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ホワイト企業とブラック企業の違いとは?見分けるポイントは労務管理!

この記事でわかること・結論

  • ブラック企業は労働条件が過酷で離職率が高いが、ホワイト企業は福利厚生が整備され、残業時間が制限されている
  • ホワイト企業は労働者のやる気を引き出し、生産性を高める労務管理を重視している
  • ブラック企業の労務管理の不備は社会的信用を失い、企業の成長を阻害する可能性がある

昨今なにかと騒がれがちなブラック企業は、労務管理がきちんとされていないように見受けられることが多いようです。それに対し、ホワイト企業と呼ばれる優良企業は、労務管理がしっかりしているイメージがあります。そもそもホワイト企業とはどんな会社か、ブラック企業と比較し、労務管理がしっかりされている理由、従業員を大切にしている理由を説明します。

ブラック企業、ホワイト企業とはどんな会社か?

一般的に、ブラック企業で働く社員は過酷な残業を課せられ、休日も返上して終わりの見えない仕事をこなし続けているイメージがあります。福利厚生などの待遇も粗悪で離職率が高く、年中求人を実施しているような企業はブラックの疑いが強まり、それらの情報はインターネットを通じて収集することも可能です。

一方、ホワイト企業と呼ばれる会社は福利厚生について、充実・整備された制度を入社時から適用させています。残業時間についても法令、ひいては社員の健康障害に配慮し、それぞれの範疇を超えないように制限を設けています。

過重労働の一因ともいえるノルマを排除し、心身両面の健全性を図るとともに、社員が自発的に業務責任を果たしていく職場環境を創出しています。ビジネス誌で有名な東洋経済は「新入社員に優しいホワイト企業トップ500」という統計記事を掲載、2012年4月に入社した新入社員の2015年同月における在籍数、及びその割合をランキング形式で発表しています。

ホワイト企業が行っている労務管理の特徴とは?

ブラック企業の就業実態がメディアで取り上げられ、それにつれて労務管理という言葉に出会う機会も増えました。しかし一般には労務管理を正しく理解している方は多くないようです。一般社団法人 日本人材育成協会によると、労務管理とは「労働者・人材の有効活用」とされています。(参考:http://jinzai.org/roumu.html

具体的には、「生産性を上げる事、利益を上げる事、商品を開発し社会に還元する事等、企業としての目標を達成するために、労働者にやる気を出して働いてもらうことを目的とした人材の活用」という記述があります。

ここには重要な点が2つあります。1つは「企業としての目標を達成する」、もう1つは「労働者にやる気を出して働いてもらう」という点です。ホワイト企業と呼ばれる会社は、この2点の分岐点を見定めることに注力しています。

企業である以上、利益を追及するのは当然です。しかし利益を生み出すには人の力が不可欠です。つまり、人の力がハイパフォーマンスで発揮されるような努力をしていることが、ホワイト企業の行っている労務管理の特徴といえるでしょう。

ブラック企業の労務管理にはどのようなリスクがある?

前項で触れた通り、ホワイト企業の労務管理は「企業としての目標を達成する」ことと「労働者にやる気を出して働いてもらう」ことの両立に努力を払っています。それに対し、ブラック企業と呼ばれる会社は、両者のバランスを著しく欠いている状態であるといえます。

特に、企業としての目標、つまり利益を上げることに傾倒し、社員の心身を健全に保つことに重要性を見出していないケースが多くみられます。昨今は厚生労働省が主体となり、ブラック企業の実態調査が始まりました。

そのため、一般企業においては極端なブラック体質の企業は減少傾向にありますが、専門分野における業種では過重労働を始めとした問題が未だ根強く残っています。このようなブラック企業では多くの場合、労務管理そのものが正常に機能していません。

しかし社会の実態として、労務管理の甘さに依る事故がメディアで報道され続けています。それは結果的に社会的信用を失い、本来の目的であった「利益を上げる」という企業の大原則をも損ないかねません。

労務管理がホワイト企業への第一歩

労務管理の重要性は、企業存続の大原則となる利益追求を根幹で支える社員に、より高い生産性を発揮させる点にあります。しかし、これを生産量で追求すれば必然的に社員の労働時間が増加し、予期せぬ事故につながりかねません。

法令や社員の心身に配慮した労務管理を導入することで社員のモチベーションを向上させ、質量が伴った生産性を実現させる必要があります。社会を取り巻く経済状況は移り変わりが激しく、そのスピードも益々高まっています。

そのような時代背景の中、利益追求と労働環境向上の分岐点を見極めるのは非常に難しい問題でもあります。しかし長期的に見ると、社員に適切な労働環境を与えることは企業の成長という目標に対して非常に重要であることが分かります。

社員は優れた労働環境により、その能力を高い次元で発揮することができます。それによって社員の定着率が高まり、社会の信用をより多く獲得できるのです。

まとめ

労務管理をしっかり行う企業は、長期的な視点に立って経営を行っています。労働者側が働きやすい環境を整えることで、企業へのロイヤリティが高まり、結果的に企業側のメリットにもつながっているのです。

労務管理が徹底される会社ほど、経営が安定し優秀な人材を多く輩出しているといってもよいでしょう。転職活動をする際に、労務管理の観点をひとつの判断軸にしてみてはいかがでしょうか?

社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー
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