人事評価で注意すべきポイント
- 評価は公平に判断する
- フィードバックは必ずおこなう
- 「仕事ができる=評価がいい」という固定概念を捨てる
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人材・組織人事評価をおこなうと評価が「低いひと」と「高いひと」にわかれます。
それぞれどのように評価を伝えるべきか悩む方も多いでしょう。
評価が低いひとと高いひとでは対応を分け、評価対象者の業務環境や目標設定を考慮し客観的に評価する必要があります。
今回は人事評価が「低いひと」と「高いひと」へのフィードバック方法について、注意すべきポイントとともに解説します。
人事評価のフィードバック方法がわからず悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
人事評価で注意すべきポイントとして、以下の3つが挙げられます。
人事評価で注意すべきポイント
上記のポイントを参考に、適切な人事評価をおこないましょう。
人事評価は公平に判断しましょう。
人事評価はひとが評価するため主観的な考えが入りやすいですが、客観的な事実に基づいて評価することが重要です。
人事評価の際は、特に以下の点に注意した方が良いでしょう。
上司が部下を評価する場合、先入観に評価が引っ張られがちです。
上記のような主観的な考えが評価に入りやすいことを認識し、日頃から客観的な視点をもって部下を観察した方が良いでしょう。
評価後は必ずフィードバックをおこないましょう。
人事評価表を渡しただけでは評価結果は伝えられても、結果に至った理由などは伝えられません。
特に評価が低いケースでは評価結果だけ伝えられても納得がいかず、部下から上司に対する印象を損ね、信頼関係が崩れてしまいます。
フィードバックの機会を設けることで、評価結果とその理由を理解でき、今後の業務に対するモチベーションを維持できるでしょう。
直接コミュニケーションを重ね信頼関係を構築することで、業務の連携もスムーズにいき、生産性向上にも繋がります。
人事評価では、「仕事ができるひと=評価がいい」という固定概念を捨てた方が良いでしょう。
たとえば、個人の成果がよくても、周囲とのコミュニケーションをあまり取らずチームの業務に貢献できていなければ、評価が低くなる傾向があります。
逆に目立った成果がなくても、チームのムードメーカーとして業務に貢献できれば、人事評価で高評価となるケースもあります。
「仕事ができる=評価がいい」というイメージでなく、客観的な事実をもとに人事評価をおこないましょう。
人事評価が「低いひと」と「高いひと」では、主に以下の能力に違いがあります。
人事評価が「低いひと」と「高いひと」の違い
人事評価が低いひとと高いひとでは「レスポンスの速さ」に違いがあります。
基本的に高評価を得るひとは、業務上のあらゆるレスポンスが速いです。
レスポンスが速いことで自身の仕事はもちろん、チームに関連する業務にも素早く取りかかることができ、期日よりも早く業務を終えられます。
周囲の評価も高くなり、レスポンスが速いひとは人事評価が高い傾向があります。
一方評価が低いひとは全体的にレスポンスが遅く、業務期日も守れない傾向です。
周囲からの信用を得られず、人事評価も低くなります。
コミュニケーション能力も人事評価の低いひとと高いひとの違いです。
高評価を得るひとは、普段から積極的にコミュニケーションを取ることで、周囲の状況を適切に把握しています。
そのため、業務上の判断も的確であり、結果として業務がスムーズに進められるでしょう。
低評価のひとは、一人だけで仕事を進め、コミュニケーションも積極的に取らない傾向があります。
一人だけで仕事を進めれば、物理的な業務負荷も増え仕事のミスに繋がり、人事評価も低くなるでしょう。
人事評価の低いひとと高いひとでは「自己アピール能力」に違いがあります。
人事評価で高評価を得るひとは、自分の能力を適切にアピールする力が高い傾向にあります。
こうした能力は業務上のコミュニケーションや営業の場面で強い力を発揮するため、結果として仕事でも高い成果を上げるケースが多いようです。
人事評価が低いひとは、自分の強みを適切にアピールすることが苦手な傾向があり、周囲から誤解され低く評価されることがあります。
改善能力にも違いがあります。
評価が高いひとは、失敗を前向きに捉えてすぐさま改善行動にうつる傾向があります。
