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バックオフィス職の61%が転職を検討!160名調査で判明したキャリアの閉塞感とリスキリングの本音

監修者:労務SEARCH 編集部
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バックオフィス職160名を対象に2026年5月に実施したアンケートで、「2026年に入ってから転職を考えたことがある」と回答した人が61.3%にのぼりました。

背景にあるのは給料への不満だけではありません。転職を検討している層が最も強く感じているのは「スキルアップの機会がない・キャリアパスが見えない」(25.0%)という閉塞感であり、転職で最も重視する項目のトップは「仕事内容(やりがい・興味)」(35.6%)でした。

スキルアップへの意欲は高く76%以上が何らかの行動に踏み出している一方、「時間が確保できない」という壁が18.8%を阻んでいます。

本記事では、調査データが示すバックオフィス職のリアルな本音と、人事・経営層が今すぐ取り組めるキャリア支援策を解説します。

バックオフィス職の61%が転職を検討?2026年の最新実態

「安定志向」と見られがちなバックオフィス職ですが、2026年に入ってからの転職検討率は61.3%に達しました。6割超が揺れているという数字の裏側には、給料への不満だけでは説明できない構造的な課題が潜んでいます。

転職検討率61.3%で2人に1人以上が揺れている

「2026年に入ってから転職を考えたことがありますか?」という問いに対し、「ある」と回答したのは98名・61.3%、「ない」は62名・38.8%でした。「今年に入ってから」という直近の時間軸での問いにもかかわらず6割超という数字は、「いつ辞表が来てもおかしくない」状態が組織の多数派になっている可能性を示しています。

当メディアが実施した管理職「罰ゲーム化」調査でも昇進に対する閉塞感や将来への不透明感が広がっていることが明らかになっており、バックオフィス職を含む会社員全体のキャリア意識が変化していることがうかがえます。まず自社のバックオフィス職の実態を把握するために、定期的な満足度調査や面談の機会を設けているかどうかを確認することが急務です。

不満1位は「待遇面」、でも転職を動かすのはキャリアパス

「バックオフィス職として働く中で、不安・不満を感じることは何ですか?」という問いに対し、1位は「年収や福利厚生など待遇面」(26.9%)、2位は「スキルアップの機会がない・キャリアパスが見えない」(25.0%)でした。この2項目はわずか1.9ポイント差で、ほぼ僅差といえます。

3位以降は「AIやツールの進化で将来仕事がなくなるのではないか」(13.8%)、「職場の人間関係が悪い」(13.1%)、「社風が合わない」(11.2%)と続き、「特に不安・不満はない」は10.0%にとどまりました。

表面上は待遇への不満が最多ですが、キャリアパスへの閉塞感もほぼ同水準で根深く存在しています。「給与を上げれば離職を防げる」という思い込みを、この結果は一度崩してくれます。バックオフィス職は異動機会が限られがちで、昇進・成長の道筋が見えにくい構造的な課題があります。エンゲージメントサーベイなどを活用して現状を定期的に可視化し、不満が蓄積する前に手を打つことが定着の鍵となります。

転職で本当に求めているものは何か

不満のトップが「待遇面」であるにもかかわらず、転職で実際に求めているものを聞くと意外な結果が浮かび上がります。さらに転職先として興味のある職種を見ると、日々感じているAIへの不安との接点が見えてきます。

1位は「やりがい・仕事内容」お金より意味を求めていた

「転職を検討する際、もっとも重視する項目は何ですか?」という問いに対し、1位は「仕事内容(やりがい・興味)」で35.6%でした。2位の「年収・福利厚生」(32.5%)を3.1ポイント上回り、3位以降は「ワークライフバランス(残業時間・休日)」18.1%、「職場の人間関係」10.6%、「社風・その他」3.1%と続きました。

Q3の不満1位が「待遇面」だったことを思い返すと、このギャップは注目に値します。お金のために今の職場を我慢しながら、本当はもっと意味のある仕事をしたい。そんなバックオフィス職のリアルな内面が浮かび上がります。

バックオフィス職は「縁の下の力持ち」として評価されにくく、自分の仕事が会社や社会にどう貢献しているかが見えにくい構造があります。業務の意義を伝える機会や、成長実感を得られるキャリア設計が、定着率向上の核心となります。

転職先として1位はIT系!AI不安が「学びたい」に変わっている

「バックオフィス職以外なら、どのような職種に興味がありますか?(複数回答可)」という問いでは、IT系が31.9%で1位でした。2位のクリエイティブ系(28.1%)、3位の総合職・営業など(27.5%)、4位の専門職系・士業など(24.4%)、5位のサービス・販売系(20.6%)、6位の医療・介護系(8.8%)を引き離す結果です。

