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マタニティハラスメント対策と不利益取扱いの実例について

マタニティハラスメントという言葉をご存知でしょうか?マタニティハラスメントとは、妊娠した労働者が上司または同僚の不適切な言動等により、職場で不利益を被るような事態を指します。

たとえば、妊娠・出産を理由とした解雇や契約の雇止め、自主退職の強要、嫌がらせなどの行為がそれにあたります。そのようなハラスメントを防ぎ、子供を産みやすく、育てやすい職場とするため、事業主が知っておきたいマタニティハラスメントの実例や防止対策について解説します。

妊娠・出産等に関するハラスメント防止措置義務について

妊娠や出産等に関するハラスメントについては、平成28年3月の男女雇用機会均等法改正で防止措置義務が新設され、平成29年1月1日から施行されました。

具体的には職場内で妊娠中、または出産後の女性に対し

  • 解雇
  • 雇止め
  • 契約回数の引き下げ
  • 退職や契約内容変更の強要
  • 降格、減給、賞与等の不利益な算定
  • 不利益な配置変更や自宅待機命令
  • 人事考課における不利益な評価
  • 仕事をさせない、雑務のみさせる
  • 妊娠、出産を否定する言動

などが行われることのないように、防止措置を講じることが義務付けられたのです。

妊娠、出産に関するハラスメントの防止措置について

事業主は職場における妊娠や出産に関する言動が原因となる問題に対し、雇用管理上講ずるべき措置について、下記のような指針が示されています。

(1)方針の明確化とその周知・啓発

事業主は労働者に対し
・マタニティハラスメントの内容
・妊娠や出産等に関する否定的な言動がマタニティハラスメントの背景等となり得ること
・マタニティハラスメントがあってはならない旨の方針
・妊娠や出産等に関する制度等の利用ができる旨を明確化

これらについての管理・監督者を含む、労働者に対する周知・啓発を行います。
併せて、マタニティハラスメントを行ったものへ厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定します。

(2)苦情を含む相談に応じ、適切に対処するため必要な体制の整備

あらかじめ相談窓口の設置などの措置を行い、相談窓口の担当者が内容や状況に応じ適切に対応します。また、相談内容に関してはマタニティハラスメントが現実に生じている場合だけでなく、その発生のおそれがある場合や、相談内容がマタニティハラスメントに該当するか否か微妙な場合など、広く対応することが求められます。

(3)職場で発生したマタニティハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応

マタニティハラスメントが行われたことに対する事実関係を迅速かつ正確に確認し、事実確認ができた場合は速やかに被害者に対する配慮や措置、ならびに行為者に対する措置を適正に行います。また、事実確認ができている・できていないに関わらず、再発防止に向けた措置も講じます。

(4)マタニティハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置

業務体制の整備、事業主やマタニティハラスメントの被害を受けた労働者、その他の労働者の実情に応じ、必要な措置および配慮等を行います。

(5)(1)から(4)の措置と併せて行うべき措置

マタニティハラスメントに関する相談者や行為者等のプライバシーを保護するため、必要な措置を講じます。また、相談したことや事実関係の確認に協力したこと等を理由として、不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に対して周知・啓発を行います。

事業主は以上の指針に従って上記の措置を行い、妊産婦の労働者が不利益にならないよう配慮する義務があります。

このような言動がマタニティハラスメントになる!その具体例

この項では、マタニティハラスメントとなる具体的な事例についてご紹介します。

(例1)制度等の利用への嫌がらせ

産前休業や時間外・休日出勤の制限などの制度を利用したいと上司や同僚に相談したら、上司からは解雇や降格などを示唆され、同僚からは継続的に嫌がらせを受けて職場にいづらくなるような状況に追い込まれた。

(例2)状態への嫌がらせ

妊娠に伴うつわりや切迫流産などで休むことが多くなる、あるいは仕事の能率が下がったことで職場内での風当たりが強くなり、上司から繰り返し解雇などを匂わせる発言が繰り返され、同僚からも業務上で嫌がらせ行為等を受けた結果、体調をさらに崩して業務に支障が生じた。

上記2つの事例のように、妊産婦の心身の健康状態を悪化させる、あるいは明らかに業務に支障が生じるまでに追い込まれるような言動は、国で定められたマタニティハラスメント防止措置の対象となります。

このようにすれば防げる!対応事例のポイント

最後に、実際に企業が行ったマタニティハラスメント防止措置で、効果があった5つの対応事例をご紹介します。

(例1)就業規則に委任規定を設けたうえで、マタニティハラスメントへの対処方針についての次の詳細を別規定に定めている。

  • 目的
  • 禁止行為
  • 懲戒
  • 相談および苦情への対応
  • 再発防止の義務

(例2)就業規則の懲戒規定のなかで、明記されているマタニティハラスメントへの対処方針や内容の適用対象となる事項について、企業のパンフレットやホームページなどを活用して周知させる。

(例3)就業規則において、どのようなマタニティハラスメントが、どのような懲戒の対象となるかを具体的な事由として、懲戒の種類と対応させる形で列挙する。

(例4)就業規則の懲戒事由にマタニティハラスメントも含まれることや、懲戒処分についての判断要素を明らかにし、企業のパンフレットなどを活用し周知させる。

(例5)管理職向けの制度周知用パンフレットにより、管理職として行うべき事項や主な制度内容を管理職に周知させる。

このように、各企業において事業主が以上のような措置を講じることで、マタニティハラスメントをより効果的に防ぐことが可能となっています。

まとめ

今回の記事では、マタニティハラスメントの防止措置義務や具体的な措置内容、併せてマタニティハラスメントとなる具体的な事例や、マタハラ防止への具体的な対処事例について解説してきました。

事業主は法改正により新たに定められたマタニティハラスメント防止措置の内容について、職場の労働者や管理者への周知・啓発を行い、妊産婦の労働者が不利益な扱いを受けないように配慮しましょう。

岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

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