この記事でわかること・結論
- 扶養とは、独自で生計に立てられない家族などの代わりに加入し経済的な支援ができる制度
- 社会保険には扶養制度が存在するが国民健康保険には扶養という概念がない
- 世帯内など家族に国民健康保険の被保険者がいるのであれば、保険料は世帯主が納付する
この記事でわかること・結論
社会保険料や所得税などについて、家族の扶養に入っている方であれば負担が免除されます。
ですがパートタイムやアルバイトで一定収入があり、国民健康保険に加入している方などは社会保険同様に扶養として入れるのでしょうか。
本記事では国民健康保険の扶養について基本的な内容および、社会保険から国民健康保険に切り替えする流れなどを解説します。
目次
「学生や主婦などが大黒柱である世帯主の扶養に入る」という家庭も多く、扶養という言葉は聞きなじみがあるのではないでしょうか。扶養に入ることで収入の少ない方は、自身の保険料や税金負担を軽減することができます。
社会保険ではこの扶養制度を利用できますが、国民健康保険では適用されるのでしょうか?まずは扶養の基本からおさらいしていきましょう。
扶養制度とは、収入が少ないため自身では生計の立てられない家族や親族をサポートする仕組みのことであり、扶養する側を扶養者・支援される側を被扶養者と言います。
たとえばアルバイトをしている高校生や大学生の子供が父親の扶養に入ることで、子供自身の所得税を免除するというケースや、パートタイムの妻が社会保険への加入をせずに、夫の扶養内で働くなどのケースがあります。
社会保険の被保険者は、家族・親族を何人扶養しても保険料が変わることはありません。対して被扶養者は保険料を支払わずして、たとえば医療費など各種サービスを受けることができます。
ただし、被扶養者は「103万の壁」「106万の壁」といった年収に応じて自身の税金や保険料負担が必要になるため、社会保険の扶養条件などよく覚えておきましょう。
社会保険では扶養制度が存在しますが、実は国民健康保険には扶養という考えがそもそもありません。
家族や親族を加入させることのできる社会保険とは異なり、国民健康保険には扶養というものがありません。そのため、国民健康保険では被保険者それぞれ一人ずつの保険料負担が発生します。
社会保険では世帯主分の保険料で、家族全員が被保険者となり各種サービスを受けることができましたが、国民健康保険では被保険者分の保険料負担が増えます。
また、世帯主が会社勤めで社会保険の健康保険に加入しており、家族が国民健康保険に加入している世帯のことを「擬制世帯」と呼びます。その場合は、世帯主(擬制世帯主と呼びます)が家族分の国民健康保険料を納付する義務があります。
上記のような例では、国民健康保険における被保険者分の保険料は世帯主名義として納付書が届くためしっかりと把握しておきましょう。
また、国民健康保険については運営が各自治体であるため、保険料や各種制度の詳細などはお住まいの市区町村の公式Webサイトなどを確認してみましょう。
国民健康保険と社会保険の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
これまで社会保険の扶養内であった方も、年収や労働時間などに応じて社会保険の扶養から外れなければならないタイミングがあると思います。その場合は国民健康保険に切り替えて加入する必要があります。
ここでは社会保険の扶養から外れて、国民健康保険に切り替えする際の手続きや流れを解説します。
国民健康保険に加入する
一般的な手続き・流れ
健康保険の被扶養者でなくなった日などを証する書類については各地年金事務所で発行してもらえます。その後実際に国民健康保険に加入する手続きについては、お住まいの市区町村における役所にておこないます。
国民健康保険に加入する際は、社会保険の扶養から外れて「14日以内」におこなわなければなりません。これは国民健康保険法施行規則第2条に明記されています。
14日以内に届出などを提出しない場合、その間にかかった医療費などが全額自己負担になります。また、後から国民健康保険に加入したとしても扶養喪失日からさかのぼって保険料を納付します。
国民健康保険には、社会保険のように扶養というものはありません。そのため世帯主の社会保険扶養に入っている方が、自分で国民健康保険に加入しなければならなくなった際は保険料が別途発生します。
世帯主が健康保険のままである場合は、被扶養者であった方の国民健康保険料について世帯主宛に納付書などが届くため覚えておくと混乱せずに済みます。
パートタイム・アルバイトなどで社会保険の扶養内でいたいという方は、年収や労働時間などで扶養から外れないように注意が必要です。逆に収入的にも自身で国民健康保険に加入するという場合は、年金事務所や役所に出向いて手続きをしましょう。
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