Q3で「AIやツールの進化で将来仕事がなくなるのではないか」という不安を感じている人が13.8%いたことと合わせると、IT系への高い関心は「不安だからこそ自分もデジタルスキルを身につけたい」という前向きな意識の裏返しとして読み取れます。AI時代におけるバックオフィスの新たな役割が注目される中、この意欲を社外への転職ではなく社内での成長に向けられるかどうかが、企業側に問われています。

スキルアップの現実「やりたいけどできない」が2割

転職意向が高く、IT系への関心も強いバックオフィス職ですが、実際のスキルアップへの取り組み状況はどうでしょうか。ポジティブな実態と、その背後に潜む「時間がない」という壁を両面から見ていきます。

資格取得・スキル学習・情報収集は3人に2人以上が行動中

「現在、スキルアップや資格取得に取り組んでいますか?」という問いに対し、「資格取得に取り組んでいる」(27.5%)・「オンライン講座やセミナーで新しいスキルを学んでいる」(26.2%)・「興味は持っており情報収集をしている」(23.1%)の合計で76.8%が何らかの形でスキルアップに関わっていることが判明しました。「特に必要性を感じていない」はわずか4.4%にとどまり、当事者意識の高さが際立ちます。

この数字は、バックオフィス職が受け身の職種ではないことを示しています。AIの台頭や業務自動化の波を肌で感じながら、自分自身をアップデートしようとする意識が確実に根付いています。当メディアが実施したリスキリングとAI活用に関する調査でも、会社員の学び直しへの意欲は高い水準にあることが確認されており、今回の結果と方向性が一致しています。

「やる気はあるのに時間がない」個人の努力だけでは限界がある

一方で、「必要性は感じているが、取り組む時間が確保できない」という回答が18.8%に達しています。やる気はある、でも時間がないといった「構造的な詰まり」が多くの読者にとって共感しやすいリアルな課題ではないでしょうか。個人の自助努力に委ねるだけでは、この壁は越えられません。業務量の多さや、スキルアップを後回しにせざるを得ない職場環境そのものが問題の根本にあり、次のセクションで企業・人事が今すぐできる具体的な対応策を提言します。

調査結果が示すキャリア支援の3つの処方箋

調査結果が示すキャリア支援の3つの処方箋

Q3のキャリアパスへの閉塞感、Q6の「時間がない」という現実。この2つのデータが、企業側に求められる対応を明確に示しています。調査結果を根拠に、人事担当者が社内を説得する材料にもなる3つの施策を提言します。

①キャリアパスの見える化、年1回の面談から「対話の習慣」へ

転職検討あり層の不満上位が「キャリアパスが見えない」(25.0%)である以上、最も直接的な処方箋はキャリア面談の定期実施です。日常の1on1は業務進捗や評価が中心になりがちですが、キャリア面談は「5年後のビジョン」や「今の業務で得られているスキル」を純粋に対話する場です。

年1回の形式的な面談ではなく、半期ごとに「対話の習慣」として組み込むことが閉塞感の解消につながります。1on1で使える質問集を活用し、評価ではなくキャリアを話す場として設計することで、より本音が引き出しやすくなります。

②学ぶ時間は「自分で作る」から「会社が作る」へ

「必要性は感じているが時間が確保できない」という回答が18.8%を占めていました。この問題は個人の意欲の問題ではなく、業務設計の問題です。

月1回の「ラーニングデー(学習専用の半日)」の設定、資格取得に対する受験費用・合格報奨の補助、業務時間内での研修参加を認める制度など、時間と費用の両面から学びを支援する仕組みが求められます。人材開発支援助成金やDXリスキリング助成金など、コストを抑えて導入できる公的支援も整備されています。

③AI不安をリスキリングの入口に変える社内施策

Q5でIT系への関心が31.9%でトップとなったことは、AI不安が「学びへの動機」に転換されているサインです。この意欲を活かし、社内でのAIリテラシー研修や生成AIツールの業務解放を積極的に推進することで、不安をエンゲージメントに変えることができます。リスキリングを「個人の学び直し」ではなく「組織的な人材投資」として位置づけることで、採用・定着の両面で「学べる会社」というブランド構築にもつながります。

バックオフィス職が「選ばれる職場」になるために

調査が示すのは、バックオフィス職が「辞めたい」のではなく「育ちたいのに育てられていない」という実態です。このセクションでは、データをもとに人事・経営層が持つべき視座を整理します。

