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【4月前の完全ガイド】オンボーディングとは?目的やメリット、実施のポイントを事例をもとに解説

【4月前の完全ガイド】オンボーディングとは?目的やメリット、実施のポイントを事例をもとに解説

監修者:労務SEARCH 編集部
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この記事でわかること・結論

  • オンボーディングの定義・目的と、OJT/OFFJTとの違い
  • 注目される背景と、導入ステップ(対象・期間・設計・役割分担・KPI)
  • 成功させる5つのポイントと、実際の企業事例から学べる工夫

オンボーディングとは、新しく入社した人材が組織に適応し早期に活躍するための「体系的な支援プロセス」です。

語源は「on-board(乗り込む)」で、組織という船にスムーズに乗り込み貢献する比喩です。入社時研修だけでなく、入社前〜入社後数カ月〜1年以上の継続支援まで含みます。

目的は早期戦力化、定着率向上、文化浸透、エンゲージメント向上、採用コスト削減など多岐にわたります。施策が多いほど採用・定着やエンゲージメント等が向上する傾向が示されています。

オンボーディングはOJT・OFFJTより広い概念で、両者を「含む」総合支援です。業務スキルだけでなく、人間関係づくり、心理的安全性、キャリア形成支援まで扱うのが特徴です。

注目される背景には人材獲得競争、早期離職、働き方の多様化(リモート等)があります。さらに技術革新によりリスキリングが重要になり、土台としてのオンボーディングが求められています。

目次

オンボーディングとは?

オンボーディング(Onboarding)とは、企業が新しく採用した人材に対し、組織への適応を促し、早期に戦力化するための体系的なプロセスを指します。

この言葉は、船や飛行機に新しく乗り込むことを意味する「on-board」に由来しており、新入社員が組織という「船」にスムーズに乗り込み、航海に貢献できるよう支援する取り組みを比喩的に表現しています。

単なる入社時の研修に留まらず、入社前から入社後数カ月、あるいは1年以上にわたる期間で、新入社員が企業の文化、ビジョン、業務内容、人間関係などを深く理解し、自律的にパフォーマンスを発揮できる状態を目指します。

オンボーディングの目的

オンボーディングの主な目的は多岐にわたりますが、特に以下の点が挙げられます。

オンボーディングの主な目的
  • 新入社員の早期戦力化
  • 早期離職の防止と定着率の向上
  • 企業文化や価値観の浸透
  • 従業員エンゲージメントの向上と心理的安全性の醸成
  • 採用コストの削減と生産性の向上

これらの目的を達成することで、企業は持続的な成長を支える強固な人材基盤を構築することができます。

特に、厚生労働省の調査では、オンボーディング施策の実施数が多いほど、企業の採用パフォーマンス(採用目標達成度、定着率満足度)および労働者の転職パフォーマンス(エンゲージメント、仕事への満足度、勤続意欲)が有意に向上することが示されています。

オンボーディングとOJT・OFFJTの違い

オンボーディングは、OJT(On-the-Job Training)やOFFJT(Off-the-Job Training)といった従来の研修手法とは異なる、より広範な概念です。

OJT(On-the-Job Training)とは

実際の業務を通じて必要な知識やスキルを習得させる教育方法です。現場での実践を通して学ぶため、即効性が期待できます。

OFFJT(Off-the-Job Training)とは

職場を離れて集合研修やセミナーなどで知識やスキルを習得させる教育方法です。体系的な知識を効率的に学ぶことができます。

これに対し、オンボーディングはOJTやOFFJTを含む、新入社員が組織に定着し、自律的に活躍するための総合的な支援プロセス全体を指します。単に業務スキルを教えるだけでなく、企業文化への適応、人間関係の構築、キャリア形成支援など、多角的な側面から新入社員をサポートする点が特徴です。

なぜオンボーディングが注目されるのか?

