この記事でわかること
- ペーパーレス会議ツールの導入のよくある課題
- ペーパーレス会議を推進する方法
- ペーパーレス会議の具体事例
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人材・組織この記事でわかること
コロナ禍を機会に、企業によっては出張や外出の自粛、また対面でのやり取りを極力減らし、リモート勤務やWeb会議の推進を目指す会社も増えています。こうした状況において欠かせないのが「業務のペーパーレス化」です。
ペーパーレス化による業務工数の削減やWeb会議が実現すると、業務効率の改善や経費削減が望めます。本記事では具体的な事例も交えて、どのように新たなツールの導入を進めていけばよいのか解説します。
目次
社内のペーパーレス化には多くのメリットがあります。その中から、まずは代表的な3つのメリットからご紹介していきます。
ペーパーレス化をおこなうと、以下のような業務効率化を図ることが可能です。
業種や業務内容によって、ペーパーレス化の恩恵には差がありますが、多くの企業で当たり前だと思っていた手間が省かれるメリットはあるでしょう。
ペーパーレス化をすると、情報漏えいのリスクが高まると考える人もいます。
しかし適切なペーパーレス化は、逆に企業におけるセキュリティ対策の強化にもつながります。内部の顧客情報の漏えいは、ペーパーレス化とあわせて適切なセキュリティ対策を講じることで防ぐことが可能です。
実際の運用を検討する際は、セキュリティ対策をどう講じているかという目線を持って、セキュリティが万全なシステムを選びましょう。
ペーパーレス化をおこなうことは、企業価値の向上にもつながります。企業側は、印刷物の削減による環境配慮やSDGsへの取り組みをアピールすることが可能です。
またペーパーレス化を進めることで社内のコミュニケーションがオンラインでできるようになり、従業員へテレワークを推奨できるなど多様な働き方を叶え、従業員の満足度にも寄与することが可能です。
このように、企業としてはコスト削減や実務への影響を意識するものですが、広い目で見たときに、ペーパーレス化は企業価値の向上にも貢献する取り組みになるのです。
ペーパーレス化を実現させたいと考える企業の多くが、同時に叶えたいと思っているのがテレワークなど場所を選ばない勤務形態に伴う「Web会議での業務運用」です。
対面よりもカジュアルにおこなえる一方で、いくつかの問題も含んでいます。ここでは、Web会議をおこなった場合に発生する、ツール導入の問題やデジタル化にあたって起きがちな課題を紹介します。
対面会議をWeb会議に移行させた場合、多くの人が感じる問題が情報共有のしにくさです。
対面の場合は、資料を参照しながら細やかに説明できるところが、Web会議の場合は画面越しになるので、どうしても細かいニュアンス部分が説明できないと感じる方はいるようです。
上記課題を解決するためには「画面共有機能」などを活用し、資料を画面に映すなど工夫をおこないましょう。お互いが情報の認識ズレを起こさないような運用を模索していくことで、情報共有のしにくさは解消することが可能です。
Web会議をおこなう場合、会議ツールを使うための機材や通信状況の準備が必要です。ZoomやGoogle Meetなど、クラウド型のWeb会議サービスを利用する場合はシステムをインストールし、通信環境を準備すれば活用することが可能です。
こうした細やかな段取りも、Web会議ツールを導入するにあたっての課題となりそうです。
Web会議ツールは便利な一方、向かないシーンも数多くあります。
たとえば「ブレインストーミング」といったアイデア出しの場面では、対面の力が大きく働くため、Web会議にするとアイデアが出にくくなるといった問題があります。ほかにも、IT知識の少ない社員との打ち合わせをWeb会議でおこなうと、ときとして上手く伝わらない・上手く聞いてもらえないという問題も起こります。
こうした場合、Web会議を上手く運用するための方法について、事前に思考を巡らせていくことが大事であると同時に、必要であれば対面でのやり取りも上手く取り入れながら運用していくことが望ましいでしょう。
ペーパーレス会議を社内で浸透させるには、部署や個別のメンバー単位でスタートすることは好ましくありません。
会社全体としてペーパーレスでの会議進行に取り組んでいくこと、また取り組むことで会社としてどんな目的を達成したいかを明確にすること、その上で実際の導入に踏み込むのが良いでしょう。
ペーパーレス会議やWeb会議を中長期的に導入するのであれば、導入ステップはなるべく具体的にし、段階的に導入していくのが良いでしょう。
たとえば人事・労務に関する業務であれば、すべての業務を一気にペーパーレス化するのではなく、まずは年末調整や入退社手続きなど、一部の業務からペーパーレス化していくのがおすすめです。
また会議も同様に、すべてをWeb会議でおこなうのではなく、朝礼や定例報告など毎日のものからWeb会議に移行することで導入がスムーズに進められます。
ペーパーレス会議における事前のルール決めや端末配付は、その後の安定した運用には欠かせません。たとえば、
などを事前に決めておくと、参加者同士も気持ちよく会議に望むことができるでしょう。
また、端末の配付や回線の準備についても、適切に従業員への周知をおこなっていないと参加環境にばらつきが生まれ、業務にもコミュニケーションにも支障が生じます。こういった点にも十分配慮し、余裕を持った準備と運用をおこないたいですね。
ペーパーレス化やWeb会議は、今や多くの企業で当たり前の取り組みになりつつあります。では、実際どういったキッカケでこうした取り組みをおこなうことになったのか、実際の事例をご紹介します。
新型コロナウイルス感染症の影響で、やむを得ず出社人数を制限することとなったあるIT企業では、即座に在宅勤務をスタート。定例で配付する資料はすべて前日までの事前共有をルールとし、スムーズなリモート勤務とWeb会議を実現しました。
一方で、戦略立案といったメンバーのコミュニケーションを深めて進めるような会議は、Web会議だけでは思った成果が出ず、定期的な出社をおこなうことで課題を解決しているそうです。
この記事ではペーパーレス化のメリットや、同時におこないたいペーパーレス会議やWeb会議についての課題をご紹介しました。
企業にとって、ペーパーレス化の実現でどのような目的を果たしたいのか、またWeb会議は問題なく運用できる状態なのか、ひとつひとつ順を追って段階的に導入を進めていくことで、混乱やトラブルを避け安定した運用が叶っていきます。
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