この記事でわかること・結論
- 勤務間インターバル制度の義務化がいつからなのか、2026年時点の最新状況
- 11時間ルールの意味や具体例、違法になるケースの考え方
- 企業が制度を導入するメリット・デメリットや、就業規則・勤怠管理で押さえるべきポイント

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ニュースこの記事でわかること・結論
前日の深夜残業後、いつもどおり翌朝に出社していませんか。勤務間インターバル制度は、こうした「休む時間が足りない働き方」を防ぐため、勤務終了後から次の勤務開始までに一定時間以上の休息を確保する制度です。長時間労働や睡眠不足による健康障害を防ぐため、2019年4月1日(平成31年)から事業主の努力義務となっています。
ただし、厚生労働省では、勤務間インターバル制度の義務化を見据えた法改正の検討が進められています。とくに注目されているのが、勤務終了後から次の勤務開始まで11時間以上の休息を確保する「11時間ルール」です。日本では11時間ルールが一律に法的義務となっているわけではありませんが、制度設計の目安として重要です。制度を導入していないこと自体に直接の罰則はありません。
しかし、休息不足や長時間労働を放置すれば、安全配慮義務や労務トラブルのリスクにつながる可能性があります。企業が導入する際は、就業規則への明記、勤怠管理の見直し、シフト作成時の確認体制が重要です。
本記事では、勤務間インターバル制度の義務化の最新状況、11時間ルール、導入時のポイントをわかりやすく解説します。
目次

勤務間インターバル制度とは、勤務終了後から次の勤務開始までの間に、一定時間以上の休息時間を確保する制度です。たとえば、夜22時まで残業した従業員について、翌日の始業を朝9時以降にすることで、勤務と勤務の間に11時間の休息を確保するような運用が該当します。
長時間労働を単に減らすだけでなく、睡眠時間や生活時間を確保し、従業員の健康障害や過重労働を防ぐことが主な目的です。2019年4月1日(平成31年)から、事業主には勤務間インターバル制度の導入に努めることが求められています。
勤務間インターバル制度は、終業から次の始業までに一定の休息時間を設け、従業員の生活時間・睡眠時間を確保するための制度です。
残業で終業時刻が遅くなった場合、翌日の始業繰り下げや勤務免除などで休息時間を確保します。
勤務間インターバル制度が注目される背景には、長時間労働による健康障害や、睡眠不足による生産性低下があります。時間外労働の上限規制は月単位の労働時間を管理する仕組みですが、勤務間インターバル制度は「日々の働き方」に着目します。
どれだけ月の残業時間を抑えていても、深夜残業の翌日に早朝出勤が続けば、疲労は回復しにくくなります。従業員が健康に働き続けるには、1日ごとの休息時間を確保する視点が欠かせません。
また、人手不足が続くなかで、従業員の定着や採用力を高めるためにも、休息を確保できる職場環境づくりは重要です。制度を導入することで、企業は「無理な働き方を前提にしない職場」であることを示しやすくなります。