近年、オンボーディングが注目される背景には、労働市場の変化や企業が抱える課題があります。経済産業省も、デジタル/生成AI時代における人材育成のあり方として、オンボーディングの重要性を指摘しており、特にウェブガイドなどを活用した体系的な取り組みが求められています。

これは、新入社員が変化の激しいビジネス環境に適応し、新たなスキルを習得するための土台作りとしても機能します。

POINT
オンボーディングが注目される主な理由

少子高齢化による労働人口の減少、転職の一般化、働き方の多様化に加え、技術革新の加速に伴うリスキリング(学び直し)の重要性など、現代の労働環境において企業が優秀な人材を確保し、定着させ、持続的に成長させることは喫緊の課題となっています。

人材獲得競争の激化

優秀な人材の獲得競争が激化する中で、採用した人材を確実に定着させ、早期に戦力化することが企業の競争力維持に不可欠です。

早期離職問題の深刻化

特に若年層の早期離職は企業にとって大きな損失であり、オンボーディングはこれを防ぐ有効な手段として期待されています。

多様な働き方への対応

リモートワークや副業など、働き方が多様化する中で、新入社員が孤立せず、組織の一員としてスムーズに溶け込むための支援がより重要になっています。

オンボーディングの導入方法

効果的なオンボーディングプログラムを導入することは、新入社員の早期戦力化と定着率向上に直結します。ここでは、オンボーディングを成功させるための具体的な導入ステップと、それぞれのフェーズで考慮すべきポイントを解説します。

オンボーディングの目的とゴールを明確にする

オンボーディングを成功させるためには、まずその目的と最終的なゴールを明確に設定することが不可欠です。「新入社員に何を期待し、どのような状態になってほしいのか」を具体的に定義することで、施策の方向性が定まります。

例えば、「入社半年で独り立ちし、主要業務を一人で遂行できる状態」や「チームメンバーと円滑なコミュニケーションを取り、プロジェクトに積極的に貢献できる状態」などが考えられます。

ゴール設定の具体例
  • 入社3カ月で主要な社内ツールを習得し、基本的な業務フローを理解する
  • 入社半年で担当業務を自律的に遂行し、チームに貢献できる
  • 入社1年で企業文化に完全に適応し、自身のキャリアパスを描ける

対象従業員と期間を設定する

オンボーディングの対象は新卒社員だけでなく、中途採用社員、あるいは異動者など、組織に新しく加わる全ての人材が対象となり得ます。それぞれの属性や経験レベルに応じて、プログラムの内容を調整する必要があります。

また、期間についても、一般的には入社後3カ月から1年間程度が目安とされますが、職種や役割によって最適な期間は異なります。新入社員が自律的に業務を遂行し、組織に完全に適応するまでの期間を見越して設定することが重要です。

オンボーディングのステップとスケジュールを設計する

オンボーディングは、入社前、入社直後、入社後数カ月といったフェーズに分けて、具体的なステップとスケジュールを設計します。

特に昨今の労働環境では、リモートワークやハイブリッドワークが普及しているため、対面とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド型オンボーディング」の設計が必須事項となります。

各フェーズで実施する内容(例:入社前情報提供、オリエンテーション、OJT、定期面談、評価など)を明確にし、計画的に実行することが求められます。この際、Slack、Teams、Notion、社内Wikiなどのオンラインツールを積極的に活用することで、情報共有の効率化と新入社員の自律的な学習を促進できます。

オンボーディングの一般的なステップ

  1. 入社前:情報提供(オンラインツール活用を含む)、ウェルカムキット送付、事前課題など
  2. 入社直後(1週間~1か月):オリエンテーション、社内システム説明、部署紹介、メンター紹介、初期OJTなど
  3. 入社後(1か月~1年):定期面談、目標設定、OJT継続、スキルアップ研修、フィードバック、評価など

人事と現場の役割分担を決める

オンボーディングは、人事部門だけでなく、配属先の現場(上司、同僚、メンターなど)との連携が不可欠です。

人事部門はプログラム全体の設計、運用、進捗管理、制度構築などを担当し、現場は日々の業務指導、OJT、メンタリング、コミュニケーション支援などを担うといった明確な役割分担を定めることで、一貫性のある支援が可能になります。

定期的な情報共有や連携会議を通じて、両者が協力し合う体制を構築することが重要です。

役割分担の例
  • 人事部門:プログラム設計、進捗管理、制度構築、全体研修の実施
  • 現場(上司・メンター):日常業務指導、OJT、定期面談、精神的サポート、フィードバック
  • 新入社員:プログラムへの積極的な参加、疑問点の解消、目標達成への努力

評価指標と振り返りの仕組みを用意する

オンボーディングの効果を最大化するためには、評価指標(KPI)を設定し、定期的に振り返りを行う仕組みが必要です。

例えば、新入社員の定着率、早期戦力化までの期間、エンゲージメントスコア、上司や同僚からのフィードバックなどが評価指標となり得ます。

これらの指標を基に、プログラムの内容や運用方法を継続的に改善していくことで、より効果的なオンボーディングを実現できます。

注意点:形骸化を防ぐために

オンボーディングは一度導入したら終わりではありません。新入社員の声や現場の状況、社会の変化に合わせて、常に内容を見直し、アップデートしていくことが重要です。形骸化しないよう、定期的な振り返りと改善のサイクルを回しましょう。

