行

助成金の申請書類の作成・代行は社会保険労務士の独占業務です。初めての申請は社労士への相談を強くおすすめします。

補助金とは|審査・採択が必要な経産省・中小企業庁の制度

補助金は経済産業省・中小企業庁が主管する制度が多く、事業計画書の審査を経て「採択」された事業者のみが受給できます。採択率は制度や回ごとに異なり、30〜70%程度と幅があります。また、補助金は基本的に「後払い」のため、先に自己資金で費用を負担し、事業完了後に請求する流れになります。

POINT
補助金の主な特徴

助成金より高額な支援が受けられる一方、審査・採択が必要で不採択のリスクもあります。事業計画書の質が採否を大きく左右します。

管轄・財源

主に経済産業省・中小企業庁が所管。税金を財源とするため、政策目的に沿った事業への投資が支援されます。

受給の仕組み

事業計画書の審査を経て採択された事業者のみが受給できます。採択率は制度・公募回ごとに異なり、30〜70%程度の幅があります。

主な対象領域

設備投資・IT導入・新事業進出・販路開拓など。成長投資を伴う取り組みへの支援が中心です。

支払いのタイミング

原則「後払い」です。事業完了・実績報告後に入金されるため、補助金相当額を先行して自己資金または融資で賄う必要があります。

中小企業が活用すべきはどちら?両方使いが正解

助成金と補助金は目的・要件が異なるため、排他的ではなく併用が可能なケースも多くあります。例えば「賃上げ+設備投資」を同時に進める場合、業務改善助成金(厚労省)で設備投資費用を補助しながら、デジタル化・AI導入補助金(経産省)でITツール費用を補助することが考えられます(ただし同一経費への重複適用は不可)。

注意点:同一経費への重複申請は不可

異なる補助金・助成金であっても、同一の経費に対して複数の制度から補助を受けることは原則として認められていません。申請前に各制度の公募要領を確認し、対象経費が重複しないよう整理しましょう。

2026年の助成金・補助金のトレンドと特徴

2026年は、助成金・補助金の制度改編や名称変更が相次いでいます。コロナ禍対応を中心とした大型支援から、足元では賃上げ、生産性向上、DX、GX、新事業進出などを重視する施策へと政策の重点が移りつつあります。政策の方向性を把握することが、自社に合った制度を見つける近道です。

コロナ「救済」フェーズは終了、成長企業への集中投資へシフト

事業再構築補助金は、コロナ禍以降の大型支援制度として大きな役割を果たしてきました。2025年1月には第13回公募が行われており、その後は新事業進出補助金など、新たな成長支援策へ重点が移っています。

新事業進出補助金は、新市場進出や高付加価値化に向けた挑戦を支援する制度です。なお、令和8年度予算では「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」という再編後の枠組みも示されていますが、2026年3月時点では新事業進出補助金とものづくり補助金は別制度として案内されています。

賃上げ・DX・GXが共通キーワードになっている

また、2026年度の主要制度をみると、「賃上げ」「DX」「GX」が重要なキーワードになっています。業務改善助成金は、事業場内最低賃金の引上げと生産性向上投資を支援する制度で、令和8年度概算要求では前年度当初予算を上回る要求額が示されています。経済産業省・中小企業庁でも、「デジタル化・AI導入補助金」やGX関連施策が打ち出されており、こうした政策テーマとの親和性は、制度選びや申請設計を考えるうえで重要です。

2026年の大きな変更点(統廃合・名称変更・新設)

旧制度名 2026年時点の取り扱い
IT導入補助金 「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更
ものづくり補助金+新事業進出補助金 2026年3月時点では並行して公募・案内あり。令和8年度予算では再編後の枠組みとして「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が示されている
事業再構築補助金 過去の大型支援制度。新規の中心施策は新事業進出補助金などへ移行
キャリアアップ助成金 継続。2025年4月に一部改正後、2026年度も継続
注意点:旧名称でのURL検索に注意

