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雇用保険被保険者離職証明書の提出にあたって知っておくべき4つのポイント

雇用保険被保険者の方が離職する際に、法人が原則としてハローワークに提出する書類が「離職証明書」、ハローワークがそれをもとに離職者へ発行する書類が「離職票」になります。いずれも離職者の雇用保険給付の受給にあたり欠かせない重要な書類です。

本稿では、特に法人側の手続きとしての「離職証明書」の作成・提出にあたり注意すべきポイントについて、解説していきます。

いつまでに、何を、どこへ提出すればいいのか?

雇用保険加入者が退職などをした場合、事業者はハローワークに書類を提出、離職者には書類を作成交付します。

被保険者が離職票の交付を希望しない場合

退職する被保険者が離職票の交付を希望しない場合は、退職日の翌日から10日以内に管轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出します。このとき、労働者名簿や賃金台帳、出勤簿、雇用契約書などを持参します。

被保険者が離職票の交付を希望する場合

退職する被保険者が離職票の交付を希望する場合、退職日の翌日から10日以内に管轄のハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書」を提出します。このとき、労働者名簿、出勤簿、賃金台帳、辞令及び他の社会保険の届け出の控えや離職理由の確認ができる書類を持参します。

被保険者が59歳以上の場合

被保険者が59歳以上の場合は、本人の希望にかかわらず離職票を交付しなければなりません。

「賃金支払状況等」欄、こんなときどうする?その1

雇用保険被保険者離職証明書は、被保険者が雇用保険の給付を受けるために重要な書類となります。この書類は事業者側が記載することになりますが、記載の際に困ることも起こります。そのようなときはどうすればいいのでしょうか。

賃金支払状況等の欄が足りず、1枚の離職証明書に記載できない場合

原則として、離職の日以前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上の月が12カ月必要となります。1枚でこの要件を満たさない場合は2枚目が必要となります。この場合は、2枚目に「続紙」と記載し、使用することになります。

賃金締切日に変更があった場合

賃金締切日に変更があった場合は、該当する行の備考欄に「賃金締切日変更」と記載します。

賃金形態が変更になった場合

日給制から月給制に変更になるなど賃金形態が変更になった場合、該当する行の備考欄に「月給制に切り替え」などの記載をします。

「賃金支払状況等」欄、こんなときどうする?その2

離職翌日の応当日がない場合

10月30日に退職したときなど離職日の翌日に応当する日が各月にない場合は、その月の末日を記載します。

欠勤控除による賃金減額があった場合

月給制でも欠勤をすると日給分を賃金から減額する雇用形態の場合、欠勤による減額があった月については、欠勤分の賃金支払基礎日数も減らして記載することになり、備考欄に「○日間欠勤」と記載します。

疾病により継続30日以上賃金支払がなかった場合

疾病により継続して30日以上賃金の支払いがなかった場合は、備考欄に賃金支払がなかった期間及びその日数、ならびに原因となった疾病名などを記載します。

休業手当の支払があった場合

事業主の都合で休業が発生し休業手当が支払われた場合、該当する期間の行の備考欄に休業日数と休業手当の額を記載します。また、事業主が休業について雇用調整助成金の支給を受けている場合は、備考欄の余白部分に「雇調金」と助成金支給決定年月日を記載します。

「離職理由」欄の記載ごとに必要な添付書類とは?

離職理由によって、保険給付支給期間に影響がおよびます。そのため、離職理由について該当欄に記載するとともに、一定の書類の提出が必要となります。具体的には以下になります。

  • 事業所の倒産

    裁判所において倒産手続きの申し立てを受理したことを証明する書類など

  • 労働契約期間満了

    労働契約書、雇入通知書、契約更新の通知書など

  • 早期退職優遇制度、選択定年制等

    制度の内容がわかる資料

  • 移籍出向

    移籍出向の事実が確認できる資料

  • 解雇など

    解雇予告通知書、退職証明書、就業規則など

  • 労働者の判断によるもので職場における事情による退職

    労働条件がわかる労働契約書や給与明細書など

  • 労働者の判断によるもので労働者の個人的な事情による都合

    退職願など、その内容が確認できる資料

  • いずれにも該当しない場合

    いずれにも退職理由が該当しない場合は、退職理由が確認できる資料

まとめ

労働者が退職や定年後、次の職場を探すときなどに生活するうえで必要な生活費を補償するのが雇用保険給付の主たる目的です。

また、賃金額や退職理由などで給付額や期間が決定されることになるため、事業者側の間違った記載によって労働者が不利益を受けるおそれもあります。そのため、事業者側は間違いのないようきちんと記載し、定められた期間にハローワークへ提出する必要があります。

社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー

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