人事・労務の課題を解決するメディア労務SEARCH byオフィスステーション

Facebook twitter
無料メールマガジン登録受付中!

【社労士監修】アルバイト・パートタイムの休業補償とは? 対象者や支給要件、支給金額から注意点までご紹介

この記事をシェアする

Twitter Facebook Pocket LINE はてなブックマーク

正社員、アルバイト・パートタイムといった雇用形態にかかわらず、従業員の安全対策の実施は企業の義務です。

アルバイト・パートタイムの従業員に業務災害が発生した際は、労働基準法上の休業補償をおこなわなければなりません。今回はアルバイト・パートタイムの休業補償の支給要件、支給金額の算出方法、注意点を中心にご紹介します。

この記事でわかること

  • アルバイト・パートタイムの休業補償の有無
  • 休業補償の概要・支給要件・算出方法
  • アルバイト・パートタイムの労災隠しの罰則

アルバイト・パートタイムの休業補償

アルバイト・パートタイムの休業補償

休業補償は正社員だけでなく、アルバイト・パートタイムなどすべての従業員に適用されます。休業補償の定義や支給要件を知り、理解を深めましょう。

また、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金に関しては、厚生労働省の特設ページ(新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金)をご確認ください。

休業補償とは

休業補償とは、業務中の交通事故や病気により業務遂行が困難となった結果、賃金が支給されない(減少した)労働者に労災保険から支払われる補償です。休業補償には自己都合、会社都合、そして天災や事故といったさまざまな状況で休業を余儀なくされた際に補償される制度です。

休業補償の支給対象者

休業補償は労働保険の措置となります。
企業には従業員を雇用するにあたり、労働保険(労災保険、雇用保険)の加入が義務づけられています。

休業補償の支給対象者

  • 正社員、アルバイト・パートタイムなどの非正規雇用者

通勤災害や業務災害で負傷した際は、労災保険給付金の休業補償が受けられます。
また、保険の給付内容も、雇用形態(正規社員・非正規社員)に違いはありません。
万が一、労働保険に加入していない企業で働いている場合、従業員は労働基準監督署に労災申請をおこなうことで、労災保険給付金を受けることができます。