「IT導入補助金」で検索すると旧年度のページに誘導されるケースがあります。必ず中小企業庁の公式ページや各補助金の公式サイトで最新の公募情報を確認してください。

【厚労省】2026年に中小企業が使える主要助成金一覧

厚生労働省が所管する助成金は、原則として雇用保険適用の事業主が対象です。要件を満たせば原則受給でき、予算がある限り支給されます。2026年も継続・拡充される主要5制度を詳しく解説します。

キャリアアップ助成金|非正規の正社員化・処遇改善に

有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者などの非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主を対象に助成する制度です。2025年4月の改正で「重点支援対象者」の概念が導入され、支援の重点化が図られています。2026年度も制度は継続されます。

全コース一覧(令和8年度)
  • 正社員化コース:有期雇用労働者等を正規雇用に転換した場合に助成
  • 障害者正社員化コース:障害のある有期雇用労働者等を正規雇用等に転換した場合に助成
  • 賃金規定等改定コース:有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定した場合に助成
  • 賃金規定等共通化コース:有期雇用労働者等と正規雇用労働者の共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合に助成
  • 賞与・退職金制度導入コース:有期雇用労働者等を対象に賞与または退職金制度を導入し支給・積立てを実施した場合に助成
  • 短時間労働者労働時間延長支援コース:短時間労働者を新たに社会保険へ加入させ収入増加を実現した場合に助成(2025年7月新設)

正社員化コースの助成額(中小企業・令和7年4月以降)

対象労働者の区分 重点支援対象者 重点支援対象者以外
有期雇用労働者→正社員 80万円
(1期40万円+2期40万円)
40万円(1期のみ)
無期雇用労働者→正社員 40万円
(1期20万円+2期20万円)
20万円(1期のみ)
「重点支援対象者」とは?

次のいずれかに該当する労働者が「重点支援対象者」として2期分の申請が可能です。
(a)雇入れから3年以上の有期雇用労働者
(b)雇入れから3年未満で、「過去5年間の正規雇用期間が1年以下」かつ「過去1年間、正規雇用されていない」有期雇用労働者
(c)派遣労働者・母子家庭の母等・父子家庭の父・人材開発支援助成金の特定の訓練修了者

POINT
加算措置で受給額をさらに上乗せできる

正社員転換制度を新たに規定して転換した場合は1事業所あたり20万円、多様な正社員制度(勤務地・職務・短時間限定)を新たに規定した場合は40万円が加算されます。また、令和8年度以降は「非正規雇用労働者情報開示加算」の拡充が概算要求で示されており(中小企業は5万円→20万円案)、活用次第で受給額はさらに上乗せとなる見込みです。

注意点:取り組み実施「前日」までに計画書の提出が必須

各コースの取り組み実施日の前日までに、「キャリアアップ計画」を作成し、提出する必要があります。取り組み実施後に提出しても受給できません。申請前には、最新の支給要領やパンフレットで提出期限・必要書類を必ず確認しましょう。

業務改善助成金|最低賃金引き上げと生産性向上をセットで

中小企業・小規模事業者が事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を実施した場合に、設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。最低賃金が全国加重平均1,121円(令和7年度)に達した今、賃上げ負担の軽減に直結する制度として注目度が高まっています。

助成コース別の上限額(令和7年度・基本要件)

コース
(引き上げ額)
引き上げ対象人数1名 引き上げ対象人数2〜3名 引き上げ対象人数4〜6名 引き上げ対象人数7名以上 引き上げ対象人数10名以上
30円コース 60万円 90万円 100万円 120万円 130万円
45円コース 80万円 110万円 140万円 160万円 180万円
60円コース 110万円 160万円 190万円 230万円 300万円
90円コース 170万円 240万円 290万円 450万円 600万円

上記金額は、事業規模30人未満の事業者の場合です。10名以上の区分は、特例事業者(事業場内最低賃金1,000円未満等)かつ引き上げ対象人数10名以上の場合に対象となります。詳細は厚生労働省公式サイトをご確認ください。