待遇改善だけでは離職は止まらない理由

Q3で待遇面(26.9%)とキャリアパスへの閉塞感(25.0%)がほぼ並び、Q4で転職時の重視項目トップが「やりがい・仕事内容」(35.6%)であることは、給与改善だけでは離職を防げないことをデータとして示しています。バックオフィス職は成果が数字に表れにくく、「自分の仕事が組織に貢献している」という実感が得られにくい構造を持っています。

「この会社にいれば成長できる」という見通しと「自分の仕事が意味を持っている」という確信の両方がなければ、待遇を改善しても転職検討率は下がりにくいといえます。キャリア支援は福利厚生の一項目ではなく、経営戦略として位置づける必要があります。

キャリア支援が採用・定着コストを下げる経営視点

バックオフィス職の採用にかかるコストは職種・活用サービスにより異なりますが、1名採用につき数十万〜100万円前後のコストがかかるケースも少なくありません。離職→採用→育成のサイクルが繰り返されることでコストは累積します。

一方、キャリア面談の定期実施や学習時間の確保は、比較的低コストで導入できる定着施策です。今回の調査で76.8%がスキルアップに積極的という結果が出ていることは、「支援があれば留まる可能性がある」ことを示しています。キャリア支援への投資は離職防止・採用コスト削減・組織力強化という3つの経営メリットに直結します。

バックオフィス職の転職に関するQ&A

人事・労務担当者からよく寄せられる疑問を3問まとめました。

Q1. バックオフィス職のリスキリングは何から始めればよいですか?

まず「何のために学ぶか」を明確にすることが出発点です。今回の調査ではIT系への関心が31.9%でトップでしたが、スキルと業務の接続が見えないまま学んでも定着しません。キャリア面談を通じて個人のキャリア目標を確認し、「自社の業務で活かせるスキル」を一緒に特定することが重要です。

企業側は人材開発支援助成金などの公的支援制度を活用しながら、受講費用・時間の両面を支援する環境整備をおこなうことをおすすめします。

Q2. 社内でキャリア面談を導入する際のポイントは?

3つのポイントを押さえることが重要です。まず「頻度」は四半期に1回を推奨します。年1回では変化に追いつけず、月1回では形骸化しやすいためです。次に「話す内容」は評価ではなくキャリアビジョンに絞ることです。日々の業務評価と混同されると本音が出にくくなります。

最後に「担当者」については、直属の上司だけでなく人事担当者が加わるかたちが有効です。上司には相談しにくい内容を人事が受け止める窓口になることで、潜在的な離職意向を早期に把握できます。

Q3. 転職を考えている社員へ、企業はどう向き合うべきですか?

転職を考えていること自体をネガティブに捉えないことが第一歩です。今回の調査では76.8%がスキルアップに取り組んでいるという結果も出ており、転職を考える層は成長意欲が高い人材でもあります。まずはキャリア面談でその意向をオープンに聞ける関係性を築き、「なぜ転職を考えているのか」を把握することが重要です。

その理由がキャリアパスや学びの機会に関するものであれば、社内で解決できる可能性があります。転職検討を「離職の予兆」ではなく「キャリア支援の出発点」として捉える組織文化が、長期的な定着につながります。

まとめ

今回の調査から得られた3つの発見を整理します。バックオフィス職の61.3%が2026年に入ってから転職を検討しており、転職を実際に動かしているのは「待遇」だけではなく「キャリアパスの閉塞感」(25.0%)であることが浮かび上がりました。

転職で最も求めているのは「やりがい・仕事内容」(35.6%)であり、給料への不満を抱えながらも意味のある仕事を渇望しているというギャップが、バックオフィス職の本音として鮮明になっています。そして76.8%がスキルアップに動いている一方、「時間がない」という壁が18.8%を阻んでおり、企業によるキャリア・リスキリング支援の余白がここに存在します。

一言で言うなら、「バックオフィス職は、やめたいのではなく、育ちたいのに育てていない」。キャリア支援は離職防止・採用コスト削減・組織力強化という3つの経営メリットに直結します。今回の数字を他社の話ではなく、自社のバックオフィス職の声として受け取っていただければ幸いです。

アンケート調査概要

調査名 バックオフィス職のキャリアとスキルアップ
に関するアンケート
調査対象 バックオフィス職に従事する160名
調査期間 2026年5月
調査方法 社内調査
監修者労務SEARCH 編集部

労務・人事・総務管理者の課題を解決するメディア「労務SEARCH(サーチ)」の編集部です。労働保険(労災保険/雇用保険)、社会保険、人事労務管理、マイナンバーなど皆様へ価値ある情報を発信続けてまいります。
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