
育児休業とは?取得条件・期間・給付金・産休との違いをわかりやすく解説【2026年最新】
育児休業は、原則1歳未満の子を養育する男女の労働者が取得できる法定制度です。正社員に限らず、要件を満たせばパート・アルバイト・契約社員も対象になります。
通常の育児休業は原則2回まで分割でき、一定の場合には最長2歳まで延長できます。雇用保険の要件を満たせば、育児休業給付金なども受給できます。
父親(産後休業をしていない労働者)は通常の育児休業とは別に「産後パパ育休(出生時育児休業)」も利用できます。
さらに、2025年には育児・介護休業法が改正され、子の看護等休暇や残業免除の対象拡大、柔軟な働き方を実現するための措置などが導入されました。給付面でも「出生後休業支援給付金」「育児時短就業給付金」が新設されています。
本記事では、育児休業の取得条件・期間・申請方法・給付金から、男性の育休、産休との違い、2025年施行の法改正まで、人事・労務担当者にも分かりやすく解説します。
この記事の目次
育児休業とは
育児休業とは、原則として1歳未満の子を養育する労働者が、育児のために一定期間仕事を休める制度です。
育児・介護休業法に基づく制度であり、会社が任意に設ける福利厚生ではありません。そのため、会社の就業規則に育児休業について記載されていない場合でも、法律上の要件を満たす労働者から申出があれば、会社は原則として取得を拒否できません。
育児休業と育児休暇の違い
「育児休業」と「育児休暇」は似た言葉ですが、厳密には同じ意味とは限りません。
育児休業は、育児・介護休業法に基づいて取得条件や期間などが定められた法定の制度です。
一方、「育児休暇」は法律上の統一された制度名称ではなく、企業が独自に設けている育児目的の休暇などを指して使われることがあります。
| 育児休業 | 育児休暇 | |
|---|---|---|
| 法律上の制度 | 〇 | 統一された制度ではない |
| 根拠 | 育児・介護休業法 | 会社の就業規則等による場合がある |
| 取得条件 | 法律で規定 | 制度ごとに異なる |
| 対象期間 | 原則として子が1歳になるまで | 制度ごとに異なる |
そのため、会社独自の「育児休暇」と法律上の「育児休業」を混同せず、就業規則や社内規程で制度内容を明確にしておくことが重要です。
育児休業と産休(産前産後休業)の違い
育児休業と産休では、対象者や取得できる時期、根拠となる法律が異なります。
| 項目 | 育児休業 | 産休(産前産後休業) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 子の養育 | 出産前後の母体保護 |
| 対象者 | 原則として男女の労働者 | 出産する女性労働者 |
| 主な期間 | 原則、子が1歳になるまで | 産前6週間・産後8週間 |
| 多胎妊娠 | ― | 産前14週間 |
| 根拠法令 | 育児・介護休業法 | 労働基準法 |
| 主な給付 | 育児休業給付金など | 出産手当金など |
産前休業は本人からの請求により取得し、産後については原則として出産翌日から8週間、女性を就業させることができません。
一方、育児休業は出産そのものではなく、子を養育することを目的とする制度であるため、父親も取得できます。
育児休業の取得条件
育児休業は、原則として1歳未満の子を養育する男女の労働者が対象です。日々雇用される労働者は対象外ですが、正社員以外でも要件を満たせば取得できます。
- 正社員
- 契約社員
- パート
- アルバイト
- 派遣労働者 など
ただし、有期雇用労働者や労使協定によって対象外とできる労働者については、別途要件があります。
正社員が育休を取得する条件
期間の定めのない労働契約で働く正社員の場合、原則として1歳未満の子を養育していれば育児休業の対象になります。
以前は「1年以上雇用されていること」が法律上の取得要件に含まれていましたが、この要件は2022年4月に撤廃されました。
ただし、会社が労使協定を締結している場合は、一定の労働者を育児休業の対象外とできます。
- 継続して雇用された期間が1年未満の労働者
- 申出の日から1年以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者
- 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
1歳以降の育児休業については、「申出の日から6か月以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者」が除外対象となります。
入社1年未満でも育休を取得できる?