業務改善助成金の基本情報

対象は、中小企業・小規模事業者で、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げたうえで、生産性向上に資する設備投資等をおこなう事業者です。令和7年度の基本要件では、事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であることなどが求められています。助成対象には、機械設備の導入、コンサルティング、人材育成・教育訓練などが含まれます。助成上限額はコースや対象人数に応じて異なり、最大600万円です。なお、令和7年度中には制度見直しもおこなわれているため、最新の助成率や対象範囲は必ず厚生労働省の公式情報を確認してください。

注意点:交付決定前の設備導入は対象外・順序を厳守

賃上げや設備投資は、原則として交付決定後に実施する必要があります。申請前に賃上げをおこなった場合や、交付決定前に助成対象設備を導入した場合は、助成対象外となるため注意が必要です。申請にあたっては、交付要綱・要領・Q&Aを確認し、所定の手順に沿って進めましょう。

人材確保等支援助成金|採用・定着環境の整備に

雇用管理の改善によって魅力ある職場づくりを進め、人材の確保・定着を図ろうとする事業主を支援する制度です。複数のコースがあり、採用困難業種の事業主から中途採用強化・テレワーク推進まで幅広いニーズに対応しています。

主なコースと助成内容

コース名 助成内容・上限額(中小企業) 主な要件
雇用管理制度
雇用環境整備助成コース
雇用管理制度の導入:1制度につき20万円または40万円、賃金要件ありで25万円または50万円。上限80万円または100万円。業務負担軽減機器等は経費の1/2、賃金要件ありで62.5/100、上限150万円または187.5万円 雇用管理制度または業務負担軽減機器等の導入、離職率目標達成など
テレワークコース 制度導入助成:20万円、目標達成助成:10万円、賃金要件を満たす場合15万円 テレワーク制度の導入・実施、評価期間中の実施実績、離職率要件など
POINT
採用課題に応じてコースを選ぶ。制度ごとに併用可否や要件確認

人材確保等支援助成金には、雇用管理制度・雇用環境整備助成コースやテレワークコースなど、目的別に複数のコースがあります。自社の課題に応じて選べるのが特徴ですが、要件や助成額はコースごとに異なります。加算や特例が設けられている場合もあるため、申請前には必ず各コースの最新要領・公募情報を確認しましょう。

上記URLは厚生労働省の人材確保等支援助成金ページです。各コースの最新の助成額・要件は申請時に公募要領にてご確認ください。

トライアル雇用助成金|就職困難者の試行雇用に

ハローワーク等の紹介により、就職困難者を原則3か月間の試行雇用(トライアル雇用)した場合に助成する制度です。採用前に実際の業務を通じて適性や能力を見極めやすく、雇用のミスマッチ防止にもつながります。

コース・対象 助成額(1人あたり月額) 支給期間
一般トライアルコース
(就職困難者)
4万円 原則3カ月
障害者トライアルコース 最大8万円 精神障害者以外は原則3カ月、精神障害者は原則6か月・最長12カ月
障害者短時間トライアルコース 4万円 3カ月以上12カ月以下
トライアル雇用助成金の対象者(例)

・長期失業者
・母子家庭の母または父子家庭の父
・高年齢者
・障害者
・生活困窮者・住居確保給付金受給者 等
※ハローワーク等の紹介による雇い入れが必要です。
※トライアル雇用開始日から2週間以内に「トライアル雇用実施計画書」の提出が必要です。

働き方改革推進支援助成金|労働時間改善・年休取得促進などに

中小企業の働き方改革を支援する制度で、労働時間の削減・年次有給休暇の取得促進・勤務間インターバルの導入など、成果目標の達成に向けた取り組みにかかった費用の一部を助成します。令和7年度(2025年度)は4コース構成で運用されており、2026年度(令和8年度)の予算概算要求では101億円が計上され、引き続き重点施策として位置づけられています。

