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年末調整業務の電子化とは?全体の流れや課題、電子化のメリットから導入方法まで解説!

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人事労務管理人事労務管理の業務/手続き

毎年行う年末調整は、添付する書類の多さや従業員へのアナウンス、企業の入力作業など業務が煩雑になりがちです。
年末調整業務の手間を低減するため、今、国を挙げた年末調整の電子化の動きが見られます。

今回は年末調整の全体の流れや課題、年末調整業務の電子化によるメリットから導入方法までを解説します。

年末調整とは

年末調整とは、源泉徴収で徴収する毎月の所得税はあくまでも概算のため、年間の収入額をもとに本来徴収すべき所得税を再計算し、その過不足分を調整する業務です。

年末調整の全体の流れ

年末調整では、従業員が控除申告書などの必要書類を作成して、企業に提出します。

従業員から控除申告書を受け取った企業は、確認や給与システムへの入力、税額計算を行い、管轄する税務署にまとめて提出します。

年末調整の全体の流れ

源泉徴収で余分に所得税を徴収していた場合には、その差額を還付し、また反対に少なく徴収していた場合には、その差額を追加で徴収します。

補足:源泉徴収とは、雇用形態に限らず、企業が給与や賞与を従業員に支払う際に、あらかじめ所得税を徴収する業務です。

年末調整の課題

現状、多くの企業が年末調整において、書面による必要書類の配付、手書きでの申告書記入をしており、企業・従業員ともにさまざまな課題が生じています。

年末調整に関する企業・従業員の主な課題
企業の課題 従業員の課題
従業員毎の必要書類の配付・回収 銀行や保険会社、税務署などから送られた複数の控除証明書の保管
計算・記入内容のチェック・修正依頼 控除対象保険料額の集計・計算の手間
給与システムへのデータ入力 手渡しや郵送による書類の提出
7年間の各控除申告書の保管 毎年重複した内容を記入する手間

また、2020年の税制改正に伴い、さらに手続きが煩雑化するため、多くの課題が生じる可能性があります。

年末調整業務電子化のメリット

年末調整業務の電子化とは、控除証明書の受領や各種申告書の作成・提出といった作業を、紙ベースではなく電子的方法を用いて行うことを言います。
年末調整業務の電子化には「手間・コストの削減」、「利便性の向上」、「入力・提出状況の一元管理」などのメリットがあります。

業務効率化とコスト削減

年末調整業務には多くの作業時間と、作業を担う人件費や事務経費の増加などの多大なコストが必要です。
年末調整業務を電子化すれば、年末調整関連の書類の印刷・配付や回収、仕分け・封入・郵送、またデータ入力といった企業側の業務の大幅削減が可能です。年末調整業務にかかる時間が約半分になった事例もあります。

ヘアケアを中心とした4つの事業とグループ企業11社を運営しているスヴェンソングループ。年末調整にかかる時間が平均約半分に削減!|オフィスステーション 年末調整
年末調整にかかる時間が平均約半分に削減!|オフィスステーション 年末調整(https://www.officestation.jp/nencho/nencho-case/svenson/)

入力・提出状況の一元管理

民間各社が提供するクラウド年末調整システムなどでは、多くの場合、必要書類の配付・入力や提出状況の確認・回収・修正といった全工程をWeb上で一元管理し、スマートフォンやパソコン上で適切な対応を行うことができるインターフェースを用意しています。

従業員ごとの進捗状況を可視化し、「未着手」、「作成中」、「提出済み」、「修正中」などの入力・提出状況を一元管理することで、修正が必要な従業員や作成・提出が遅れている従業員にメールで直接催促することもできます。

控除証明書の保管も、クラウド上にアップロードすれば、書類の紛失や損壊の心配もありません。

過去の申告書データの流用

電子化された申告書データはオンライン上に蓄積することができます。過去のデータを流用することで毎年同じ内容を入力するといった二度手間を省き、従業員のストレス軽減につながります。また転記ミスなどのリスクを軽減することにもなります。

年末調整業務電子化の導入ポイント

年末調整の電子化は業務効率化やコスト削減に高い効果があります。その導入も年末調整業務の電子化のためのクラウド型システムの登場により容易になっています。
導入する際は以下のポイントを押さえて、進めてください。

承認申請書の提出

従業員が勤務先に年末調整申告書に記載すべき事項を電子データに提出するためには、事前に税務署へ承認申請書を提出する必要があります。
ただし、税務署側からの「承認された」という通知は基本的にありません。提出した月の翌月末日までに、連絡が無ければ「承認された」こととなります。
承認までかかる日数を踏まえて、早めに申請手続きを完了させておきましょう。

従業員の承諾

企業側・従業員側の双方にとってメリットの多い年末調整業務の電子化ですが、企業側が一方的に推し進めることはできません。
たとえば、源泉徴収票を紙での交付から電子化に切り替える際には、従業員に事前の承諾を得る必要があります。なお、事前承認を得るための書類には、下記の内容を盛り込むことが奨励されています。

  • 電子交付する書類の名称
  • 電子交付する方法(電子メールや電子閲覧、磁気媒体など)
  • 受信者ファイルへの記録方法(XML形式やPDF形式など)
  • 交付予定日
  • 交付開始日

年末調整に適したソフトウェアの導入

年末調整の電子化を進めるにあたり、年末調整に関する各種申告書を作成するために利用するソフトウェアの検討が必要です。国税庁が開発を進めている「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」を利用するほかに、民間各社からリリースされているクラウド型システムを導入する方法があります。
クラウド型システムを利用することにより、以下のようなメリットを得られます。

  • 各種給与システムへの連携
  • タブレットやスマートフォンなど各種端末からの利用
  • クラウドストレージ上での控除証明書の保管

労務SEARCHを運営するオフィスステーションは、年末調整の情報を各種端末で収集でき、システム上でデータ管理ができる「オフィスステーション 年末調整」をリリースしています。ご使用の給与システムそのままでご利用いただくことが可能で、30日間の無料トライアルも受け付けているため、まずはお気軽にお問い合わせください。

国税庁が進める電子申請

年末調整業務の煩雑さを改善するために国税庁は2020年10月の年末調整の電子申請を進めています。
想定されている電子申請の手続きは、以下の通りです。

【参考】年末調整手続の電子化に向けた取組について(令和2年分以降) – 国税庁
https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm

【参考】年末調整手続の電子化について – 国税庁
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/sankankyougikai/smartpublic/dai3/siryou2-1.pdf

  1. 従業員が基本情報を控除申告作成用ソフトウェア(国税庁が開発中)に基本情報(氏名、住所など)を入力します。
  2. 銀行や保険会社、税務署送付される控除証明書データを取り込みます。
  3. 控除作成用ソフトウェアで各種控除申告書を作成し企業へ提出します。
  4. 企業は、内容をチェックして適宜修正・変更を加え、国税庁にオンライン上で年末調整のデータを提出します。

このように保険会社、銀行の発行する控除証明書を含め、企業での控除申告書の作成を電子化する仕組みを整える予定です。

まとめ

  • 年末調整の紙媒体の手続きでは、膨大な時間やコストが発生している
  • 2020年10月を目処に、国税庁は年末調整の電子化を目指している
  • オンライン申請が可能となることにより、業務効率化や利便性の向上につながる
  • 政府は、年末調整だけでなく、他手続きへの展開や応用も目指している
  • 年末調整を電子化するにあたって、税務署への承諾申請書の提出や、従業員の承諾を得る必要がある
ソビア社会保険労務士事務所 代表社労士/ホワイト財団 代表理事|五味田 匡功

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