入社1年未満だからという理由だけで、必ず育児休業を取得できないわけではありません。
法律上、「継続雇用1年以上」という取得要件は撤廃されています。
ただし、会社が労使協定によって「継続雇用1年未満の労働者」を対象外としている場合は、育児休業を取得できないことがあります。
パート・アルバイト・契約社員も育休を取得できる?
パート・アルバイト・契約社員など、有期雇用の労働者も育児休業を取得できます。
ただし、申出時点で、子が1歳6か月に達する日までに労働契約が終了し、更新されないことが明らかでないことが必要です。
また、正社員と同様に、労使協定がある場合は継続雇用1年未満や週の所定労働日数が2日以下などの労働者を対象外とできる場合があります。
男性も育児休業を取得できる?
育児休業は女性だけの制度ではありません。
父親も法律上の要件を満たしていれば取得でき、通常の育児休業に加えて「産後パパ育休」も利用できます。
厚生労働省の「令和7年度雇用均等基本調査」によると、男性の育児休業取得率は50.9%となり、前年度の40.5%から上昇しました。女性は88.3%です。
育児休業申出書の無料テンプレート
育児休業を取得する場合、労働者から会社へ育児休業の申出を行います。
申出に使用する書類について法律で全国共通の様式が決められているわけではありませんが、休業開始予定日・終了予定日など必要事項を明確にするため、実務では「育児休業申出書」を使用するのが一般的です。
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育児休業の申請方法
育児休業を取得する場合、労働者は事前に会社へ申し出る必要があります。
基本的な流れは次のとおりです。
- 労働者から妊娠・出産等の申出を受ける
- 会社が育児休業制度等を個別に周知し、取得意向を確認する
- 労働者が育児休業を申し出る
- 会社が休業期間などを書面等で通知する
- 育児休業を開始する
原則として休業開始予定日の1か月前までに申し出る
育児休業は、原則として休業開始予定日の1か月前までに書面等で会社へ申し出ます。
1歳から1歳6か月、1歳6か月から2歳までの延長に伴う育児休業については、原則として休業開始予定日の2週間前までです。
ただし、会社が就業規則などで労働者に有利な短い申出期限を設定することは可能です。
会社は育児休業の申出を受けたら書面等で通知する
従業員から育児休業の申出を受けた会社は、育児休業開始予定日や終了予定日などを、速やかに書面等で本人へ通知する必要があります。
また、本人または配偶者の妊娠・出産について申出を受けた場合には、育児休業制度等を個別に周知するとともに、育児休業・産後パパ育休の取得意向を確認する措置も必要です。
育児休業はいつからいつまで取得できる?
原則は子が1歳になるまで
通常の育児休業では、子が1歳になるまでの間で、労働者が申し出た期間について休業できます。
母親の場合は通常、産後8週間の産後休業を終えてから育児休業へ移行します。
父親は産後休業がないため、子の出生後から通常の育児休業を取得することも可能です。
育児休業は2回まで分割取得できる
通常の育児休業は、子1人につき原則2回まで分割して取得できます。
たとえば、
| 期間 | 取得例 |
|---|---|
| 1回目 | 出生後から1か月間 |
| 復職 | 数か月勤務 |
| 2回目 | 配偶者の復職に合わせて再度育休 |
といった柔軟な取得も可能です。
2022年10月の法改正以前は原則1回でしたが、現在は男女とも2回まで分割できます。
1歳6か月・2歳まで延長できるケース
子が1歳になる時点で保育所等へ入所できないなど一定の事情がある場合は、1歳6か月まで育児休業を延長できます。
さらに、1歳6か月時点でも一定の延長事由が続いている場合には、最長で子が2歳になるまで育児休業を取得できます。
2025年4月から育児休業給付金の延長手続きが変更
保育所等へ入れなかったことを理由に育児休業給付金の支給対象期間を延長する手続きは、2025年4月から変更されています。
以前は入所保留通知書などで確認していましたが、現在は、保育所等への利用申込みが「速やかな職場復帰のために行われたもの」であることも確認が必要となっています。
延長申請では、原則として次の書類が必要です。
- 育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書
- 保育所等の利用申込書の写し
- 入所保留通知書、入所不承諾通知書など
パパ・ママ育休プラスなら1歳2か月まで
夫婦がともに育児休業を取得する場合、一定の条件を満たせば「パパ・ママ育休プラス」を利用できます。
通常は子が1歳になるまでの育児休業について、子が1歳2か月になるまで取得可能な期間を広げられる制度です。
