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リスキリングとリカレントの違いとは?おすすめスキルも解説

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リスキリングとは、ビジネスモデルの変化や業務のデジタル化が原因で、発生する新たな仕事に対応するためのスキル・知識を習得することです。

近年、外的環境の急速な変化や消費者ニーズの多様化に伴い、従来の事業モデル・仕事の進め方では生き残ることが難しくなっています。

そのような困難な状況を解決する手法として注目されている人材育成のひとつが「リスキリング」です。

本記事では、リスキリングとリカレントの違いやリスキリングを成功させるポイント、取得をおすすめするスキルを紹介します。

会社の将来に不安を抱えている経営者は、ご一読ください。

監修者
労務 SEARCH

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リスキリングとリカレントとの違い

リスキリングとリカレントとの違い

新たなスキル・知識を身に付けるという意味では「リスキリング」「リカレント」、両者の意味は同じです。両者の違いは、「企業」か「個人」どちらが主体となるかによります。

企業が主体となる場合は「リスキリング」、個人が主体となる場合は「リカレント」です。

またリスキリングは、働きながらスキルや知識の獲得を目指しますが、リカレントは仕事や会社から一旦離れることも含まれます。

リスキリングとは?

リスキリングとは「リスキル」とも呼ばれ、企業が主体となり従業員にスキルを獲得させることを指します。
リスキリングで習得を目指すスキルは、社内に存在する仕事を向上させるスキルではなく、社内に現存しない仕事やスキルです。

そのためリスキリングでは、従業員が望むスキルよりも、会社が指定するスキルや知識を従業員に獲得させるという意味合いが強くなります。

リカレントとは?

リカレントとは、学び直しとも訳され、個人が主体となってスキルや知識を学ぶことです。
仕事を一度辞めることもあり、大学などに入り直し「働く→学ぶ→働く」のサイクルを回すことで、スキルや知識を習得します。

リカレントは個人が主体となり学ぶスキルを決定するため、実務に直結するスキルから経営戦略や研究開発などより高度なスキルまでと幅広く、学ぶスキルに制限がありません。

リスキリングが注目されている3つの背景

リスキリングが注目されている3つの背景

リスキリングが注目されている背景は、以下の3つです。

デジタル人材の育成

コロナ禍の影響やDX浸透により、従来のアナログな働き方が難しくなり、業務のデジタル化を推進できるデジタル人材の需要が急激に増加しました。

デジタル人材の需要に供給が追いついておらず、中途採用も厳しいのが現状です。
そのため、大企業を中心に費用と手間をかけて、リスキリングにより従業員をデジタル人材に育成する流れが加速しています。

従業員の再配置

部署異動といった従業員の再配置もリスキリングが注目されている理由のひとつです。
業務のデジタル化やロボットの活用が進むと、アナログな業務をおこなっていた従業員の仕事がなくなり、解雇対象となる恐れがあります。

ただしITやロボットの保守など関連する新しい仕事が生まれつつあります。
アナログな仕事をおこなっていた従業員がリスキリングにより、新たな仕事のスキルを身に付けることで、部署異動などの再配置が可能です。

リスキリングによって従業員を再配置できると雇用が守られるだけでなく、自社の業務に精通したデジタル人材を確保できます。

また再配置された従業員は、自社の内情や業務を把握しているため、中途採用した人材よりも辞めにくく、新たな仕事にもなじみやすいという点が特徴です。

新規事業の創出

リスキリングは、新規事業の創出にもつながります。
現在は第4次産業革命の真っ只中で、ビッグデータやAIなどを活用したさまざまなビジネスモデルが生まれています。

そのため、新しいビジネスモデルによって現在のビジネスモデルが通用しなくなる可能性があります。経営者は生き残るため、現在のビジネスモデルが通用しなくなる前に、新規事業を創出して新たな収入源を作らなければなりません。

新たなビジネスモデルを作る際のヒントとなる育成方法が、リスキリングです。
たとえば従業員に、次のようなこれまでの業務と異なる知識を獲得させることで、新規事業を創出するヒントとなります。

  • プログラミング
  • データ分析
  • マーケティング

  • 従業員が新しいスキルや知識を習得すると、アイデアが生まれやすくなります。
    時代に取り残されず、生き残りたい企業にとってリスキリングは必須です。

    リスキリングを成功させる5つのポイント

    リスキリングを成功させる5つのポイント

    リスキリングを成功させるためのポイントは次の5つです。

    会社が取得して欲しいスキルを明確にする

    まずは、会社が従業員に取得して欲しいスキルを明確にしましょう。
    スキルを明確にするためには、事業計画の見直しが必要です。
    たとえば、以下の事業をおこなう場合、それぞれの事業で求められるスキルや知識は異なります。

  • YouTubeに参入し、広告収入を得る
  • SNSマーケティングで、自社の認知度を高める
  • プログラミングを用いて、業務を効率化する

  • 闇雲にスキルを習得しても、スキルを活かせる事業がないとリスキリングにかけた費用と時間が無駄となってしまいます。
    経営者は、従業員にリスキリングを導入する前に事業計画を作成し、必要となる資格を明らかにしましょう。

