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女性管理職の比率の現状と推進について解説

日本の管理職以上に占める女性の割合は、国際的に見ても低い水準となっています。そんななか、平成28年4月1日から働く女性の活躍を後押しする「女性活躍推進法」が施行されました。

女性の管理職に関する問題として、育成時に仕事の割り当てや出張残業命令等において男女で異なる扱いとなっているなど、さまざまなことが原因で管理職に就く女性が少なくなる傾向があります。

今回はそのような女性管理職比率の現状と推進について説明します。

なぜ女性の活躍が求められるの?

日本国内において、15~64歳のいわゆる生産年齢人口は、少子高齢化などの問題も相まって、今後急速に減少すると考えられています。生産年齢人口が減少すると、国内における労働力に直接的な影響を与え、経済成長に著しくダメージを与えます。

アメリカやEU諸国と比べても、生産年齢人口の減少幅が大きく、1人当たりGDPを押し下げる要因になっていると分析されています。このまま、女性の労働参加が発展しない場合、2012年の就業者数6,270万人に対して、2030年には821万人減少の5,449万人になると想定されています。

一方で、今後女性労働者の活躍が目覚ましくなり、継続就業率、労働力率が上昇すると仮定した場合、2030年で167万人減の6,103万人に押し上げることができると試算されています。このように、日本国内の生産性を極端に減少させずに、少しでも維持させるためには、女性の社会進出や、意思決定層での活躍が必要不可欠といえます。

女性管理職を有する企業はどれくらい?

平成29年7月に厚生労働省が発表した「平成28年度雇用均等基本調査」において、役員を含む課長相当職以上の女性管理職を有している企業の割合は、57.3%という結果でした。一見すると多いように感じるかもしれませんが、あくまでも企業割合ですので、1企業に対して1名の女性管理職がいれば該当することになります。

そう捉えると、意外に少ないと感じる方もいるかもしれません。なお、係長相当職以上で見ると64.8%と多少増えるものの、部長相当職では9.4%、課長相当職では16.6%、係長相当職では19.0%と、部長相当職になるとかなり少ないという結果でした。

また、過去5年にさかのぼって比較すると、概ね企業割合は横ばいとなっており、平成27年度と比べると微減という結果です。このように、政府として女性の社会進出を推進しているものの、まだまだ浸透しておらず、女性管理職を有していない企業の対応が遅れていると判断できます。

管理職に占める女性はどれくらい?

それでは、管理職に占める割合はどの程度でしょうか。同基本調査によると、平成28年度の管理職に占める女性の割合は、課長相当職以上で12.1%、係長相当職以上で12.9%という結果でした。そして、そのなかで部長相当職は6.5%、課長相当職では8.9%、係長相当職では14.7%という結果でした。

このようにみると、管理職における女性の割合は、まだまだ少数派であるということがわかります。しかし、平成21年からの推移をみると例年上昇傾向であることから、女性管理職を有する企業における女性管理職の割合は、少しずつですが増加傾向にあると考えられます。

また、課長相当職以上の女性管理職の割合を産業別に細かく分解すると、「医療福祉」で50.6%、「生活関連サービス業・娯楽業」で21.9%と比較的高くなっています。

しかし一方で、「電気・ガス・熱供給・水道業」で1.8%、「製造業」で8.4%など、産業による差が非常に大きくなっています。これは、産業全体における男女割合や雇用形態の差が影響していると考えられます。

女性管理職の中途採用が行いやすくなってます

現在の雇用機会均等法において、求人を行う際には、原則として性別や年齢を制限した募集や採用をすることはできませんが、性別の限定を認める例外の一つに、女性に限定した募集・採用があります。

これは、それぞれの雇用管理区分で見て、労働者に占める女性割合が4割を下回っている場合に限り、女性に限定した募集や採用ができるというものです。

ただし、すでに一定数の女性従業員がいる場合は、女性に限定した募集をすることができないため、女性活躍推進法における、一般事業主に課せられる義務を果たすことが困難な企業も少なくありませんでした。

しかし、男女雇用機会均等法に基づく指針が改正され、上記の条件に加えて、部長や課長、係長などの役職別でそれぞれの労働者に占める女性の割合が4割を下回っている場合に、特例として女性に限定した募集や採用ができるようになりました。この改正により、業務経験の豊富な女性管理職に絞った募集が、より行いやすくなりました。

まとめ

少子高齢化の進行により、日本国内における生産年齢人口はどんどん減少すると推測されています。

これによる経済成長へのダメージを軽減させるためにも、女性の社会進出や管理職への登用は必要不可欠と考えられています。とはいえ、まだまだ女性管理職を有する企業や管理職における女性の割合は非常に少ないです。

女性活躍推進法を遵守するためにも、改正された男女雇用機会均等法に基づく指針を活用し、女性管理職の採用を積極的に進めていきましょう。

監修者萩原 修

萩原労務管理事務所

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