すべてのコースに共通する特徴は、「成果目標」を事前に設定し、それを達成した場合に助成が受けられる仕組みです。取り組みを実施するだけでなく、目標の達成が受給の条件である点に注意が必要です。また、賃上げを成果目標に加えることで、上限額への加算を受けられる制度設計も特徴的です。

コース別の概要・助成率・上限額(令和7年度)

コース名 主な対象 補助率 助成上限の目安
労働時間短縮・年休促進支援コース 時間外労働の削減・年次有給休暇の計画的付与制度導入等に取り組む中小企業 3/4(従業員30人以下で設備機器導入かつ所要額30万円超の場合は4/5) 成果目標に応じて異なる(最大150万円程度)+賃上げ加算
勤務間インターバル導入コース 勤務終了後から次の勤務までに9時間以上の休息時間を確保する制度を新たに導入する中小企業 3/4(従業員30人以下で設備機器導入かつ所要額30万円超の場合は4/5) 成果目標・インターバル時間により異なる(最大120万円程度)+賃上げ加算
業種別課題対応コース 建設・運送・医療・砂糖製造・情報通信・宿泊業など、長時間労働が課題の特定業種の中小企業 3/4(従業員30人以下で設備機器導入かつ所要額30万円超の場合は4/5) 成果目標に応じて異なる(建設・医療等は上限が他コースより高め)+賃上げ加算
団体推進コース 傘下企業の労働条件改善に向けた取り組みを行う中小事業主の団体等(3事業主以上で構成・1年以上の活動実績あり) 定額(取組内容による) 最大500万円(都道府県単位の大規模団体等は最大1,000万円)
主な対象経費(各コース共通)

①労務管理担当者への研修
②労働者への研修・周知・啓発
③社会保険労務士・中小企業診断士等、外部専門家によるコンサルティング
④就業規則・労使協定等の作成・変更
⑤人材確保のための取り組み
⑥労務管理用ソフトウェアの導入・更新
⑦労務管理用機器の導入・更新
⑧デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
⑨労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(POSレジ・自動車リフト・洗車機等)
※原則としてパソコン・タブレット・スマートフォンは対象外。

POINT
賃上げを成果目標に加えると上限額が加算される

労働時間短縮・年休促進支援コース・勤務間インターバル導入コース・業種別課題対応コースでは、成果目標に「指定した労働者の時間当たり賃金額を3%以上引き上げること」を追加することができます。賃金引き上げ人数に応じて助成上限額に加算があり(引き上げ人数は最大30人まで)、賃上げと働き方改革をセットで進める企業への支援が手厚い設計です。なお、令和8年度(2026年度)の概算要求では特に小規模企業における賃上げ加算の拡充が明記されており、2026年度以降もさらに活用しやすくなる見込みです。

注意点:成果目標の「達成」が受給の条件・予算上限で早期締切あり

本助成金は成果目標の達成を条件に助成が決定されます。取り組みを実施しただけでは受給できません。また、令和7年度の交付申請受付は2025年11月28日までとなっており、国の予算額の制約により前倒しで受付が締め切られる場合があります。2026年度の実施内容や申請受付時期は、厚生労働省の最新公表資料をご確認ください。

【経産省・中小企業庁】2026年に中小企業が使える主要補助金

経済産業省・中小企業庁が所管する補助金は、審査・採択が必要な「競争型」の制度です。2026年は名称変更・統合が相次いでいるため、最新の公募情報を中小企業庁公式サイトで必ず確認してください。

新事業進出・ものづくり補助金|令和8年度予算で再編の方向性

令和8年度予算では、ものづくり補助金と新事業進出補助金を含む再編後の枠組みとして、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が示されています。一方、2026年3月時点では、現行制度としてものづくり補助金第23次公募が進行しています。