勤務間インターバル制度について最も関心が集まるのが、「いつから義務化されるのか」という点です。結論からいうと、2026年(令和8年)時点では、すべての企業に勤務間インターバル制度の導入を義務づける法律は施行されていません。現在は、事業主の努力義務という位置づけです。
ただし、国の検討状況を見ると、今後も努力義務のまま変わらないと断定することはできません。厚生労働省の研究会では、制度の抜本的な導入促進や、義務化を視野に入れた法規制の強化が論点として示されています。
2026年時点で、勤務間インターバル制度は事業主の努力義務となっています。努力義務とは、法律上「導入に努めること」が求められるものの、導入していないことだけを理由に、直ちに罰則が科されるものではないという位置づけです。
つまり、2026年現在、「11時間の勤務間インターバルを必ず確保しなければ違法」といった一律のルールはありません。制度を導入するかどうか、何時間のインターバルを設定するか、対象者をどこまで広げるかは、各企業の実態に応じて検討する段階となっています。
一方で、努力義務であることと、対応しなくてよいことは同じではありません。長時間労働や休息不足が続き、従業員の健康障害や労働災害につながった場合、安全配慮義務や労働時間管理の面で企業責任が問われる可能性があります。
勤務間インターバル制度は2026年時点では努力義務です。導入していないこと自体に直接の罰則はありませんが、過重労働対策や健康確保措置として導入が推奨されています。
勤務間インターバル制度の義務化については、厚生労働省の「労働基準関係法制研究会 報告書」で重要な方向性が示されています。報告書では、勤務間インターバル制度について、現在の努力義務は概念的な内容にとどまり、時間数や対象者、導入時の留意点が法令上明確に示されていないことが課題とされています。
また、令和7年就労条件総合調査では、2025年(令和7年)時点で勤務間インターバル制度を導入している企業割合は6.9%、導入を予定または検討している企業は13.8%にとどまっています。導入率が低いことからも、単なる周知だけでは制度が十分に広がりにくい状況がうかがえます。
そのため、今後は法規制の強化や、就業規則への記載、行政指導による普及促進など、複数の方法が検討される可能性があります。報告書では、11時間を原則としつつ、適用除外や代替措置を労使で決める考え方、11時間より短い時間から段階的に始める考え方、経過措置を設けて全面施行まで一定期間を置く考え方なども示されています。
2026年時点で、勤務間インターバル制度の義務化日程は決まっていません。ただし、国の検討資料では義務化を視野に入れた法規制強化が論点となっているため、企業は早めに勤怠管理や就業規則の見直しを進めておくことが重要です。

勤務間インターバル制度の11時間ルールとは、勤務終了後から次の勤務開始までに、原則として11時間以上の休息時間を確保する考え方です。勤務間インターバル制度を導入する際の代表的な基準として使われます。
ただし、日本では2026年時点で、すべての企業に11時間ルールが法律上義務づけられているわけではありません。11時間はあくまで、制度設計をおこなう際の重要な目安です。
11時間が注目される理由は、勤務後の生活時間と睡眠時間を確保しやすい水準と考えられているためです。仮に終業から次の始業までの間隔が8時間しかない場合、通勤、食事、入浴、家事、育児などを差し引くと、十分な睡眠時間を確保することは難しくなります。
一方、11時間の休息があれば、仕事以外の時間と睡眠時間を一定程度確保しやすくなります。もちろん、通勤時間や家庭状況によって必要な時間は異なりますが、過重労働防止の実務上、11時間はわかりやすい基準です。
通常の始業時刻が9時の企業で、前日の勤務終了時刻が22時だった場合、翌日9時始業でちょうど11時間のインターバルを確保できます。一方、23時に終業した場合、翌日9時始業では10時間しか空きません。この場合、11時間を確保するには翌日の始業を10時以降に繰り下げる必要があります。
| 前日の終業時刻 | 11時間後 | 翌日の対応例 |
|---|---|---|
| 20時 | 翌日7時 | 通常どおり9時始業で対応可能 |
| 22時 | 翌日9時 | 9時始業で11時間を確保 |
| 23時 | 翌日10時 | 始業を10時以降に繰り下げる |
| 25時 | 翌日12時 | 午前勤務免除や午後出勤を検討 |