    外部コンテンツを活用する

    リスキリングで使用するコンテンツを用意する方法は、自社で開発する方法と外部コンテンツを活用する方法の2つがあります。
    おすすめの方法は、外部コンテンツの活用で、メリットは次の3つです。

    またサービスによって料金や受講形態(ネット形式や紙媒体)が異なるため、自社の予算や運用方法に合わせて、各サービスを比較検討しましょう。

    経営者が率先してリスキリングする

    経営者は従業員にリスキリングさせるだけでなく、自身が率先してリスキリングをおこないましょう。

    なぜなら従業員が高いスキルを身に付けても、経営者に新しいスキルを評価するだけの知識がなければ、業務に活かせないからです。

    たとえば、ITを活用して業務効率化をおこなう目的で、プログラミングに関するスキルを習得した場合を考えてみましょう。

    従業員は学んだプログラミングの知識で、さまざまな業務効率化の施策を提案できます。
    しかし経営者にプログラミングについての理解がなければ、提案された施策の有効性や課題を評価できません。
    提案された施策を正確に評価するためには、経営者がプログラミングの知識を身に付ける必要があります。

    そのため、リスキリングの成功には、従業員にリスキリングによるスキル獲得を求める前に、経営者が率先して知識を補いましょう。

    従業員と対話をおこなう

    リスキリングは企業が主体となり、獲得するスキルを決めることが前提です。
    ただし、リスキリングの導入を成功させるには、従業員との対話が欠かせません。

    企業の求めるスキルと従業員の習得したいスキルが、一致していない可能性があるからです。
    たとえば企業は「業務を効率化するためのExcelのスキル」「テレワーク下においても円滑にチームビルディングできるスキル」など、会社全体に効果のあるスキルの習得を望んでいるとします。

    しかし従業員は、プログラミングやWebサイトの構築など副業や独立に直結するスキルを望んでいる場合があります。

    上記のように、会社側が従業員の希望していないスキルを強制的に習得させようとすると、会社と従業員との間に軋轢が生じる可能性が高いといえます。
    一度、両者の関係性が悪化すると、従業員は希望しているスキルを活かすために転職や独立を選択する可能性があります。

    そのため、リスキリングにより従業員との関係性を悪化させないためにも、従業員との対話を重ねることが大切です。対話のなかで、お互いの希望や将来のビジョンを話し合い、獲得するスキルのすり合わせをしましょう。

    リスキリングするメリットを可視化する

    従業員がリスキリングするメリットを可視化しましょう。
    メリットには、以下のことが考えられます。

    上記のようなメリットを提示せずに、リスキリングの導入を声高に叫んでも従業員に受け入れられない可能性が高いといえます。リスキリングを成功させるためには、従業員にとってのメリットを可視化し、従業員が「積極的にリスキリングをおこないたい」と思える環境を作りましょう。

    リスキリングで取得をおすすめスキル3選

    リスキリングの導入を検討している方のなかには「どのスキルを学ぶべきか判断できない」と悩む方もいらっしゃいます。

    そのような方に向けて、リスキリングで取得をおすすめするスキルを3つ紹介します。

    ITパスポート

    ITパスポートとは、独立行政法人情報処理推進機構が運営している、業務上でITを活用するすべての社会人に必要なITの知識を身に付けていることを証明する資格です。
    公式サイトによると試験では、以下の幅広い分野の知識が問われます。

    会社全体のITリテラシーを高めたい場合に、最もおすすめできる資格です。

    VBAエキスパート

    VBAエキスパートとは、Microsoft社が提供しているExcelの拡張機能『VBA』の活用スキルを証明する資格です。

    VBAとは、Microsoft社が提供しているサービスで使用可能なプログラミング言語です。

    VBAはExcel業務の効率化に用いられることが多く、膨大な売上データの集計・分析などの定期的におこなう作業を自動化できます。

    またVBAエキスパートは4つの段階に分かれており、最も難易度の低い「ExcelVBAベーシック」は、独学でも合格可能です。Excelをメインに使用している会社は、VBAエキスパートを取得し作業の自動化により、業務の効率化を目指してみましょう。

    AWS認定

    AWS認定とは、Amazon Web Servicesの知識やスキルが身に付いていることを証明する資格です。
    AWSとは、Amazon社が提供している国際的に採用されているクラウドプラットフォームサービスです。

    AWSでは、以下のことがおこなえます。

  • 大量のデータ保存
  • セキュリティ対策
  • サーバーの環境構築
  • AIの活用
  • データ分析

  • AWSは、現在提供されている多くのクラウド型サービスに使用されています。今後クラウド型サービスを提供する計画がある会社は、AWS認定の取得がおすすめです。

    まとめ

    スキルや知識の移り変わりが激しくなる時代において、リスキリングによる新たなスキルや知識の習得が欠かせません。

    現在収益の中心となっている事業が永久に通用するとは限らないため、リスキリングによって日頃から新しい分野のスキルや知識を習得する必要があります。

    将来に危機感を抱いている経営者は、本記事を参考にリスキリングを導入し、未来への投資を成功させましょう。

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