オンボーディングのメリット

オンボーディングは、新入社員だけでなく企業全体に多大なメリットをもたらします。ここでは、オンボーディング導入によって得られる具体的な効果について詳しく見ていきましょう。

新入社員の早期戦力化につながる

体系的なオンボーディングプログラムは、新入社員が業務に必要な知識やスキル、企業独自のルールや文化を効率的に習得する手助けとなります。これにより、新入社員は早期に業務に慣れ、期待されるパフォーマンスを発揮できるようになるだけでなく、将来的なリスキリング(学び直し)へのスムーズな移行を促し、中長期的な生産性向上にも直結します。

POINT
早期戦力化の重要性

人材獲得競争が激化する現代において、採用した人材をいかに早く組織に貢献できる状態にするかは、企業の競争力を左右する重要な要素です。

早期離職の防止と定着率向上に役立つ

新入社員が組織に馴染めず、孤立感を感じることは早期離職の大きな原因の一つです。オンボーディングは、メンター制度や定期的な面談を通じて新入社員の不安や疑問を解消し、心理的なサポートを提供することで、組織へのエンゲージメントを高め、結果として離職率の低下と定着率の向上に貢献します。

エンゲージメント向上と心理的安全性の醸成につながる

オンボーディングを通じて、新入社員は自身の役割や貢献が明確になり、組織の一員としての帰属意識や一体感を育むことができます。

また、わからないことを、わからないとすぐに言える環境づくりをすることで、主体的な行動や創造性の発揮が促され、従業員エンゲージメントの向上につながります。

企業文化や価値観の浸透がスムーズになる

オンボーディングは、企業のミッション、ビジョン、バリューといった企業文化や価値観を新入社員に伝える重要な機会です。

入社初期にこれらを体系的に学ぶことで、新入社員は企業の方向性を理解し、共通の認識を持って業務に取り組むことができるようになります。これにより、組織全体の一体感が強化されます。

採用コストの削減や生産性向上に波及する

早期離職が減少することで、新たな人材を採用するためのコスト(採用活動費、研修費など)を削減できます。

また、新入社員が早期に戦力化することで、既存社員の負担が軽減され、組織全体の生産性が向上します。このように、オンボーディングは短期的な効果だけでなく、中長期的な視点で見ても企業経営に大きなメリットをもたらします。

オンボーディングによるコスト削減効果

新入社員の早期離職は、採用活動費、研修費、OJT担当者の人件費など、多大なコストを企業に発生させます。オンボーディングによって離職率が低下すれば、これらのコストを大幅に削減し、企業の経営資源をより有効に活用することが可能になります。

オンボーディング実施の5つのポイント

オンボーディングを単なる形式的な研修で終わらせず、真に効果的なものとするためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、成功に導くための5つの実践的なポイントをご紹介します。

① 入社前から情報提供とコミュニケーションを始める

内定を出してから入社までの期間は、新入社員が企業への期待感を高めると同時に、不安を感じやすい時期でもあります。

この期間に、企業理念、事業内容、配属部署の紹介、入社までに準備すべきことなどの情報提供を積極的に行い、定期的なコミュニケーションを通じて、新入社員の不安を軽減し、入社へのモチベーションを高めることが重要です。

特に、SlackやTeamsなどのチャットツールを活用した非同期コミュニケーションは、場所や時間を選ばずに情報共有が可能であり、リモート環境下の新入社員にとっても有効です。

注意点:内定辞退防止にも繋がる

入社前の手厚いフォローは、内定辞退の防止にも効果的です。企業への安心感と期待感を醸成し、入社への意欲を高めましょう。

② 初日の体験を丁寧に設計し「この会社でよかった」を作る

入社初日は、新入社員にとって企業に対する第一印象を決定づける非常に重要な日です。歓迎ムードの演出、スムーズな入社手続き、デスクやPCの準備、上司や同僚からの丁寧な挨拶など、細部にわたる配慮が「この会社でよかった」というポジティブな感情を生み出します。

