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年末調整を間違えたらどうなる?訂正方法やトラブル回避のポイントについてわかりやすく解説

年末調整の訂正方法を解説!訂正は必要?間違えたらどうなる?

監修者:労務SEARCH 編集部
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年末調整業務は複雑で手間のかかる業務であり、かつ1年に1回の業務であるため、計算中・計算後にミスの発生や不備が発見されやすい業務でもあります。

ミスが発生すると手続きがさらに複雑となり、業務効率も下がってしまうため、できる限りミスが発生しないように、あるいは、早期にミスを発見できるように作業をおこなうことが大切です。

年末調整で訂正が必要となるケースやミスによるトラブル回避のポイントについて解説します。

年末調整を間違えた場合に訂正が必要なケースとは

年末調整の訂正が必要なケースとは

年末調整はすべての業務を管理者(年末調整担当者)がおこなうわけではなく、従業員各自で必要書類を用意してもらう必要があるため、管理が大変でミスも発生しやすくなります。
年末調整業務において、訂正が必要となるケースはさまざまですが、主なケースについて紹介します。

従業員本人や配偶者の年収に変更があった場合

世帯主の所得税が軽減される「配偶者(特別)控除」は、2020年以降、納税者(従業員)本人と配偶者の所得金額によって変動する形式に変更されました。

年末調整申告時は見込み収入額を申請しますが、確定した収入額が見込額と大きく異なる場合、年末調整の訂正が必要となる場合があります。

扶養親族の人数に変更があった場合

年末調整申請後、「結婚、離婚、再婚、出産」などにより扶養親族の数に変更があった場合、年末調整(扶養控除や配偶者控除)の訂正が必要です。

従業員が年末調整の書類を提出・申請する時期は12月上旬〜中旬であることが多く、年末調整の基準日は12月31日であるため、この期間内に変更が生じることは十分にありえます。

16歳未満の子供は「扶養控除の対象外」ですが、夫婦それぞれの年収によっては、新生児も「所得金額調整控除」の対象となり、翌年の住民税に関係するため、新生児の情報も年末調整では必要です。

保険料控除などを修正する場合

年末調整(保険料控除申告書)では、「生命保険料控除」や「地震保険料控除」など各種対象保険料の申告が必要です。
保険料を記載し忘れた場合や提出時に保険会社からのハガキなどが見当たらず、申請額が後から判明した場合などは訂正が必要となります。

年末調整の訂正方法

年末調整の訂正方法

年末調整で訂正が必要となった場合、源泉徴収票の発行前と発行後では対応が異なります。

源泉徴収票発行前

源泉徴収票の発行および提出は、「翌年1月31日」が期限とされているため、年末調整の訂正は期限内(源泉徴収票発行前)であれば、社内で訂正可能です。

【訂正方法】

  • 控除額などの計算ミスの場合、該当箇所に二重線を引き、正しい金額を記載する
  • 扶養親族の変更などは従業員から正しい情報を聞き取り、必要に応じて添付書類を依頼し、回収する
  • 添付書類などで確認が取れたら、正しい情報を記載する

源泉徴収票発行後

翌年1月31日を過ぎた場合(翌年2月1日以降)あるいは源泉徴収票を既に発行した場合は、社内で年末調整の訂正をおこなえません。

【訂正方法】

  • 従業員が各自、確定申告をおこない、修正・再申請する

年末調整の訂正に訂正印は必要?

年末調整書類の訂正には修正液の使用が認められておらず、二重線を引いて対応します。
書類の「押印」について、2021年4月1日以降、税務関係書類における「押印義務」の見直しがなされました。
訂正印には、現在、法的な定めがありません。
しかし、「押印の有無によって効力に影響が生じるものではない」ため、あらかじめ押しておいた方が、後から指摘され手間がかかるリスクが避けられます。

過年度の年末調整の訂正が必要なときの対応

過年度の年末調整の誤りが発覚した場合も、年末調整の訂正をおこないます。過年度の年末調整を訂正した場合、以下の2パターンに分けられるでしょう。

追加徴収の場合は会社が税務署に従業員の不足税額を支払うため、追加徴収分を従業員へ請求します。

一方、支払った税額が多かった場合、従業員が自分で税務署に還付請求をしてもらわなければなりません。

年末調整を間違えたらどうなる?

年末調整を間違えたらどうなる?

年末調整でミスが発生した場合や間違えて申告した場合、「どのようなトラブルが起きるか」想定トラブルについて解説します。

延滞税や加算税が科される

年末調整の計算を誤り、本来納付すべき税額が算出されず、法定納期限までに納付されなかった場合、延滞税や加算税が科される場合があります。
納税漏れは従業員にとって余計な負担となるため、ミスのないように管理しましょう。

年末調整の再手続きによる作業量増加

年末調整においてミスが発生し、再度修正・確認や、申請手続きをおこなうことは、担当者の負担となり、作業工数が増加します。
作業工数の増加は人件費が増えるだけでなく、業務効率を下げてしまうため、できる限り負担が少なく済むように早期にミスを発見・対処できる体制を整えておきましょう。

年末調整でミスをしないためには

年末調整でミスをしないためには

年末調整は従業員の協力が必要な作業であるため、ミスなく完璧にこなすことが難しい作業です。しかし、さまざまなリスクを回避するためにも年末調整はポイントをおさえて作業をおこないましょう。

ダブルチェックの徹底

年末調整担当者が少人数の場合や「チェックする人」を設けていない場合、ミスを見逃してしまう可能性が高まります。「ダブルチェック」を徹底し、計算・記載ミスを見落とさないようにしましょう。

従業員の理解を深める

年末調整は従業員が各自で申請書類を記載し、保険料の証明書などの必要書類を揃える必要があります。
そのため、「提出書類の期限の遵守」はもちろんのこと、申請書類を回収した段階でミスや不備がないようにあらかじめ、従業員の「年末調整に関する理解」を深めておくことが大切です。
年末調整書類は複雑なため、日頃、書類に触れる機会がない従業員にとっては理解が難しい書類であることを忘れず、書類作成を依頼する際は、簡単な「書き方マニュアル」の添付や可能な限りで説明会を開くなど従業員の理解を深めるための工夫を心がけましょう。

年末調整システムの導入

年末調整業務は複雑で管理が大変なため、「年末調整に特化したシステム」を導入することも業務改善のひとつの方法です。
年末調整に特化したシステムを利用することで、申請書類の回収をPCでおこなえるほか、提出書類の収集や確認状況も一覧で管理しやすくなるなど、作業効率が大幅に改善され、ミスが発生するリスクも少なくなることが期待できます。
年末調整業務に負担を感じている場合は「年末調整システム」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

年末調整業務は複雑で手間がかかり、ミスが発生しやすい業務のひとつです。
また、納税額の算出にかかわる重要な業務であり、場合によっては「延滞税」が請求されてしまう場合もあるため、年末調整業務は細心の注意が必要です。
年末調整のミス・訂正が発生しないよう、システムを導入するなど、工夫して業務をおこないましょう。

監修者労務SEARCH 編集部

労務・人事・総務管理者の課題を解決するメディア「労務SEARCH(サーチ)」の編集部です。労働保険(労災保険/雇用保険)、社会保険、人事労務管理、マイナンバーなど皆様へ価値ある情報を発信続けてまいります。
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