次々と行動できるため、結果としてチャンスが増え、業務上の成果も高くなりやすいです。
一方人事評価が低いひとは、失敗後に悩み次の行動になかなか踏み出せない傾向にあります。
そのため、活動量が少なくなりがちで、結果として業務上の成果も低くなりやすいです。
人事評価が低いひとへ評価・フィードバックする際は、以下の点に気をつけましょう。
人事評価が低いひとへの評価・フィードバック方法
人事評価が低いひとへフィードバックする際は、外部環境の影響を考慮しましょう。
外部環境によっては、目標達成難易度が非常に高くなる可能性があるからです。
たとえば、売上の大きい顧客が不祥事を起こし、売上が減少し目標に届かないケースが挙げられます。
この結果をそのまま人事評価に反映してしまうと、従業員の能力・スキルに見合わない人事評価となってしまうでしょう。
外部環境を考慮するためにプロセスを評価する制度などを活用し、実績だけの評価とならないように注意しましょう。
目標設定が公平か確認することも大切です。
特に目標達成率を評価項目としている場合、一律で同じ目標を設定すると、同じように努力しても社員間で達成率に差が出てきます。
カバーする業務範囲などで目標達成の難易度も変わってくるため、目標設定は個々の状況に合わせて公平に設定することがポイントです。
公平な目標が設定できていない場合、人事評価に対する納得を得られず、社員のモチベーション低下に繋がります。
社員間で細かく目標を調整し、フィードバックは社員の業務環境に配慮したうえでおこないましょう。
フィードバック時にはモチベーションが下がらないよう配慮することも大切です。
人事評価が低いからといって、社員が努力していないわけではありません。
評価結果を伝える際に「全然目標に到達していない。ダメではないか。」など部下の努力を否定してしまうと、モチベーションを下げ生産性の低下や離職に繋がってしまいます。
モチベーションを下げないよう、フィードバック時には以下の点を意識しましょう。
人事評価が低くても、その後の行動次第で課題を改善し、成果を上げられる人材へと変わる可能性もあります。
評価結果をフィードバックする際は、根拠を添えて伝えましょう。
特に人事評価が低い場合、根拠もなく評価結果を伝えられると部下が納得せず、互いの信頼関係が損なわれてしまいます。
人事評価が低くなった要因を数値的根拠を用いて、具体的に伝えましょう。
「売上目標に対して80%の達成率だったため、〜の評価となった」など客観的な根拠を伝えると、なにが悪かったかが明確となり、部下が評価結果に納得できます。
人事評価が高いひとへ評価・フィードバックする際、以下3点を意識しましょう。
人事評価が高いひとへのフィードバック方法
まず主観的に評価していないかチェックしましょう。
特に普段から人事評価が高いひとに対しては、イメージが先行しやすく客観的な事実を考慮せず高い評価をつけがちです。
特定のひとにのみ高評価が与えられると、他の社員から不満が募り社内全体に悪影響をおよぼします。
人事評価に主観が反映されないよう、客観的な評価項目を設定する必要があります。
「仕事ができる=高評価」にならないよう気をつけましょう。
人事評価は個人の業務成果だけでなくチーム全体など多角的な視点から評価する必要があります。
そのため、「仕事ができる」という観点のみで人事評価を下してしまうと、公平な評価とはいえません。
「仕事ができる=高評価」という先入観は捨てて、客観的な事実をベースに評価をおこないましょう。
人事評価が高いひとには、より業績を高められる要素をフィードバックで伝えることが大切です。
人事評価が高いひとに対し「おめでとう」と一言だけで終わらせては、今後の成長を鈍化させる恐れがあります。
「〇〇の部分を改善すると、より高い評価を得られる」など課題や改善点を伝え、今後の方向性を示すことで、積極的な行動を継続させられるでしょう。
ただし、過度な期待はプレッシャーとなるため、熱心にアドバイスしすぎないよう注意しましょう。
人事評価が「低いひと」と「高いひと」では、結果に対する受け止め方も異なり、それぞれに適切な評価・フィードバックをおこなう必要があります。
特に人事評価は主観が入りやすく、客観的な事実をベースにおこなうことが大切です。
今回の内容を参考に、人事評価が「低いひと」「高いひと」の双方が納得できる評価をおこないましょう。
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