産業カウンセラーという資格をご存じでしょうか?産業カウンセラーというのは、一般社団法人 日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格です。
組織内におけるメンタルヘルスを良好に保ったり、メンタルブレイクを未然に防いだり現代において重要な役割を担っています。ここでは企業で産業カウンセラー協会を活用する場合の方法や、各種メンタルヘルスの情報収集の方法を解説していきます。
目次
まずは産業カウンセラー協会が行っている、メンタルヘルス研修についてご紹介します。メンタルヘルス研修には、事業主や管理職、一般社員等の労働者、それぞれを対象とした講座が存在します。
事業主や管理職が対象となっているメンタルヘルス研修では、メンタルヘルスの必要性と基礎知識、早期発見や予防対策法、快適な職場の作り方といった座学から、労働者とのコミュニケーションの取り方などをグループワークやロールプレイで学びます。
事業主にとっても、労働者とのコミュニケーションの取り方は非常に重要ではないでしょうか。事業所の規模にもよりますが、事業主と労働者の距離が近ければ、それだけ事業主が労働者に与える影響は大きくなると言えます。
言い換えれば、労働者がメンタルヘルス不調に陥ってしまうかどうかは、労働者に対する事業主の接し方も少なからず影響するということです。常日頃のコミュニケーションから労働者それぞれに合わせた接し方を見つけていくため、このような研修を活用するのもひとつの方法でしょう。
産業カウンセラー協会では、法人向けのカウンセリングサービスも行っています。具体的には産業カウンセラー協会に相談窓口や電話相談を設けているほか、カウンセラーが定期的に事業所を訪問して悩みを持つ労働者たちと面談を行う「訪問カウンセリング」や、実際にカウンセリングを体験してもらう「体験カウンセリング」です。
そのなかでも体験カウンセリングは「事業所に設置されている相談窓口を利用するのが不安」、「カウンセリングを受けたいけど利用方法がわからない」という労働者にとって、良いサービスになるかもしれません。
また、こちらは労働者全員が一斉にカウンセリングを体験するので、誰でも抵抗なくカウンセリングを受けることができます。加えて、一度体験してしまえば次回からの利用もしやすくなることでしょう。
産業カウンセラー協会ではコンサルティングサービスという、産業カウンセラー協会と企業の間にコンサルティングサービスの契約を結ぶことで、利用できる電話相談サービスもあります。
こちらはコンサルティングサービスの契約をしている企業において、誰でも匿名で相談できるサービスです。しかし、会社名・年齢・性別を聞かれることや、相談内容によっては協会の相談室での面談が案内されることもあります。
また、このサービスでは3カ月に一度、利用状況の報告書を事業所宛に送っており、この報告書で相談件数が多いほど企業としては改善点が多いということになります。結果は真摯に受け止め、改善点が多い場合は企業内で速やかな措置を実施しましょう。
なお、契約については相談件数に応じて変わる従量制契約と、年間の固定料金で契約する定額制契約の2種類があります。詳細は最寄りの協会支部へお問い合わせください。
最後に、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」をご紹介します。このサイトでは、メンタルヘルスについての基本的な知識や、実際に企業が行っているメンタルヘルス対策の取り組みなど、メンタルヘルスに関連したさまざまな情報がまとめられています。
事業主向けの情報だけでなく、ストレスに対してのセルフケア方法やストレスチェックテスト、さらに相談窓口の案内など、労働者向けの情報も整理されています。立場に関係なく、メンタルヘルスについて知りたい人に対して、まず見てほしいサイトです。
ご紹介した産業カウンセラー協会のサービスは、いずれも労働者が安心して働くことができる環境づくりに一役買ってくれるものです。
しかし、労働者のメンタルヘルス対策を産業カウンセラー協会等にまかせっきりにしてはいけません。企業内でのメンタルヘルスケアに加え、これらを上手く活用しながら、しっかりと労働環境の改善につなげていきましょう。
社会保険労務士法人|岡佳伸事務所の代表、開業社会保険労務士として活躍。各種講演会の講師および各種WEB記事執筆。日本経済新聞、女性セブン等に取材記事掲載。2020年12月21日、2021年3月10日にあさイチ(NHK)にも出演。
詳しいプロフィールはこちら