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従業員の福利厚生のために健康診断や人間ドックについて確認しましょう!

バックオフィス部門(人事総務部門)の役割として、従業員が健康で生き生きと働いてもらえる環境づくりが挙げられます。

そのためには、法で定められた定期健康診断の完全実施および有所見者の二次健康診断を促すことはもちろんですが、健康診断の検査項目の充実を図るために人間ドックや生活習慣予防病健診の導入も考えたいところです。法で定められた健康診断とともに、人間ドックの税務上の取り扱い等も解説していきます。

法で定められた定期健康診断および検査項目について

各企業でも定期的に行われている健康診断ですが、実は法律によってその詳細やさらには検査項目が細かく定められており、各企業に実施が義務付けられている一般健康診断には以下のようなものがあります。

  • 雇入時の健康診断

    常時使用する労働者を雇い入れるときに実施します。

  • 定期健康診断

    常時使用する労働者に対して1年以内ごとに1回実施します。

  • 特定業務従事者の健康診断

    労働安全衛生規則第13条第1項第2号に掲げる業務に常時従事する労働者に対して配置替えがあったとき、6カ月以内ごとに1回実施します。

  • 海外派遣労働者の健康診断

    海外に6カ月以上派遣される労働者に対して出国時と帰国後国内業務に就かせるときに実施します。

  • 給食従業員の検便

    事業に附属する食堂または炊事場における給食の業務に従事する労働者を雇い入れるとき、配置替えがあったときに実施します。

上記の健康診断の対象は主に常時使用する正社員となりますが、条件によってはパートやアルバイトにも健康診断を行わなければなりません。また、検査項目に関して雇い入れるときの一般健康診断では、次の項目について行うべきと定められています。

  • 既往歴および業務歴
  • 自覚症状および他覚症状の有無
  • 身長、体重、腹囲、視力、聴力の測定
  • 胸部エックス線検査
  • 血圧測定
  • 貧血検査
  • 肝機能検査
  • 血中脂質検査
  • 血糖検査
  • 尿検査
  • 心電図検査

そして、上記以外にも有害な業務に常時従事する労働者に対しては、原則として雇い入れるとき、配置替えがあったときおよび6カ月以内ごとに1回の健康診断を実施しなければなりません。

全国健康保険協会(協会けんぽ)の生活習慣病予防健診について

健康診断は企業に義務付けられているものですが、これ以外にもさまざまな健診があります。そのひとつが、全国健康保険協会(以下:協会けんぽ)が加入者向けに行う生活習慣病予防健診です。

こちらは一般健診と呼ばれる年1回の定期健診のほかに、付加健診、乳がん・子宮頸がん検診、また任意で行う肝炎ウィルス検査といった、生活習慣病やその他の病気を予防、もしくは早期発見するための検査を受けることができます。

一般健診では、35歳から74歳の被保険者を対象に、診察や尿検査、血液検査をはじめにレントゲン検査など約30項目の全般的な検査を行います。また、付加健診は一般健診を受診するうちの40歳および50歳を対象とした、細かく健康状態を調べていく健診です。

協会けんぽが実施するこれらの健診にかかる費用は、当該年度内に1回に限り一部を負担してくれるので、労務担当者としてはすすんで従業員に健診の案内をすると良いでしょう。詳細は協会けんぽのホームページ「健診・保健指導のご案内」(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4)をご参考ください。

人間ドックの費用負担、税務上の取り扱いについて

社員の健康管理のために、企業によっては人間ドックの実施を社内規定などで設けていて、さらに人間ドックの費用を負担している場合もあるのではないかと思います。このとき、労務担当者が気をつけるポイントとして挙げられるのが、人間ドックの費用負担が税務上どのような扱いになっているのかという点です。

もし、費用負担が給与などと同じものと見なされれば従業員の課税対象となるため、労務担当者にとってはしっかりと確認しておきたい内容です。これに対しては、基本的に課税対象にはなりません。

しかし、条件付きである場合は例外です。条件としては、役員や特定の地位にあるものを対象にその費用を負担するといったことが挙げられ、この場合は課税対象となります。労務担当者は改めて、自社の社内規定で人間ドック実施に関する規定があるのかという点に加えて、費用負担の有無について確認しておきましょう。

有所見者に再検査実施を!二次健康診断等給付について

近年は何かしらの異常が見つかる有所見率が高くなるなど、健康に問題を抱える労働者の数は増えているといいます。有所見者となると再検査を行う必要が出てきますが、このときに助けとなるのが「二次健康診断等給付」です。

この「二次健康診断等給付」とは、前述の定期健康診断(一次診断)において次の項目すべてに異常が見られた場合に、本人が請求することで二次健康診断および特定保健指導(栄養、運動、生活について医師または保健師から受ける指導)を給付する制度です。

  1. 血圧検査
  2. 血中脂質検査
  3. 血糖検査
  4. 腹囲の検査またはBMI(肥満度)

この上記4項目は脳血管疾患や心臓疾患など過労死につながる恐れのある項目となります。過労死は現代社会において大きな問題となっており、それを防ぐためにも二次健康診断は大切なものです。

なお、この給付は労災保険に加入していれば無料で受けることができます。ただし、労災保険制度に特別加入している、すでに脳血管疾患または心臓疾患の症状を持っている場合は対象外となりますので注意しましょう。

まとめ

以上、さまざまな健康診断についてご紹介してきました。企業にとって従業員はなくてはならない存在であり、従業員の健康を管理することは大切な役割と言えます。

法で定められた定期健康診断のほかにも生活習慣病予防健診や人間ドックなどを通して健康状態を知ることができますし、異常が見られる人には給付制度もあります。労務担当者としては、こういった診断が受けられるということを周知徹底し、従業員の健康管理に努めるよう心がけましょう。

岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

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