初日の体験を丁寧に設計することで、新入社員のエンゲージメント向上に大きく寄与します。

③ 役割・目標・期待される行動を具体的に伝える

新入社員が自身の役割や業務内容、期待される成果を明確に理解することは、早期戦力化のために不可欠です。

抽象的な指示ではなく、具体的な目標設定、期待される行動基準、評価基準などを明確に伝えることで、新入社員は迷うことなく業務に取り組むことができます。定期的な1on1ミーティングなどを通じて、これらの認識合わせを行うことが効果的です。

POINT
SMART原則を活用した目標設定

目標設定には、Specific(具体的に)、Measurable(測定可能に)、Achievable(達成可能に)、Relevant(関連性高く)、Time-bound(期限を設けて)のSMART原則を活用すると良いでしょう。

④ 上司・メンターとの1on1や定期フォローを仕組み化する

新入社員が抱える疑問や不安を解消し、成長をサポートするためには、上司やメンターとの定期的なコミュニケーションが欠かせません。

特に1on1ミーティングは、新入社員の状況を把握し、個別の課題に対応するための有効な手段です。また、人事部門による定期的なフォローアップも、新入社員が安心して働ける環境を整える上で重要です。

これらの仕組みを制度として確立し、継続的に運用することが求められます。

⑤ 振り返りと改善を繰り返し、オンボーディングをアップデートする

オンボーディングプログラムは、一度作成したら終わりではありません。新入社員からのフィードバック、現場からの意見、定着率やパフォーマンスのデータなどを基に、定期的にプログラムの内容や運用方法を評価し、改善を繰り返すことが重要です。

PDCAサイクルを回すことで、常に時代や組織のニーズに合った、より効果的なオンボーディングを実現できます。

オンボーディングの成功事例を3社紹介

最後に実際のオンボーディングの成功事例を紹介します。

株式会社メルカリ:入社3カ月後の成長を逆算した「DevDojo」

フリマアプリ「メルカリ」を運営する株式会社メルカリでは、新卒エンジニア向けのオンボーディングプログラム「DevDojo」を展開しています。

このプログラムは、入社3カ月後に新入社員がどう成長していてほしいかを起点に設計されており、ビジネスマナーなどの共通研修と、開発に関する技術的な研修の2つで構成されています。

オンラインと対面のハイブリッド形式で実施され、オンボーディングポータルやメンター制度も活用することで、新入社員がメルカリの文化に触れながら、早期に戦力化できるような手厚いサポートを提供しています。

株式会社サイバーエージェント:企業文化の浸透を重視した「後継者育成プログラム」

インターネット広告事業などを展開する株式会社サイバーエージェントでは、新卒・中途採用者それぞれにオンボーディングプログラムを導入しています。

特に注目すべきは、藤田晋社長の後継者育成にも繋がる「後継者育成プログラム」です。このプログラムでは、サイバーエージェントの歴史を紐解き、藤田社長の意思決定を追体験することで、企業文化や価値観の深い浸透を図っています。

また、生成AIを活用した社内情報検索エージェントを構築し、新入社員が膨大な社内情報を効率的に活用できるような環境も整備しています。

LINEヤフー株式会社:動画活用で効率化とパーソナライズを両立

LINEヤフー株式会社では、新卒・中途入社社員を対象にオンボーディングプログラムを実施しており、自律的・主体的な挑戦を支援する多様な取り組みを行っています。

特に、Video Agent「LOOV」を導入し、営業品質の均一化とオンボーディングの効率化を図っている点が特徴です。

LOOVは、相手の属性に応じてプレゼンや説明内容が自動的に変化する「プレゼンVideo」を簡単に作成・活用できるAIエージェントであり、これにより新入社員への情報提供をパーソナライズしつつ、効率的に行うことが可能になっています。

まとめ

オンボーディングは、新入社員が組織にスムーズに適応し、早期に戦力として活躍するための包括的な支援プロセスです。

単なる研修に留まらず、入社前から入社後長期にわたる体系的な取り組みを通じて、新入社員の定着率向上、エンゲージメント醸成、ひいては企業の生産性向上に大きく貢献します。

本記事で紹介した導入方法や5つのポイントを参考に、貴社においても効果的なオンボーディングプログラムを設計・運用し、持続的な企業成長を実現しましょう。

監修者労務SEARCH 編集部

労務・人事・総務管理者の課題を解決するメディア「労務SEARCH(サーチ)」の編集部です。労働保険(労災保険/雇用保険)、社会保険、人事労務管理、マイナンバーなど皆様へ価値ある情報を発信続けてまいります。
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