休業補償(休業給付)の支給要件

休業補償の受給には、以下の条件を満たす必要があります。

休業補償の支給要件

  • 業務上の事由、または通勤上のけがや病気による療養であること
  • 療養に伴い、従業員が労働に参加できないこと
  • 労働による賃金を受け取っていないこと

アルバイト・パートタイムの場合、勤務日数にかかわらず、土日祝日、休みの日も受給が可能です。

既に退職した後でも、在職中の業務災害や通勤災害に伴うけがや病気による療養のためであれば、上位の条件を満たすことで、治療が完了するまで受給できます。

▼傷病(補償)年金への切り替え

療養開始後1年6カ月経過し、その負傷または疾病が完治しておらず、傷病等級表の傷病等級に該当する程度の障害がある場合、傷病(補償)年金に切り替わります。

休業(補償)給付の支給金額

休業補償の支給額は給付基礎日額(労働基準法上の平均賃金相当額)を基に算出されます。

休業補償給付額

  • 休業補償給付額は給付基礎日額の60%
    被災労働者支援の目的では、休業特別支給金として給付基礎日額の20%が別途給付

休業補償の最終給付額は給付基礎日額の80%となります。

給付基礎日額(平均賃金)とは

給付基礎日額(平均賃金)とは、通常の3カ月間の暦日数による計算と、日給・時給・出来高給の場合における最低保障額の計算の2種類があります。

アルバイト・パートタイムの場合、勤務日数が少ないと平均賃金の最低保障額(平均賃金の金額が下回ってはいけないとされる金額)の方が高くなります。

時給1,000円、1週間の内2日、1日4時間勤務のシフト制
1カ月で9日勤務、3カ月92日のうち、実労働日数27日

上記のアルバイト・パートタイムの平均賃金と最低保障額は以下のとおりです。

▼平均賃金

3カ月間の賃金総額(108,000円)÷3カ月間の暦日数(92日)=1,173円
銭未満切り捨て

▼最低保障額

3カ月間の賃金総額(108,000円)÷3カ月間の実労働日数(27日)×0.6=2,400円

給付基礎日額の注意点

給付基礎日額は、基本的に平均賃金に相当する金額になりますが、被災時の事情や労働条件など、その他の事情によっては給付基礎日額が低くなる場合があります。

休業補償の注意点

療養を目的にした休業、第3日目までは休業補償は発生しません。第4日目以降はアルバイト・パートタイムであっても、休みに関係なく休業した日数すべてが休業補償の対象となります。

業務災害によって従業員の休業が余儀なくされた場合、第3日目までは労働基準法に基づく休業補償(1日あたり平均賃金の60%)が義務づけられています。

アルバイト・パートタイムの休業補償の注意点

アルバイト・パートタイムの休業補償の注意点

アルバイト・パートタイムなど多様な雇用形態の労働者を有する企業は、休業補償をする際に気をつけたい注意点がいくつか存在します。

派遣アルバイト・パートタイムの休業補償

派遣されたアルバイト・パートタイムが労働災害を起こした場合、休業補償は派遣元の企業が休業補償の申請をおこないます。

休業補償の支給制限

万が一、労働者が休業補償につながるケガや病気の原因を故意に起こした場合、休業補償は支給されません。また、故意に事故を起こそうとした際に負った病気やケガ、死亡事故は給付金額が30%減額されます。

また、休業中に正当な理由なく、医師の指示に従わなかったため、病気やケガが悪化・療法の長期化につながった場合、休業補償1件あたり、10日分の休業補償額が減額されます。

有給休暇との併用不可

一定の条件を満たす場合、アルバイト・パートタイムへの有給休暇付与が労働基準法で定められています。しかし、休業補償の受給期間中の有給休暇取得は認められていません。休業補償の代わりに、有給休暇を消化することは可能ですので、休業補償の対象となる労働者の希望を聞いて、適切に対応しましょう。

労働者の意思に反して、休業補償を申請せずに有給休暇を代用することは、労災隠しと認定され、犯罪行為となります。

アルバイト・パートタイムの労災隠しは犯罪

アルバイト・パートタイムの労災隠しは犯罪

深刻な人手不足により、高齢者や女性の労働参加が促進されており、アルバイト・パートタイムは欠かせない労働形態でもあります。しかし、近年、女性・高齢者を対象としたアルバイト・パートタイムを「安い労働力」として、業務上の病気やケガをした際に適切な休業補償をせず、退職を強要する事例が増えています。

労働災害の隠蔽や所轄の労働基準監督署への「労働死傷病報告書」の未提出は、厳重に罰せられます。

労災隠しは、労働安全衛生法違反で50万円以下の罰金。

労災隠しは、企業価値の低下やイメージダウンにもつながるため、アルバイト・パートタイムが業務上の理由で休業補償をおこなわなければいけない場合、適切な対応を取らなければいけません。

アルバイト・パートタイムの休業補償:まとめ

アルバイト・パートタイムなどの非正規雇用者であっても、労災保険の休業補償は受けることができます。そのためにも企業は、労働保険の手続きをしっかりとおこなう必要があることを覚えておきましょう。

休業補償のまとめ

  • 正社員・非正規社員など雇用形態に関わらず、休業補償は認められる
  • 派遣アルバイト・パートタイムでは、休業補償をおこなう事業主が異なり、条件によっては支給制限がある。
  • 休業補償は有給休暇の併用ができない
  • 労災隠しは、労働安全衛生法違反で50万円以下の罰金
e-Govをもっと便利に使うなら。無料で使えるe-Gov電子申請連携ツール「オフィスステーション 労務ライト」。