現行ものづくり補助金(第23次公募)の概要

申請枠 主な対象 補助上限額 補助率
製品・サービス高付加価値化枠 革新的な新製品・新サービス開発に必要な設備投資等 750万円〜2,500万円(大幅賃上げ時は850万円〜3,500万円) 1/2(小規模・再生事業者は2/3)
グローバル枠 海外事業の拡大・強化に取り組む設備投資等 3,000万円 1/2(小規模事業者は2/3)
ものづくり補助金の基本情報

対象は中小企業者・小規模事業者等です。主な補助対象経費には、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費が含まれます。第23次公募は2026年4月3日17時から5月8日17時まで電子申請を受け付けており、申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。

ものづくり補助金の申請から受給までの流れ

  1. GビズIDプライムの取得(約2週間)
  2. 事業計画書の作成・電子申請(Jグランツ)
  3. 採択結果の通知
  4. 交付申請・交付決定
  5. 補助事業の実施(設備導入等)
  6. 事業実績報告・確定検査
  7. 補助金の受領
注意点:過去の採択状況による申請制限あり

第23次公募では、申請締切日を起点に16か月以内に、ものづくり補助金・中小企業新事業進出補助金・中小企業等事業再構築促進補助金の交付候補者として採択された事業者などは、申請対象外となります。申請前に、自社の過去の採択状況を必ず確認してください。

デジタル化・AI導入補助金|旧IT導入補助金から名称変更・5つの申請枠

令和7年度補正予算事業から、「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」へ名称変更されました。AIを含むITツールの導入支援を通じて、中小企業・小規模事業者等の労働生産性向上を後押しする制度です。

申請枠は、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、インボイス枠(電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠の5つです。申請受付は2026年3月30日から開始され、締切は申請枠ごとに複数回設定されています。

申請枠別の補助率・補助上限額(2026年)

申請枠 主な対象 補助率 補助上限額
通常枠 業務効率化・DX推進のためのソフトウェア・サービス導入 1/2以内(要件を満たす場合は2/3以内) 最大450万円
インボイス枠(インボイス対応類型) インボイス対応の会計・受発注・決済ソフト等の導入 中小企業:3/4
小規模事業者:4/5
最大350万円
インボイス枠(電子取引類型) 受発注ソフトの導入と中小企業等への供与 2/3(中小企業・小規模事業者以外は1/2) 最大350万円
セキュリティ対策推進枠 IPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用 中小企業:1/2
小規模事業者:2/3
最大100万円
複数者連携デジタル化・AI導入枠 サプライチェーン等の複数の中小企業が連携してITツールを導入する場合 1/2〜4/5 最大3,000万円
対象経費と申請の流れ

補助対象は、事務局に登録されたITツールの導入費用、クラウド利用料、導入コンサルティング、設定・研修などです。申請はIT導入支援事業者の支援を受けながら進める仕組みで、交付申請にはGビズIDプライムの取得と、IPAの「SECURITY ACTION」宣言が必要です。

POINT
過去に交付決定を受けた事業者には追加要件あり

IT導入補助金2022〜2025の交付決定を受けた事業者が2026年に再申請する場合は、翌事業年度以降3年間の事業計画の策定・実行や、給与支給総額・最低賃金水準に関する要件などが追加されます。再申請を検討する場合は、必ず最新の公募要領を確認しましょう。

小規模事業者持続化補助金|販路開拓を支援

小規模事業者が自ら経営計画を策定し、地域の商工会議所・商工会の支援を受けながらおこなう販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する制度です。チラシ作成や広告掲載、店舗改装など幅広い販路開拓関連経費が対象となります。

類型別の補助上限・補助率(2026年)

申請類型 補助上限額 補助率 主な対象
一般型・通常枠 最大250万円 2/3 販路開拓や生産性向上の取り組みをおこなう小規模事業者
一般型(災害支援枠) 公募要領で確認 自然災害等からの事業再建に取り組む小規模事業者
創業型 公募要領で確認 創業初期の販路開拓や業務改善に取り組む事業者
共同・協業型 公募要領で確認 複数事業者の展示会・商談会等を活用する販路開拓
主な補助対象経費

