この記事でわかること・結論
- 給与改定通知書の役割や必要性
- 記載すべき内容やひな型の作成ポイント
- 昇給・降給時に注意したい労務管理上のポイント

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人事労務管理この記事でわかること・結論
給与改定通知書とは、従業員の給与額に変更があった際に、その内容を通知するための書類です。
昇給や降給、手当変更などがあった場合に発行されることが多く、従業員へ変更内容を正式に伝える役割があります。
法律上、給与改定通知書の発行自体が義務付けられているわけではありません。
しかし、賃金は重要な労働条件に該当するため、変更内容を書面で明示しておくことは、企業・従業員双方のトラブル防止につながります。
この記事では、給与改定通知書の必要性や記載項目、ひな型、作成時の注意点について解説します。
目次
給与改定通知書とは、従業員の給与額に変更があった際に、その内容を正式に通知するための書類です。
昇給や降給、役職変更に伴う給与変更、各種手当の追加・廃止など、給与条件に変更が生じた際に交付されます。企業によっては「賃金改定通知書」「給与変更通知書」「労働条件変更通知書」といった名称で運用されることもあります。
給与は従業員にとって重要な労働条件のひとつです。そのため、口頭のみで変更を伝えるのではなく、書面で明確に通知することで、後々の認識違いや労務トラブルを防止しやすくなります。
給与改定通知書と混同されやすい書類として「労働条件通知書」があります。どちらも従業員へ労働条件を伝える書類ですが、目的や利用するタイミングが異なります。
労働条件通知書は、主に従業員を雇い入れる際に交付する書類であり、労働基準法第15条によって書面等での明示が義務付けられています。賃金・労働時間・就業場所など、基本的な労働条件を通知するために利用されます。
一方、給与改定通知書は、既に雇用している従業員に対して給与変更を通知するための書類です。法律上、発行義務はありませんが、実務上はトラブル防止や認識違い防止のため、多くの企業で利用されています。
給与改定通知書は、企業が従業員へ給与変更内容を「通知」するための書類です。一方、給与改定同意書は、従業員が変更内容に「同意したこと」を確認するための書類になります。
昇給のみの場合は通知書だけで対応する企業も多いですが、減給や手当削減など従業員に不利益となる変更では、同意書を取得するケースが一般的です。
給与改定通知書そのものに法的な作成義務はありません。
しかし、給与は重要な労働条件であるため、変更内容を明確に記録・通知しておくことは非常に重要です。特に降給や手当削減など、従業員にとって不利益となる変更では、説明不足によるトラブルが発生しやすくなります。
そのため、多くの企業では、給与改定時に書面交付を行っています。
給与改定通知書は、主に以下のようなケースで利用されます。
給与改定通知書は法律上必須ではありませんが、企業・従業員双方にとって大きなメリットがあります。
特に、給与に関する認識違いは労務トラブルにつながりやすいため、事前に書面で通知しておくことが重要です。
口頭のみで昇給や減給を伝えると、「聞いていない」「金額が違う」といった認識違いが起きやすくなります。
給与改定通知書を発行しておけば、改定内容や適用時期を明確に記録できるため、後日のトラブル防止につながります。
減給は労働条件の不利益変更に該当する可能性があり、従業員の同意が重要になります。労働契約法では、労働条件変更は労使双方の合意が原則とされています。
そのため、減給時には通知書だけでなく、同意書も合わせて取得する企業が一般的です。
減給は労働条件の不利益変更に該当する可能性があります。十分な説明なく一方的に減給を行うと、無効と判断されるケースもあります。特に、減給理由・適用時期・変更後の条件については、書面で丁寧に説明することが重要です。
給与改定通知書には法的な作成義務はありません。しかし、給与は従業員の生活に直結する重要な労働条件であるため、書面で通知を行わないことでトラブルにつながるケースがあります。
特に、口頭のみで昇給・降給を伝えた場合、「聞いていた内容と違う」「手当変更を知らなかった」といった認識違いが発生しやすくなります。
また、減給や手当削減など従業員に不利益となる変更では、説明不足によって労使トラブルへ発展するケースも少なくありません。
特に減給は「労働条件の不利益変更」に該当する可能性があり、従業員の同意なく一方的に進めると無効と判断される場合があります。
減給や手当削減を行う場合は、変更理由や適用時期を明確に説明し、できる限り書面を残しておくことが重要です。特に就業規則との整合性や従業員への説明不足には注意しましょう。
給与改定通知書には、変更内容を従業員が正確に把握できるよう、必要事項を明記します。
企業によっては、以下のような内容を追加することもあります。
給与改定通知書は、単に金額を書くだけではなく、社内決定から通知まで一定の流れで進める必要があります。
まずは昇給・減給・手当変更など、どの項目をどのように変更するのかを決定します。