たとえば、母親が出産後に産後休業・育児休業を取得し、その後父親が育児休業を取得することで、父親の育児休業終了時期を子が1歳を過ぎた時期まで設定するといった使い方ができます。
ただし、1人の労働者が休業できる期間そのものが1年2か月になるわけではありません。出生日以後の産前産後休業、育児休業、産後パパ育休を合計した休業期間は原則1年以内です。
男性の育休・産後パパ育休とは
男性は通常の育児休業に加えて、「産後パパ育休(出生時育児休業)」を取得できます。
産後パパ育休は、子の出生直後に父親が育児へ参加しやすくするための制度で、通常の育児休業とは別枠で利用できます。
産後パパ育休は出生後8週間以内に最大28日
産後パパ育休では、子の出生後8週間以内に通算4週間(28日)まで休業できます。
| 項目 | 産後パパ育休 |
|---|---|
| 取得時期 | 子の出生後8週間以内 |
| 取得可能期間 | 最大4週間(28日) |
| 分割 | 2回まで |
| 通常の育児休業 | 別途取得可能 |
| 申出期限 | 原則2週間前 |
通常の育児休業とは別制度のため、産後パパ育休 → 通常の育児休業、と連続して取得することもできます。
産後パパ育休は2回に分割できる
産後パパ育休は、28日を一度に取得する必要はありません。
子1人につき2回まで分割できます。
ただし、2回に分けて取得する場合は、原則として最初の申出時に2回分をまとめて申し出ます。
産後パパ育休中は一定の条件で働くこともできる
通常の育児休業では、休業中に労働することは原則として想定されていません。
一方、産後パパ育休では、あらかじめ労使協定を締結し、本人が希望して会社との間で合意した場合には、法律で定める範囲内で休業中に就業できます。
男性の育休取得率は50.9%
厚生労働省が2026年7月に公表した「令和7年度雇用均等基本調査」では、男性の育児休業取得率が50.9%となりました。
| 調査年度 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 2024年度 | 40.5% | 86.6% |
| 2025年度 | 50.9% | 88.3% |
男性の取得率は初めて50%を超え、過去最高となっています。
育児休業中にもらえる給付金・経済的支援
育児休業中は会社から通常どおり給与が支給されるとは限りません。
一方、一定の条件を満たす雇用保険の被保険者には、育児休業給付金などが支給されます。
主な経済的支援は次のとおりです。
- 育児休業給付金
- 出生時育児休業給付金
- 出生後休業支援給付金
- 健康保険・厚生年金保険料の免除
育児休業給付金
育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が育児休業を取得し、一定の要件を満たした場合に受け取れる給付金です。
基本的な給付率は次のとおりです。
| 育児休業期間 | 給付率 |
|---|---|
| 育児休業開始から180日目まで | 67% |
| 181日目以降 | 50% |
支給額は原則として、
で計算します。
なお、休業中に一定以上の賃金を受け取っている場合などは、給付金が減額されたり支給されなかったりする場合があります。
出生時育児休業給付金
出生時育児休業給付金は、産後パパ育休を取得した雇用保険の被保険者が一定の条件を満たした場合に支給されます。
給付額は原則として、
です。
育児休業給付には上限額等があり、その金額は改定されることがあります。固定された過去の上限額ではなく、申請時点の最新額を確認しましょう。
出生後休業支援給付金【2025年4月開始】
2025年4月から、「出生後休業支援給付金」が新設されました。
原則として、子の出生直後の一定期間に本人と配偶者の双方が14日以上の育児休業を取得するなどの要件を満たした場合に、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当が追加で支給されます。
通常の育児休業給付・出生時育児休業給付の67%と合わせると、給付率は80%です。社会保険料免除や給付が非課税であることを考慮し、厚生労働省は「手取り10割相当」としています。
なお、配偶者が専業主婦・専業主夫である場合やひとり親など、配偶者の育児休業取得を要件としないケースもあります。
育休中に会社から給料はもらえる?
育児・介護休業法には、会社が育児休業中の給与を必ず支払わなければならないという規定はありません。
給与を支給するかどうかは、会社の就業規則や賃金規程などによります。育児休業期間中の賃金を支払わない場合は、その取扱いを就業規則などで明確にしておく必要があります。
給与が支給されない場合でも、一定の要件を満たせば育児休業給付金を受給できます。
育休中の社会保険料は免除される?