勤務間インターバル制度は、企業と従業員の双方にメリットがあります。一方で、導入時にはシフト調整や人員配置、勤怠管理の見直しが必要になるため、デメリットも理解しておくことが大切です。
また、対象企業は特定の業種に限られません。長時間労働や不規則勤務が発生する企業では、規模や雇用形態を問わず導入を検討する意義があります。
企業側のメリットは、過重労働による健康障害や労働災害のリスクを下げられる点です。従業員が十分に休息を取れることで、集中力の低下やミスを防ぎ、生産性向上にもつながります。また、働きやすい職場として、採用力や定着率の向上も期待できます。
一方、デメリットとしては、業務の繁閑に合わせた人員配置が難しくなること、シフト作成が複雑になること、勤怠管理システムの設定変更が必要になることなどが挙げられます。特に人員に余裕がない職場では、1人の始業を繰り下げることで、他の従業員に業務が偏る可能性があります。
従業員側のメリットは、睡眠時間や生活時間を確保しやすくなることです。深夜残業の翌日に早朝出勤するような働き方を避けられれば、疲労回復やメンタルヘルスの安定にもつながります。従業員の不調を早期に把握するストレスチェックとあわせて、勤務間インターバル制度を活用することで、心身の健康を守る体制を整えやすくなります。
一方で、制度の設計によっては、残業時間が減ることで残業代が減る、始業繰り下げにより業務予定が変わるなどの影響もあります。制度導入時は、単に残業を制限するのではなく、従業員の健康を守るための制度であることを説明することが重要です。
勤務間インターバル制度を導入していないこと自体に直接の罰則はありません。ただし、長時間労働や休息不足を放置し、健康障害が発生した場合、安全配慮義務や労務管理上のリスクにつながる可能性があります。
勤務間インターバル制度を導入する際は、「何時間空けるか」だけでなく、対象者、例外対応、賃金処理、勤怠管理の方法まで一体で決める必要があります。ルールが曖昧なまま運用すると、現場判断にばらつきが生じ、かえってトラブルにつながる可能性があります。
制度を社内ルールとして運用する場合は、就業規則や関連規程に明記しましょう。特に、勤務終了時刻の定義、翌日の始業を繰り下げた場合の賃金の扱い(賃金控除するのか、しないで労働免除扱いにするのか)、対象者、例外対応は重要です。
また、勤怠管理では、実際の終業時刻と翌日の始業時刻を正確に把握する必要があります。紙の出勤簿や自己申告だけでは、上司の指示による深夜のメール対応、チャット対応、持ち帰り業務などが見えにくくなる場合があります。可能であれば、インターバル不足を自動で検知できる勤怠システムを活用しましょう。
導入時は、まず過去3カ月から6カ月程度の勤怠データを確認し、インターバル不足が起きやすい部署や職種を把握することが大切です。いきなり全社一律で導入するのが難しい場合は、夜勤・シフト勤務・深夜残業が多い部署から試験導入する方法もあります。
勤務間インターバル制度は、勤務終了後から次の勤務開始までに一定の休息時間を確保し、従業員の生活時間や睡眠時間を守るための制度です。2019年4月1日(平成31年)から事業主の努力義務となっており、2026年時点では一律の義務化は決まっていません。
ただし、厚生労働省の研究会では、義務化を視野に入れた法規制強化や、11時間を原則とする考え方が示されています。現時点では罰則がないとしても、長時間労働や休息不足を放置すれば、安全配慮義務や労務トラブルのリスクにつながる可能性があります。
企業は義務化を待つのではなく、まず自社の勤怠データを確認し、インターバル不足が起きやすい部署や勤務形態を把握することが重要です。そのうえで、就業規則、勤怠管理、シフト作成ルールを整備し、従業員が健康に働き続けられる体制を整えましょう。
勤務間インターバル制度は、現時点では努力義務にとどまりますが、長時間労働・深夜残業後の十分な休息確保は、企業の安全配慮義務や人材定着の観点から重要です。11時間は一律の法定義務ではないものの、制度設計上の有力な目安となります。義務化の動向を待つのではなく、自社の勤務実態を確認し、就業規則・勤怠管理・シフト運用を早めに整備することが望まれます。国の助成金として働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)もあり、活用しながらの導入も考えられます。
社会保険労務士法人|岡佳伸事務所の代表、開業社会保険労務士として活躍。各種講演会の講師および各種WEB記事執筆。日本経済新聞、女性セブン等に取材記事掲載。2020年12月21日、2021年3月10日にあさイチ(NHK)にも出演。
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