人事評価、会社業績、役職変更、最低賃金改定などを踏まえて、改定内容を整理しましょう。
給与体系に関わる変更を行う場合は、就業規則や賃金規程との整合性確認が必要です。
特に減給の場合は、就業規則に根拠があるかを確認しておきましょう。就業規則変更を伴う場合は、労働者への周知も重要です。
給与額・変更時期・対象者などを明記し、支給開始前に交付します。
法的な期限はありませんが、実務上は「変更確定後できるだけ早く」通知するのが望ましいとされています。
給与改定通知書は、毎回ゼロから作成すると、記載漏れや表現のばらつきが発生しやすくなります。特に、昇給・降給・手当変更など複数のパターンがある場合は、あらかじめひな型を用意しておくことで、作成業務を効率化しやすくなります。
また、フォーマットを統一しておくことで、従業員への説明内容も整理しやすくなり、労務トラブル防止にもつながります。
給与改定通知書のひな型を活用したい場合は、以下のテンプレートも参考にしてみてください。

Word形式なので自由に編集が可能です。下記からダウンロードのうえ、ご活用ください。
給与改定通知書は法律上の発行義務がある書類ではありませんが、運用方法を誤ると従業員との認識違いや労務トラブルにつながる可能性があります。
特に、減給や手当削減など従業員に不利益となる変更を行う場合は、労働契約法や就業規則との整合性を十分に確認しながら進めることが重要です。
給与改定を行う際は、まず就業規則や賃金規程の内容を確認する必要があります。
昇給制度や降給条件、手当支給基準などが規程に定められている場合、その内容に沿って運用しなければなりません。特に減給については、就業規則に根拠がないまま実施すると、労働条件の不利益変更として問題になる可能性があります。
また、基本給だけでなく、役職手当・資格手当・固定残業代などの変更も、実質的には賃金変更に該当します。そのため、「手当だから自由に変更できる」というわけではありません。
労働契約法では、労働条件変更は労使双方の合意が原則とされています。会社側による一方的な賃金引き下げは、無効と判断される可能性もあるため注意が必要です。
基本給の減額や手当廃止などは、労働条件の不利益変更と判断される可能性があります。特に、従業員への説明不足や同意取得が不十分な場合、後から「無効」と争われるケースもあります。減給を行う際は、就業規則の確認だけでなく、変更理由や必要性を丁寧に説明することが重要です。
給与改定通知書は、変更後の給与が実際に支給される前に交付することが望ましいとされています。
特に昇給の場合は、給与明細で初めて変更を知るよりも、事前に通知しておくことで従業員の安心感につながります。一方、減給の場合はさらに慎重な対応が必要です。
減給は従業員の生活へ直接影響するため、給与支給直前に突然通知すると、大きな不満やトラブルにつながる可能性があります。そのため、実際の適用時期より前に説明の場を設け、十分な理解を得たうえで通知することが重要です。
一般的には、減給を伴う給与改定では「支給日の1か月前程度」を目安に説明・通知を進める企業も少なくありません。
また、通知後に従業員から質問や相談が出るケースもあるため、通知書を交付して終わりではなく、説明対応まで含めて運用を設計することが重要です。
昇給の場合は通知のみで問題になりにくい一方、減給時は従業員の同意取得を求められるケースがあります。
特に、就業規則に明確な根拠がない場合や、大幅な給与減額を行う場合は、通知書だけでなく「給与改定同意書」を合わせて取得する企業もあります。
また、同意取得の際には、単に署名を求めるだけでは不十分です。なぜ減給が必要なのか、どの程度の期間なのか、会社状況はどうなのかなど、判断材料となる情報を十分に説明することが重要です。
厚生労働省でも、不利益変更における同意の有効性は「自由な意思に基づいているか」が重要になると示しています。
給与改定通知書に関する明確な法定保存期間はありません。ただし、賃金に関する記録は労働基準法に基づき保存義務があるため、給与改定通知書もあわせて保存しておく企業が一般的です。
特に労務トラブルが発生した際は、「いつ・どのような内容で給与変更を通知したか」が重要な証拠になることがあります。
給与改定通知書は、内容に不備があると従業員との認識違いにつながることがあります。
特に、適用開始日や手当変更の記載漏れはトラブルになりやすいため注意が必要です。
これらを防ぐためにも、毎回ゼロから作成するのではなく、テンプレートやひな型を活用して運用を統一することが重要です。
給与改定通知書は、給与変更内容を従業員へ正式に通知するための重要な書類です。
法律上の作成義務はありませんが、昇給・降給・手当変更などの内容を明確に残しておくことで、労務トラブルの防止につながります。
特に降給や減給を行う場合は、就業規則との整合性や従業員への十分な説明が重要です。自社の運用ルールに合わせてひな型を整備し、適切に運用していきましょう。
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