申請にあたっては、地域の商工会議所・商工会への相談と、計画書の確認が必須です。最新の受付期間や要件は、必ず公式ページ・公募要領で確認してください。

POINT
一般型(通常枠)は最大250万円。特例の適用可否や上限額の詳細は公募要領を確認

一般型通常枠は基本50万円ですが、賃金引上げ特例(事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+30円以上に設定)を選択すると+150万円、さらにインボイス特例を活用すると+50万円となり、合計最大250万円の補助が受けられます。赤字事業者が賃金引上げ特例を選択した場合は補助率が3/4に優遇されます。

中小企業成長加速化補助金|売上高100億円を目指す企業向け

中小企業等が売上高100億円規模の成長を目指す事業計画を策定し、M&A・海外展開・新製品開発など成長加速化に向けた取り組みを支援する制度です。2025年5月に公募が開始した比較的新しい制度で、2次公募が2026年2月〜3月に実施されました。

項目 内容
補助上限額 最大5億円
補助率 1/2以内
採択率 初回(1次公募)約16%(難関制度)
主な対象経費 機械装置・システム構築費・建物費・外注費・専門家経費等
申請要件 売上高100億円超を目指す事業計画の策定等
※売上高10億円以上100億円未満、100億宣言公表済み、投資額1億円以上などの要件あり
注意点:売上高100億円の目標達成が前提・採択率は難関

本補助金は売上高100億円規模の成長を明確に目指す事業計画が求められます。高い成長ポテンシャルと具体的なロードマップの提示が必要で、採択率は初回約16%と難関です。中小企業全般向けではなく、積極的な成長投資を検討している企業向けの制度です。

事業承継・M&A補助金|後継者問題を抱える企業に

中小企業の事業承継やM&Aに関連する費用を補助する制度です。令和7年度補正予算により第14次公募(申請受付:2026年2月27日〜4月3日)が実施されており、取り組みの内容に応じて4つの枠から選択して申請します。後継者不在に悩む企業はもちろん、M&Aで事業を引き継ぐ企業・引き渡す企業・M&A後の経営統合(PMI)を進める企業まで、事業承継の各フェーズに対応した幅広い支援が受けられることが特徴です。

4つの申請枠と補助内容(第14次公募)

申請枠 対象者・主な対象経費 補助率 補助上限額
事業承継促進枠 親族内承継・従業員承継を予定している者が行う設備投資等(設備投資費用・店舗改築工事費等) 中小企業:1/2、小規模事業者:2/3 800万円(賃上げ要件達成で1,000万円)
専門家活用枠 M&Aを行う買い手・売り手企業のFA・仲介費用、デューデリジェンス費用、表明保証保険料等 買い手支援類型:1/3・1/2、2/3

売り手支援類型
1/2・2/3

最大600万円(DD実施時は最大200万円上乗せ。100億円企業要件を満たす買い手支援は最大2,000万円)
PMI推進枠 M&A後の経営統合(PMI)にかかる専門家費用・設備投資等(設備費・外注費・委託費等)。専門家活用類型と事業統合投資類型の2類型に分かれる 専門家活用類型:1/2、事業統合投資類型:1/2(小規模事業者:2/3) 専門家活用類型:150万円、事業統合投資類型:800万円(賃上げ要件達成で1,000万円)
廃業・再チャレンジ枠 事業承継・M&Aに伴い既存事業を廃業し新たな挑戦をする者の廃業費用(廃業支援費・在庫廃棄費・解体費・土壌汚染調査費等)。他の3枠との併用申請可 1/2・2/3(他の枠と併用する場合は主たる枠の補助率に従う) 300万円(他の枠と併用する場合は各枠の上限に加算)
申請の基本情報(第14次公募)

申請受付期間:2026年2月27日〜2026年4月3日17時。申請方法:電子申請(Jグランツ)のみ。事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要(取得に1〜2週間程度)。申請枠によっては認定経営革新等支援機関による確認書等が必要。なお、FA・M&A仲介費用については、M&A支援機関登録制度に登録された事業者によるものに限られます。

