この記事でわかること・結論
- 年末調整の過不足分の精算方法の種類
- 年末調整で過不足額があった場合における対応
- 過不足額が生じるケース
この記事でわかること・結論
給与の支払者である企業は源泉徴収をした従業員に対して、年末調整で算出された1年間に納めるべき所得税に過不足額があった場合、精算をおこなう必要があります。
年末調整の過不足精算においては、従業員の個別の状況によって年末調整に過不足が生じるケースが異なります。また、原則として年末調整をおこなう月に処理する必要があります。
この記事では、年末調整の過不足計算を解説。不足額は徴収方法や過納額の還付方法などまとめています。
目次
年末調整の過不足分の精算には、まずは下記の計算が必要となります。
源泉徴収税額と年調年税額の比較結果によって、年末調整の過不足分が導き出されます。
年末調整による過不足の精算方法には、次の2つの方法があります。
年末調整の過不足額は、源泉徴収簿の「差引超過額又は不足額」欄に超過額か不足額かを表示したうえ、記入します。
過不足税額の精算時期は原則として年末調整をおこなう12月に処理しますが、難しい場合は1月以降に繰り越すことが可能です。
源泉徴収税額の合計額が年調年税額よりも少ないときは、その差額だけ納め足りないことになります。その差額(不足額)は、不足となった従業員から徴収します。なお、追加徴収した内容は源泉徴収簿の該当欄に記入します。
年末調整をおこなう月分の給与から不足額を徴収することで、その月の税引手取給与が、本年1月から年末調整をおこなった月の前月までの手取り給与(税抜)の平均月額の70%未満になる従業員については、申請書を所轄税務署長に提出をして承認を受けると、不足額を翌年1月と2月に繰り延べて徴収することができます。
不足額徴収繰延承認申請書を使用します。
年末調整で不足額が発生する要因には、次のケースが考えられます。
源泉徴収税額の合計額が年調年税額よりも多いときは、その差額分だけ納めすぎていたことになります。その差額(過納額)は、過納となった従業員に還付します。なお、還付した内容は源泉徴収簿の該当欄に記入します。
年末調整の過納額(超過額)は、次のようなケースで発生します。
年末調整で過不足計算をおこなう際、以下のようなトラブルが想定されます。
よくあるトラブル
対処方法
このようなトラブルにも対処できるよう、事前に上記のような対応策を検討しておきましょう。
年末調整はパート・アルバイトも対象です。忘れず手続きしましょう。
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