この記事でわかること・結論
- 人事評価コンサルティングとは適切な人事制度構築を支援すること
- 企業の人事評価課題解決にメリットがあり、質を高めることが可能
- 選び方には、課題解決能力、実績・信頼性、費用対効果を重視
更新日:
人材・組織この記事でわかること・結論
企業において「人材育成」および「人事評価」は必要不可欠です。ほとんどの企業が人事評価制度を取り入れています。
しかし、人事評価は適切に実施されないと意味がなく、人事評価の仕方によってはかえって逆効果となりかねません。そのようななかで「人事評価コンサルティング」の活用は有効的な方法のひとつです。
本記事では、人事評価コンサルティングについて解説します。
目次
人事評価コンサルティングとは、企業における「人事評価制度の構築」や、人事評価が適切に機能するよう、支援するサービスです。
経営コンサルティングとの違いとして、経営コンサルティングは「経営戦略および経営計画」を主な軸とし、クライアントが企業競争で勝ち抜くための経営サポートを提供するサービスをいいます。
経営コンサルティングは、広意義での「経営戦略」のサポートが対象となり、場合によっては「人事」、「財務」、「IT」など、より細分化された領域での「経営コンサルティング」をおこなう場合もあります。
ほとんどの企業が導入している「人事評価制度」ですが、制度が適切に運用され、機能している企業は少ないことが現状です。
企業における人事評価制度の課題として、以下があげられます。
企業が抱える「人事評価の課題」として、人事評価制度は評価基準や評価方法の設定、実施に手間がかかり、明確な評価基準が定まらず、評価者の独断による評価のブレが生じてしまう場合があります。
また、曖昧で不公平な評価基準や、評価に対する待遇が得られないと、社員のモチベーションや意欲が低下し、企業の衰退を招きかねません。
人事評価における課題を解決するために、「人事評価コンサルティング」は有効的です。
人事評価コンサルティングのメリット・デメリットについて解説します。
人事評価コンサルティングの活用には、以下のメリットがあります。
「人事評価」についての知識やノウハウを豊富にもつ人事評価コンサルティングを利用することで、自社に最適な人事評価制度を効率よく作成でき、社員の作業負担も軽減できます。
また、自社の人事評価制度を見直す良い機会となり、プロによるアドバイスを取り入れ、人事評価制度の質を高められます。
人事評価コンサルティングの活用は、メリットがある一方、場合によっては以下のデメリットもあります。
人事評価コンサルティングを外部に依頼する場合、コンサルティング費用が発生します。
状況によって、想定していたよりも多くの費用が発生する可能性もあるため、人事評価コンサルティングの依頼時は、想定されるリスクを踏まえたうえで、見積もり、計画をおこないましょう。
また、人事評価コンサルティングはプロのスキルにより、効率的な人事評価制度を構築できますが、企業側が積極的に学ぶ姿勢をもたず、すべて任せきりの状態では自社のノウハウとして成長しにくいといえます。
プロのコンサルティングによる貴重な機会(ノウハウ)を自社に活かせるように、心がけることが大切です。
人事評価コンサルティングを最大限に有効活用するための、選び方・ポイントについて解説します。
人事評価コンサルティングを選ぶ際は、まず、自社の人事評価制度の課題や目標を洗い出しましょう。
課題や問題点を明確化することで、「どのようなサービスが必要であるのか」がはっきりとし、自社に最適なコンサルティングを選定しやすくなります。
数ある人事評価コンサルティングのなかから、効果が期待できるコンサルティングを選ぶためには、「実績やノウハウの豊富さ」もひとつの判断基準となります。
実績は「信頼性」を確かめるひとつの指標であるため、実績やサービス内容を確認し、自社の課題や問題点を、解決可能かどうかを判断します。
企業経営において、「コスト削減」は常につきまとう課題です。人事評価コンサルティングにおいても、なるべく費用をおさえたいと考える企業は多いでしょう。
しかし、必ずしも「安ければいい」というわけではなく、価格だけをみて判断してしまうと、満足できるサービスが得られないリスクがあります。
「費用に対し、納得できるサービスが受けられるか」、「自社の予算に相応しいか」などを軸に、最適な人事評価コンサルティングを選びましょう。
人事評価コンサルティングの導入方法(流れ)について解説します。
まず、自社における「人事評価制度の現状」把握をおこないましょう。
具体的には、「社員アンケート」などを実施し、人事評価制度に対する「不満や疑問」などの意見を把握します。
企業側は正しく実施できていると判断しても、実際に人事評価を受ける社員側の意見は異なる場合が多いため、できる限り「リアルな声」を集められるような工夫が必要です。
社内アンケートなどから得られた課題・問題点をもとに、どのような解決策が必要か、また、人事評価制度でどのような目標を達成すべきかを明確にします。
人事評価制度の現状の把握・分析結果をもとに、自社の人事評価制度のあるべき姿を決定します。
具体的には、「評価体系の設計」や「役割等級基準書の作成」、「報酬シミュレーション」、「昇格・賞与などの規定策定」などをおこないます。
人事評価制度における課題・問題点を洗い出し、具体的な制度設計をおこなったあとは、スケジュールを検討し、導入をおこないます。
具体的には「人事評価制度の規定やマニュアルの策定」などをおこない、リスクを軽減するため、「新人事評価制度導入にともなう人件費(経費)のシミュレーション」などを実施し、状況に応じて試験的・段階的に導入すると良いでしょう。
先述したように、人事評価コンサルティングは費用が発生します。人事評価コンサルティングの費用相場について解説します。
人事評価コンサルティングの費用は、明確な基準がないため、サービス内容やコンサルタントの実績、従業員規模などで変動します。費用の統計データは存在しませんが、一般的な目安として以下を参考にしてください。
従業員数30名未満稼働期間6カ月:60万円1カ月あたり10万円 | ||
---|---|---|
従業員数100名未満 | 稼働期間6カ月:120万円 | 1カ月あたり20万円 |
従業員数200名未満 | 稼働期間6カ月:180万円 | 1カ月あたり30万円 |
費用は、従業員数や稼働時間だけでなく、サービス内容などによっても変動するため、依頼する際は、いくつか相見積もりを取って検討すると良いでしょう。
また費用をおさえることを重視して、短期間だけ依頼するような行為も、効果が期待できず、かえって無駄な費用となるため避けてください。
人事評価制度は、社員の成長および企業の成長にかかせない要素のひとつです。
しかし、人事評価は適切に実施されないと意味がなく、間違った方法による人事評価はかえって、社員離れなど逆効果をもたらしかねません。
「人事評価コンサルティング」の活用で、人事評価制度を正しく機能させましょう。
労務・人事・総務管理者の課題を解決するメディア「労務SEARCH(サーチ)」の編集部です。労働保険(労災保険/雇用保険)、社会保険、人事労務管理、マイナンバーなど皆様へ価値ある情報を発信続けてまいります。
詳しいプロフィールはこちら