育児・介護休業法には、子どもを育てる労働者が働き続けやすいようにさまざまな取り決めが規定されており、そのひとつに「子の看護休暇」があります。
2021年1月の育児・介護休業法改正により、子の看護休暇は時間単位で取得が可能になり、2025年4月には再び法改正がおこなわれ、対象となる子の範囲の拡大や、名称が「子の看護等休暇」に変更されました。
今回は法改正後のポイントを踏まえて、子の看護休暇の対象者・取得できる理由・取得方法などを解説します。
本記事では読者の理解を優先するため、法改正前の名称である「子の看護休暇」を使用しています。
子の看護休暇とは
子の看護休暇は、労働者が子の看護を目的として休暇を取得できる制度です。小学校就学前の子供を育てる労働者は、年次有給休暇とは別に取得ができます。
病気・ケガにより子供に看護が必要なときに取得できる休暇
傷病にかかった子の世話、または疾病の予防を図るために必要な世話をおこなうこと。疾病の予防も含まれるため、予防接種や健康診断を受診させる場合も対象です。
予防接種には、予防接種法に定める定期予防接種以外のインフルエンザ予防接種なども含みます。
小学校3年生修了前の子を養育する労働者が対象
子の看護休暇を取得できる労働者の条件は、小学校3年生修了までの子を養育する労働者です。この取得条件を満たしていれば、正社員に限らずパートやアルバイトを含む全労働者が対象となります。
労働者に子の看護休暇を取得させるためには、あらかじめ制度を導入し、就業規則に規定しなければなりません。
子の看護休暇の取得対象外となる労働者は?
ただし下記の場合は、子の看護休暇の取得対象から除外されます。
1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は、半日単位での取得はできませんが、1日単位での子の看護休暇を取得することが可能です。
子の看護休暇と介護休暇の違い
介護休暇とは、育児・介護休業法に規定される休暇制度で、要介護状態※にある対象家族を介護している労働者が取得できます。
要介護状態とは、負傷、疾病または身体上・精神上の障害によって、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態をいいます。
対象となる家族と取得事由になる負傷等の状態が異なる
子の看護休暇は介護休暇とは異なり、休暇が取得できる負傷や疾病の種類や程度に特段の制限はありません。そして子の看護休暇と介護休暇の大きな違いは、対象となる家族の範囲とその状態です。
介護休暇の対象となる家族の範囲は、次のとおりです。
子の看護休暇の取得日数と給与の支払い
取得日数は1人につき年5日が限度だが超えても問題なし
子の看護休暇の取得日数や給与支払いの有無は、企業によって自由に定めることができます。決定した内容は、あらかじめ就業規則に記載しなければなりません。
時間単位での取得が困難な業務の労働者は、労使協定の締結により時間単位の取得を除外できます。
労使で十分に話し合いの上、半日単位での休暇取得を認めるなど配慮が必要です。
有給か・無給とするかも企業の自由判断
育児・介護休業法では、子の看護休暇の給与の支払いの有無について規定されていません。したがって、有給・無給の取り扱いは企業の判断で決定できます。
ただし育児・介護休業法によって、子の看護休暇を取得した労働者に対して、不利益な取り扱いを禁じています。また、有給扱いとしたとしても年次有給休暇とは別の扱いとしなければいけません。
2021年より時間単位で取得可能に!時間単位取得の注意点
2021年に育児・介護休業法が改正されたことにより、子の看護休暇および介護休暇は時間単位での取得ができるようになりました。
また所定労働時間7時間30分の労働者が、看護・介護休暇として1日の勤務時間全て休暇を取得する場合、1日分(=1日の所定労働時間数である7時間30分)の看護・介護休暇の取得として取り扱うこととなります。
子の看護休暇の取得方法
労働者が子の看護休暇の申し出をする際は、次の事項を明らかにます。
子の看護休暇の利用に関しては緊急を要することが多いため、口頭の申し出での取得を認め、申請書や証明書類の提出は後日でも可能とするなど、柔軟な対応が求められます。
子の看護休暇申出書の無料テンプレート
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このテンプレートには、申出に係る家族の状況、申出理由、取得する日などを記入する欄があります。取得済日数および残日数を記入する欄もあるので、取得状況を一目で把握することが可能です。下記からダウンロードのうえ、ご自由にご活用ください。
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子の看護休暇に関連する助成金
子の看護休暇を導入している企業は、下記の一定の要件を満たしていれば、両立支援等助成金(育児休業等支援コース)を受けられる場合があります。
助成金を受給できる要件
- 中小企業であること
- 雇用保険適用事業所の企業であり、対象労働者は雇用保険の被保険者であること
- 支給のための審査に協力すること
- 2018年4月1日以降、新たに法律を上回る子の看護休暇制度を整備したこと
- 申請期間内に申請をおこなうこと
- 子の看護休暇を有休・時間単位で取得可能とすること
- 対象労働者が1カ月以上の育児休業(産後休業から引き続く場合は産後休業を含む)から復帰していること
- 子の看護休暇制度を導入し、育児休業から現職復帰した労働者が復帰後6カ月以内に10時間以上の利用実績があること
そのほかにも次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていることなどいくつかの要件を満たす必要があります。
制度導入のみの申請は不可となり、最初の申請日から3年以内5人まで支給されます。
1企業あたりの上限は、1年度200時間<240時間>までです。
<>内は生産性向上要件を満たした場合の支給額
なお保育サービス費用補助制度を導入していることでも、本助成金の対象になることがあります。
まとめ
育児・介護休業法を理解し、育児中の労働者が働きやすい環境を整えることは、企業の生産性の向上につながります。