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過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」とは

過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」をご存知でしょうか?

過重労働事案であって、複数の支店において労働者に健康障害の恐れがあるものや、犯罪事実の立証に高度な捜査技術が必要となるもの等に対する、労働基準監督官の特別チームを「過重労働撲滅特別対策班」(通称「かとく」)といい、平成27年4月から厚生労働省の労働基準局監督課に新設されました。過重労働撲滅に当たる労働基準監督官や「かとく」、長時間労働対策についても説明します。

厚生労働省の専門職員である労働基準監督官とは

労働基準監督官とは厚生労働省の専門職員で、労働基準法などで定められた労働条件が確保され、その向上を図るための任務にあたっており、具体的には次のような業務を行っています。

  • 安全な職場環境が確保されているかを確認するため、あらゆる職場に立ち入る
  • 健康に働ける労働条件の確保・向上のため、法に定める基準を事業主に守らせる
  • 労働被害に遭った労働者に対する労災補償の業務を行う

現在、全国に約410万の職場があり、約5,300万人が働いていますが、労働基準監督官は労働基準関係法令に基づき、全ての職場が労働者の心身を蝕むような環境となっていないかを常に監視しています。

また、過重労働など法令違反になりうる職場環境の事業所には、適切な労働環境を守るよう指示する役割を担う、いわば労働者の味方であると言えるでしょう。

過重労働を防ぐための労働時間の適正な把握とは

健康被害を及ぼす過重労働を防ぐためには、労働時間の適正な把握が重要となります。
厚生労働省は「過重労働による健康障害防止のための総合対策」に基づき、労働時間を適正に把握する方法を提示し、過重労働になる働き方にならないために注意する必要性を訴えています。

【労働時間管理についてのチェック項目】

  1. 36協定は限度基準等に適合しているか?
  2. 労働時間を適正に把握しているか?
  3. 年次有給休暇の取得を促進しているか?
  4. 労働時間等の設定の改善のための措置を実施しているか?

事業者は上記のチェックリストを元に、労働者のみならず裁量労働制()対象労働者や管理・監督者を含む全ての労働時間を適正に把握し、時間外・休日労働時間を削減するよう注意喚起を行うなどの措置を取る必要があります。

裁量労働制とは、業務の性質上その手段や方法、時間配分などに関して使用者が具体的な指示を出さずに、実際の労働時間数とかかわりなく、労使の合意で定めた時間働いたものとみなす制度です。

過重労働による働く人への健康障害

長時間労働などの過重労働は、働く人の健康に深刻な障害を及ぼします。
厚生労働省は、事業場で働く人の健康を守るための健康管理体制の整備や、健康診断を行うことの必要性について注意喚起しています。

【健康管理体制の整備・健康診断についてのチェックリスト】

  1. 選任する必要のある事業場では、産業医および衛生管理者等を選任しているか?
  2. 設置する必要のある事業場では、衛生委員会等を設置しているか?
  3. 健康診断を確実に実施しているか?
  4. 健康診断結果に基づく適切な事後措置を実施しているか?

事業場で労働者の健康管理体制の整備および定期的な健康診断の実施は、事業者の義務です。

それに加え、長期間の労働により脳・心疾患などの健康障害発症のリスクが高まった労働者に対して医師による面接指導制度を利用し、就業場所の変更や労働時間の短縮などの必要な措置を講じなければなりません。

労働基準法に基づく医師による面接指導の目安は、1カ月の時間外、休日労働時間が100時間を超える場合です。該当する労働者が申し出ることで、医師による面接指導を実施する必要があります。この申出は、時間外・休日労働時間の算定が行われてから概ね1カ月以内に行われるようにします。

また、事業場において基準を設定するにあたっては上記の時間に加え、2~6カ月平均で時間外、休日労働時間が80時間を超える場合も目安となります。それ以外でも1カ月の時間外、休日労働時間が80時間を超え、疲労の蓄積を認めた労働者にも面接指導など必要な措置を実施するように努力しなければなりません。

過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」

2015年4月に、過重労働による健康障害の防止などを強化するため、違法な長時間労働を行う事業所に対して監督指導を行う「過重労働撲滅特別対策班」(通称「かとく」)が新設され、東京労働局と大阪労働局の2カ所に設置されました。

同班に配属されたのは、労働基準監督官です。違法な長時間労働を強いる企業のなかには、パソコンに保存された労働時間のデータを改ざんするなど悪質なケースも多いことから、それに対応するための高度な捜査技術が必要となってくるため、専門機器を用いてデータの解析を行い、過重労働が認められる企業などに監督指導や検査を行っているとのことです。

「かとく」の新設とともに、法規制の執行強化として、下記のような対策が実施されています。

  1. 労働基準監督署による監督指導の強化

    ・重点監督対象を拡大し、今まで月100時間超残業が疑われる事業場を対象としていましたが、月80時間超の事業場も対象にすることとされています。

    ・厚生労働省に対策班を設けて広域捜査の指導調整をするとともに、各労働局に長時間労働を指導するための担当官を設置することとされています。

  2. 商取引の在り方や業界慣行に踏み込んだ取組

    長時間労働の原因となり得る、「手待ち時間の発生」や「短納期発注」などの取引環境と条件の改善に向けた取組を、業界や各省庁( 国土交通省、中小企業庁・公正取引委員会)と連携して行うこととされています。

まとめ

現在は過重労働撲滅特別対策班(かとく)が中心となり、過重労働による健康被害を防ぐための取組みが行われています。あわせて、「働き方改革の実現」の実現に向けて各種の審議会や政府、使用者、労働者の各団体間で様々な協議が行われています。

政府からも今後、各種の法改正や通達等で対策を示されると思います。引き続き労働者の健康が守られる労働環境を作ることの必要性が、ますます求められるようになるでしょう。

岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

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