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労働者が有給休暇を取りやすくなる?計画年休制度について

人事労務管理

「働き方改革」や「ワークライフバランス」という言葉が世の中に浸透し、働き方の重要性だけでなく、休み方の重要性も問われる時代になってきました。
しかし多くの労働者は職場に「気兼ねする」などの理由から、まだまだ「年休を取りたいとは言いづらい」と積極的に取得できないでいるのが実情です。

そこで労働者が気兼ねなく休むことができるように考えられた、計画年休制度について見ていきましょう。

計画年休制度とはどのような制度なのか?

計画的年休は、日本では一般に年休の消化率が低いことが背景に生まれた制度です。年休の取得が個人の判断にゆだねられる結果、職場に気兼ねすることにより、年休を取りにくくなってしまう実情がありました。そのため1987年の労働基準法改正の際、年休の取得を促進する手段として、この計画年休制度が設けられました。

計画年休制度とは、年次有給休暇のうち、5日を超える分について、労使協定を結ぶことで計画的に休暇取得日を割り振りができる制度のことです。すなわち、付与日数のうち、5日を除いた日数が計画的付与の対象です。

具体的な例として、年次有給休暇の付与日数が10日の労働者に対しては5日、20日の労働者に対しては15日までを、計画的付与の対象とすることができます。なぜ5日は計画的付与の対象にならないかというと、労働者が病気やそのほかの個人的な理由による取得ができるよう、指定した時季に与えられる日数を留保しておく必要があるためです。

計画年休制度の活用方法について

平成20年の調べでは、年次有給休暇の計画的付与制度を導入している企業は、導入していない企業よりも年次有給休暇の平均取得率が8.6%高くなっており、制度の導入は年次有給休暇の取得促進に有効であると考えられます。

また、アンケート調査によれば、全体の約3分の2の労働者は年次有給休暇の取得にためらいを感じているようですが、この制度は前もって計画的に休暇取得日を割り振るため、労働者はためらいを感じることなく年次有給休暇を取得することができます。

制度の活用方法は主に下記の3つに分けられます。

<年次有給休暇の計画的付与制度の活用方法>

  • 企業もしくは事業場全体の休業による一斉付与方式
    企業、事業場全体を一斉に休みにできる、もしくは一斉に休みにした方が効率的な業態については、全労働者に対して同一の日に年次有給休暇を与えるという一斉付与方式の導入方法があります。製造部門など、操業をストップさせて全労働者を休ませることのできる事業場などでは、このような活用方法が採られることが多い傾向にあります。また、企業、事業場全体を休みにしても顧客に迷惑にならないような時期に、この一斉付与方式を導入するケースが多数あります。
  • 班、グループ別の交替制付与方式
    企業、事業場で一斉に休みを取ることが難しい業態については、班・グループ別に交替で年次有給休暇を付与する方式の導入が考えられます。流通・サービス業など、定休日を増やすことが難しい企業、事業場では、班・グループ別に活用する方法が採られることが多くあります。
  • 年次有給休暇付与計画表による個人別付与方式
    年次有給休暇の計画的付与制度は、個人別に導入することもできます。夏季、年末年始、ゴールデンウィークのほか、誕生日や結婚記念日など労働者の個人的な記念日を優先的に充てるケースもあります。

計画年休制度の詳しい導入例を紹介

以下で、計画年休制度の導入例をご紹介します。

例1)夏季、年末年始に年次有給休暇を付与し、大型連休にするケース

日本では盆(8月)、暮(年末年始)に休暇を設ける会社が多いため、これらの休暇に計画的付与の年次有給休暇を組み合わせることで、大型連休とすることができます。この方法は先述した企業もしくは事業場全体の休業による一斉付与方式、班・グループ別の交代制付与方式に多く活用されています。

例2)ブリッジホリデーとして、3連休、4連休を設けるケース

暦の関係で休日が飛び石となっている場合に、休日の橋渡し(ブリッジ)として計画的付与制度を活用し、連休とする方法があります。
たとえば、土曜日と日曜日を休日とする事業場で、祝日が木曜日にある場合、金曜日に年次有給休暇を計画的に付与すると、その後の土曜日、日曜日の休日と合わせて4連休とすることができます。

また、ゴールデンウィークについても、祝日と土曜日、日曜日の合間に年次有給休暇を計画的に付与することで、10日前後の連続休暇を実現できます。ブリッジホリデーの方式は、事前に年単位で休日や休暇の計画を立てることができるのが利点です。

この方法は、企業もしくは事業場全体の休業による一斉付与方式、班・グループ別の交替制付与方式 に多く活用されています。

計画年休制度の導入に必要な手続きとは?

計画年休制度の導入には、労使協定の締結が必要です。実際に計画的付与を行う場合には、労働者の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表するものとの間で、書面による協定を締結する必要があります。

この労使協定は所轄の労働基準監督署に届け出る必要はありませんが、以下、5つのことを定めておく必要があります。

<労使協定の締結時に定めておく必要があること>

  1. 計画的付与の対象者(または対象から除く者)
  2. 対象となる年次有給休暇の日数
  3. 計画的付与の具体的な方法
  4. 対象となる年次有給休暇を持たない者の扱い
  5. 計画的付与日の変更

まとめ

依然として取得率が低い年次有給休暇を、労働者がより多く取得するために生まれたのが計画年休制度です。

年休制度は職場に気兼ねなく年休を取得し、ワークライフバランスを確立するために有効な手立てになるでしょう。

会社の業種や業態によって、付与方式を変更し、会社独自の計画年休制度を構築してみてはいかがでしょうか。

山本 務|やまもと社会保険労務士事務所

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