この記事でわかること
- 雇用保険被保険者資格喪失届を提出する必要性について
- 記入事項や提出期限について
- 退職以外での提出が必要な状況
雇用している従業員が退職、または死亡した場合、雇用保険の被保険者資格を失います。そのため、対象となる従業員が発生した場合、事業主は速やかに雇用保険被保険者資格喪失届を提出します。
また、2020年4月から雇用保険被保険者資格喪失届の提出は、特定の法人を対象に電子申請が義務化されました。
雇用保険被保険者資格喪失届や、雇用保険被保険者離職証明書との違いに加え、添付書類、書類作成・提出の際の注意点を解説します。
この記事でわかること
日本大学卒業後、医療用医薬品メーカーにて営業(MR)を担当。 その後人事・労務コンサルタント会社を経て食品メーカーにて労務担当者として勤務。
目次
雇用保険被保険者資格喪失届とは、退職から基本手当を受給するまでに必要な書類です。書類上の雇用保険の被保険者が事業所を「退職したこと」を届け出るために提出します。
雇用保険被保険者資格喪失届は、雇用保険の被保険者が退職する際に必ず会社が作成してハローワークに提出しなければなりません。
雇用保険の適用事業所に雇用された従業員は、正社員・契約社員・パート・アルバイト等の雇用形態に関わらず、一定の条件を満たせば、雇用保険の被保険者となります。
そのため、退職となった日の翌日から雇用保険被保険者資格を喪失することとなり、事業主は雇用保険に関する手続きを早急におこないます。
雇用保険被保険者離職証明書とは、雇用保険加入者である従業員が退職した場合、事業者がハローワークに提出する書類です。
退職が決まった従業員が失業給付の手続きに必要な離職票を請求できるようにするため、事業者が作成します。そのほかに、基本手当の日額などを決定する上で必要な在職時の賃金額の証明に使用されます。
一般的に、雇用保険被保険者離職証明書は、退職者が離職票の交付を希望する場合には、交付しますが、59歳以上の退職者には、本人の希望に関わらず、用意する必要があります。
雇用保険被保険者離職証明書は、退職者が雇用保険の基本手当を受給するために必要となる大切な書類です。
提出期限に間に合わなかった場合、退職者に不利益な状況が生じる場合もあります。雇用保険被保険者資格喪失届に離職票の交付有無を記載する項目がありますので、必ず確認しましょう。
雇用保険被保険者資格喪失届には提出期限があります。
従業員が退職し、雇用保険の被保険者でなくなった日の翌日から数えて10日以内
事業所の所在地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)に提出
雇用保険の基本手当を受給するために離職票交付を希望する労働者には、雇用保険被保険者離職証明書と一緒に雇用保険被保険者資格喪失届を提出します。
従業員の退職以外でも雇用保険被保険者資格喪失届の提出が必要となる場合があります。
2020年4月より特定の法人を対象に社会保険・労働保険に関する一部の手続きの電子申請が義務化されています。
雇用保険被保険者資格喪失届も電子申請義務化の対象です。
電子申請をおこなうためには、電子証明書の取得やパーソナライズへの登録、必要添付資料の準備に加え、e-Govによる電子申請への理解、または外部APIソフトウェアの導入が必要です。
雇用保険被保険者資格喪失届は退職手続きにおける必ずおこなうべき手続きです。提出期限を遵守し、正しく手続きをおこないましょう。
雇用保険被保険者資格喪失届のポイント