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コンプライアンス違反が企業に与える影響と公益通報者保護法について


現在、企業の社会的責任が重視されるとともに、コンプライアンス違反が企業経営に与える影響について注目が高まっています。

コンプライアンス違反について通報する公益通報者保護法の仕組みについて概説するとともに、企業の社会的責任の重要性の観点からコンプライアンスを守る重要性とコンプラインス違反が実際に企業にどのような影響を与えたか解説していきます。

公益通報者保護法とはどのような法律なのか?

公益通報者保護法とは、企業のコンプライアンス違反による不祥事について、労働者が内部告発をした場合に、その従業員を守るための法律です。企業のコンプライアンスが高いと、消費者をはじめ社会全体の利益につながります。そのコンプライアンスを高めるためには、内部通報ができる環境というのは必要不可欠です。

しかし、内部通報は企業の名誉や信用を損なう行為とみなされ、懲戒処分の対象となる恐れがあります。過去には実際に多くの裁判事例において、内部告発をしたために企業より懲戒処分を受けた労働者が争っています。公益通報者保護法は、そのような労働者を守るために制定されました。

ただし、すべての内部通報が保護されるわけではなく、公益通報に限ってのみ保護されます。公益通報とは、個人の生命や身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保、そして国民の生命・身体・財産そのほかの利益の保護にかかわる法律に規定された犯罪行為などです。

公益通報の対象とならない内部通報に関係する懲戒処分や解雇などについては、懲戒に関する法理や解雇権乱用法理などの一般的なルールに沿って保護するか検討されます。

企業の社会的責任とコンプライアンスの重要性

企業は、ただ単に利益をあげていれば何をしてもいいというわけではありません。企業は市場を進化させるために、「経済性」だけではなく「社会性」や「人間性」を重視して、社会と調和していくことが必要とされています。

それが、社会的責任(CSR)です。企業の社会的責任は、市場、環境、労働者、そして地域社会や国際社会に関係しています。これらの4つの領域に対して、社会的責任を果たすための仕組みを構築するために必要なものがコーポレート・ガバナンスです。コンプライアンスは、コーポレート・ガバナンスのなかで重要な位置づけにあります。

コンプライアンスは、あくまでも社会的責任を果たすための最低限の義務ではありますが、現代企業に求められる環境や人権、そして労働に配慮した社会的責任を推進するための前提条件として存在しているのです。

コンプライアンス違反の対象事例

企業による不祥事として、多くの人が思い浮かべるのが、労働者による横領などの社員不祥事です。コンプライアンス違反であり、会社が細かく指導すべきだという意見が出やすいものです。しかし、実のところ、これはコンプライアンス違反ではなく、あくまでも社員の不祥事です。企業不祥事には該当しません。

企業のコンプライアンス違反は、会社の組織や職場の不正行為が対象となります。たとえば、官公庁取引において問題にあがりやすい入札談合などがあります。企業としては、コンプライアンスを守るよう口先だけ指示していたとしても、労働者の目先の利益、社内での立場、規範意識の低さなどによってコンプライアンス違反が起こりやすくなります。

また、社員不祥事はコンプライアンス違反ではありませんが、経営層の不祥事は重大なコンプライアンス違反になります。特に粉飾決算やリコール隠しといった企業犯罪は、現場の労働者が判断できるものではなく、経営層がかかわっていることが多いようです。

コンプライアンス違反が企業経営に与える影響

コンプライアンス違反のなかでも、特に組織・職場の不正行為については、法律違反の観点で見ると重さの大小があります。そのため、周囲の会社もやっているから、先輩から引き継いできたからと、コンプライアンスがないがしろにされ形骸化されやすい傾向があります。

形骸化すればするほど、改善が困難になり、引き返すことができない状態になる可能性があります。経営層の犯罪はもとより、このような組織や職場の小さなコンプライアンス違反であっても、明るみに出ることにより社会的信頼が失墜するというリスクがあります。

それによって、一般労働条件を確保することができなくなる恐れや、最悪の場合は事業廃止につながる恐れがあります。このようなリスクを低減させるためにも、企業のコンプライアンスの向上は必要不可欠であるといえるでしょう。

まとめ

コンプライアンスは、企業が社会的責任を果たすためにも最低限必要なものです。コンプライアンス違反をしてしまうことで、企業の社会的信頼の失墜により、経営が成り立たなくなり、最悪の場合は事業廃止となる恐れがあります。

そのため、コンプライアンスは何よりも重要視しなければなりません。コンプライアンスや公益通報者保護法について、改めて自社で振り返り、コンプライアンス向上に努めましょう。

岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

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