POINT
廃業・再チャレンジ枠は他の3枠と「併用申請」が可能

廃業・再チャレンジ枠は単独申請も可能ですが、事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠と併用申請することもできます。併用申請の場合、廃業費用を別枠で申請できるため、前向きな設備投資やM&Aの実行と、既存事業の整理をあわせて進めやすい制度設計になっています。

注意点:採択≠交付決定。発注・契約は必ず交付決定後に

採択通知を受けてもすぐに発注・契約してはいけません。採択後に交付申請・交付決定という手続きがあり、「交付決定通知書」を受領してから補助事業(設備導入・専門家委託等)に着手する必要があります。交付決定前に発注・着手した経費は補助対象外となります。

目的別・使いたいシーン別の選び方

助成金・補助金は制度の数が多く、「自社はどれを使えばいいのか」と迷う方も多いでしょう。重要なのは「制度ありき」で考えるのではなく、「自社が今何をしたいのか」という目的から逆引きすることです。以下では代表的な4つのシーン別に、優先して検討しやすい制度と選定のポイントを解説します。

人を採用・育成したいとき

人手不足が深刻化するなかで、採用・育成にかかる負担は年々高まっています。こうした場面で活用を検討しやすい厚生労働省系の助成金には、非正規から正社員への転換、職場環境の整備、試行雇用、研修実施など、複数のアプローチがあります。

優先的に検討すべき制度
  • キャリアアップ助成金(正社員化コース):在籍中の非正規雇用労働者を正社員化する場合
  • 人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース):健康づくり制度や人事評価制度、業務負担軽減機器等の導入を通じて、離職率低下を目指す場合
  • トライアル雇用助成金:ハローワーク等の紹介により就職困難者を試行雇用する場合
  • 人材開発支援助成金:OFF-JTやリスキリング支援を通じて、従業員のスキル向上を図る場合
POINT
制度は組み合わせて活用できる場合がある

たとえば、トライアル雇用助成金で試行雇用をおこない、その後にキャリアアップ助成金で正社員化し、さらに人材開発支援助成金で研修を実施する、といった活用を検討できる場合があります。ただし、併用可否や対象経費、申請時期は制度ごとに異なるため、事前に最新要領を確認することが重要です。

設備投資・新製品開発をしたいとき

設備の老朽化や生産性の低下、新製品・新サービスの開発といった課題を抱える中小企業にとって、設備投資は大きな意思決定です。補助金を活用すれば、自己負担を抑えながら投資を進めやすくなります。

優先的に検討すべき制度
  • ものづくり補助金(第23次公募):革新的な新製品・新サービス開発や高付加価値化に必要な設備投資等
  • 業務改善助成金:事業場内最低賃金の引上げとあわせて、生産性向上に資する設備・機器等を導入する場合
  • 小規模事業者持続化補助金:小規模事業者が販路開拓や生産性向上に取り組む場合
  • 新事業進出補助金:既存事業の枠を超えた新市場進出や高付加価値化を伴う投資を検討する場合
注意点:補助金は「後払い」が基本のため、資金計画を先に立てる

補助金は、採択や交付決定の後に事業を実施し、完了後の実績報告や確認を経て支払われるのが一般的です。自己資金やつなぎ資金を含めた資金計画をあらかじめ立てたうえで申請を進めましょう。

ITツール・デジタル化を進めたいとき

会計ソフト、勤怠管理、受発注システム、顧客管理ツールなどの導入は、業務効率化と人手不足対応の両面で有効です。2026年は、旧IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更され、AIを含むITツール導入支援が強化されています。

優先的に検討すべき制度
  • デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金):会計・受発注・人事労務・顧客管理等のITツール導入
  • 業務改善助成金:POSレジや勤怠・管理システム等の導入と事業場内最低賃金の引上げをセットで進める場合
  • ものづくり補助金:生産管理システムや自動化設備など、より大きな投資を伴うデジタル化を進める場合
POINT
デジタル化・AI導入補助金はIT導入支援事業者と進める