一定の要件を満たす育児休業等の期間については、事業主からの申出により、健康保険料・厚生年金保険料が本人負担分・会社負担分ともに免除されます。
また、勤務先から給与の支給がない場合は雇用保険料も発生しません。育児休業等給付は非課税です。
出産前後に利用できる主な給付
「出産手当金」「出産育児一時金」は育児休業そのものに対して支給される給付ではありません。
育休中の給付と混同しないよう、出産前後の給付として区別して理解しましょう。
出産手当金
出産手当金は、健康保険の被保険者が出産のため仕事を休み、その期間について給与の支払いを受けられない場合などに支給されます。
対象期間は原則として、出産の日(実際の出産が出産予定日より後の場合は出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から、出産日の翌日以後56日までです。
1日あたりの支給額は原則として、
で計算されます。
出産育児一時金
出産育児一時金は、健康保険の被保険者または被扶養者が妊娠85日以上で出産した場合に支給されます。
2026年時点では、産科医療補償制度に加入している医療機関等で、在胎週数22週以降に出産した場合、1児につき50万円です。
それ以外の場合は原則48万8,000円となります。
2025年施行の育児・介護休業法改正のポイント
2025年4月・10月には、仕事と育児を両立しやすくするため育児・介護休業法の改正内容が段階的に施行されました。
企業の人事・労務担当者は、育児休業そのものだけでなく、復職後の両立支援制度についても対応が必要です。
子の看護等休暇の対象・取得理由が拡大
2025年4月から、「子の看護休暇」は「子の看護等休暇」へ名称が変更されました。
対象となる子の範囲も、従来の「小学校就学前」から小学3年生修了までへ拡大されています。
取得理由にも、
- 感染症に伴う学級閉鎖等
- 入園式
- 卒園式
- 入学式
などが追加されました。
また、従来は労使協定によって「継続雇用6か月未満」の労働者を対象外にできましたが、この除外規定も撤廃されています。
残業免除の対象が小学校就学前まで拡大
所定外労働の制限、いわゆる「残業免除」を請求できる労働者の範囲も拡大されました。
従来は3歳未満の子を養育する労働者が対象でしたが、2025年4月からは小学校就学前の子を養育する労働者まで対象となっています。
育休取得状況の公表義務が300人超の企業へ拡大
男性の育児休業等の取得状況を公表しなければならない企業の範囲も拡大されました。
2025年4月以降、常時雇用する労働者が300人を超える企業には、男性の育児休業等取得割合などを年1回公表する義務があります。
| 時期 | 公表義務の対象 |
|---|---|
| 2025年3月まで | 1,000人超 |
| 2025年4月から | 300人超 |
3歳から小学校就学前まで柔軟な働き方の措置が義務化
2025年10月からは、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者について、会社が「柔軟な働き方を実現するための措置」を設けることが義務化されています。
会社は次の5つから2つ以上を選択して整備し、対象労働者はその中から1つを選んで利用できます。
- 始業時刻等の変更
- テレワーク等(月10日以上)
- 保育施設の設置運営等
- 養育両立支援休暇(年10日以上)
- 短時間勤務制度
仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮が義務化
2025年10月からは、本人または配偶者の妊娠・出産等の申出時と、子が3歳になる前の一定時期に、仕事と育児の両立について労働者の意向を個別に聴取することも事業主の義務となりました。
主な聴取項目は、
- 勤務時間帯
- 勤務地
- 両立支援制度を利用したい期間
- 業務量など仕事と育児を両立するための就業条件
です。
会社は聴取した意向について、自社の状況に応じて勤務時間や勤務地、業務量などに配慮する必要があります。
企業が育児休業に対応するときの注意点
育児休業制度を適切に運用するためには、申請を受け付けるだけでなく、取得しやすい環境を整備することも必要です。
要件を満たす育児休業の申出を拒否しない
育児休業は法律で認められた制度です。
就業規則に制度がないことや、繁忙期、人手不足などを理由として、要件を満たす労働者の育児休業申出を会社が一方的に拒否することはできません。
対象外とする場合は、労使協定の有無や法定の除外要件に該当しているかを確認しましょう。
育休取得を理由とした不利益な取扱いをしない