デジタル化・AI導入補助金は、事務局に登録されたIT導入支援事業者の支援を受けながら申請を進める仕組みです。自社の課題に合うツールの選定と、対応する支援事業者の確認を並行して進める必要があります。

省エネ・GX対応を進めたいとき

脱炭素や省エネへの対応は、コスト削減だけでなく、取引先対応や中長期の経営課題として重要性が高まっています。経済産業省・環境省系を中心に、省エネ設備導入を支援する制度が用意されています。

優先的に検討すべき制度
  • 省エネ・非化石転換補助金:高効率設備への更新や省エネ投資を進める場合
  • ものづくり補助金:高付加価値化や生産性向上とあわせて、省エネ性の高い設備投資を進める場合
  • デジタル化・AI導入補助金:エネルギー使用状況の見える化や管理システム導入を検討する場合

省エネ・GX関連の補助金は制度数が多く、公募時期や対象設備も異なります。詳細は各制度の公式サイト・公募要領をご確認ください。

助成金・補助金の申請前に知っておきたい注意点

制度の内容を理解するだけでなく、申請実務上のミスや注意点を事前に把握しておくことが、受給や採択後のトラブル防止につながります。

補助金は「後払い」が基本|資金繰りを先に考える

補助金は、採択や交付決定の後に事業を実施し、完了後の実績報告や確認を経て支払われるのが一般的です。入金まで一定の時間を要する場合があるため、申請前に自己資金やつなぎ資金を含めた資金計画を立てておくことが重要です。

GビズIDプライムアカウントは事前に取得しておく

経済産業省・中小企業庁系の補助金では、GビズIDプライムによる電子申請が必要となる場合が多くあります。書類申請では、申請から審査、アカウント発行まで1〜2週間程度かかることがあり、公募開始後では間に合わない場合もあります。なお、マイナンバーカードを利用したオンライン申請では、最短即日で発行される場合があります。

GビズIDはデジタル庁が運営する事業者向け認証サービスです。プライムアカウントの取得には印鑑証明書等が必要です。詳細は公式サイトをご確認ください。

採択されても安心しない|書類不備・要件ミスに注意

補助金は、採択後も交付申請、事業実施、実績報告、支払いまでの各段階で確認が続きます。事業計画と異なる内容で実施した場合や、対象外経費が含まれる場合、必要書類が不足している場合は、補助対象外となることがあります。帳票や証憑の管理、支払記録の保存は徹底しておきましょう。

注意点:不正受給の重大なリスク

雇用関係助成金で不正受給が認定された場合、不正受給額の返還に加えて、2割相当額と延滞金の納付が求められます。また、不正受給日から5年間は雇用関係助成金を受給できず、一定の場合は事業主名等が公表されます。

申請は専門家(社労士・中小企業診断士)への相談も有効

制度によって必要書類や確認事項が異なるため、初めて申請する場合や要件判断に迷う場合は、社会保険労務士や中小企業診断士などの専門家に相談する方法も有効です。もっとも、専門家に相談した場合でも、採択や受給が保証されるわけではないため、最終的には公募要領や支給要領の確認が欠かせません。

まとめ|2026年は「知っている会社だけが得をする」

2026年の助成金・補助金環境を一言で表すなら、「賃上げ・DX・GXへの投資を後押しする制度が充実している一方、制度の統廃合・名称変更が相次いでいる」年です。以下のポイントを押さえ、計画的に制度活用を進めましょう。

涌井社会保険労務士事務所 監修者涌井 好文

平成26年より神奈川県で社会保険労務士として開業登録を行い、以後地域における企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活動を行う。
退職時におけるトラブル相談や、転職時のアドバイスなど、労働者側からの相談にも対応し、労使双方が円滑に働ける環境作りに努めている。
また、近時は活動の場をWeb上にも広げ、記事執筆や監修などを通し、精力的に情報発信を行っている。

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