妊娠・出産や育児休業等の申出・取得を理由として、解雇や雇止め、不利益な配置転換などを行うことは禁止されています。
育児休業期間を「休業した期間」として取り扱うこと自体は直ちに不利益取扱いになるものではありませんが、実際に休業した期間を超えて不利に扱うことなどは認められません。
育児休業を取得しやすい雇用環境を整備する
会社には、育児休業・産後パパ育休を取得しやすい職場環境を整える措置も求められています。
たとえば、
- 育児休業等に関する研修
- 相談窓口の設置
- 自社の育休取得事例の収集・提供
- 育児休業取得を促進する方針の周知
などが挙げられます。
制度を用意するだけでなく、従業員が実際に利用できる運用になっているか確認することが重要です。
育休から復職した後に利用できる制度
仕事と育児の両立支援は、育児休業から復帰した時点で終わるわけではありません。
子の年齢などに応じて、さまざまな制度を利用できます。
| 子の年齢等 | 主な制度 |
|---|---|
| 2歳未満 | 条件を満たせば育児時短就業給付金 |
| 3歳未満 | 短時間勤務制度 |
| 小学校就学前 | 所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限 |
| 3歳~小学校就学前 | 柔軟な働き方を実現するための措置 |
| 小学3年生修了まで | 子の看護等休暇 |
短時間勤務制度
3歳未満の子を養育する一定の労働者については、原則として短時間勤務制度を利用できるよう会社が制度を整備する必要があります。
短時間勤務制度によって勤務時間を短縮した場合は、給与が減少することもあるため、2025年4月に創設された育児時短就業給付金も確認しましょう。
育児時短就業給付金【2025年4月開始】
育児時短就業給付金は、2歳未満の子を養育するために時短勤務を行う雇用保険の被保険者が一定の要件を満たした場合に支給される制度です。
原則として、時短勤務中に支払われた賃金の10%相当が支給されます。
ただし、時短勤務後の賃金が時短勤務開始時の賃金の90%以上100%未満となる場合などは、給付率が調整されます。
所定外労働・時間外労働・深夜業の制限
一定の条件を満たす労働者は、子の養育を理由として残業や時間外労働、深夜業の制限を請求できます。
特に所定外労働の制限については、2025年4月から対象となる子が小学校就学前までへ拡大されました。
子の看護等休暇
小学3年生修了までの子を養育する労働者は、病気やけがの世話だけでなく、感染症による学級閉鎖や入園式・卒園式・入学式などを理由として「子の看護等休暇」を取得できます。
通常は、対象となる子が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日まで利用できます。
柔軟な働き方を実現するための措置
3歳から小学校就学前の子を養育する労働者については、会社が用意した2つ以上の措置から、本人が1つを選んで利用できます。
2025年10月施行の制度であるため、企業は自社の就業規則や育児・介護休業規程が現在の制度に対応しているか確認しておきましょう。
育児休業に関するよくある質問
- 会社は育児休業を拒否できる?
- 原則として、法律上の要件を満たす労働者の育児休業申出を会社が拒否することはできません。就業規則に育児休業制度がなくても取得できます。ただし、労使協定によって適法に対象外とされている労働者などは取得できない場合があります。
- 入社して1年未満でも育休を取れる?
- 取得できる可能性があります。法律上の「継続雇用1年以上」という取得要件はすでに撤廃されています。ただし、会社が労使協定を締結し、継続雇用1年未満の労働者を対象外としている場合は取得できないことがあります。
- 育休は何回まで取得できる?
- 通常の育児休業は、子1人につき原則2回まで分割して取得できます。父親などが取得できる産後パパ育休も2回まで分割可能であり、通常の育児休業とは別に利用できます。
- 育休中に働くことはできる?
- 通常の育児休業では、休業中に働くことは原則として想定されていません。ただし、労使の話し合いと本人の合意により、一時的・臨時的に就業できる場合があります。一方、産後パパ育休は労使協定などの要件を満たせば、一定範囲で計画的な就業が可能です。
- 育休中に給与は出る?
- 法律上、会社に育児休業中の給与を支払う義務はありません。給与を支給するかどうかは会社の就業規則・賃金規程などによります。一定の要件を満たす場合は、雇用保険から育児休業給付金などを受給できます。
- 保育園に入れなかったら育休を延長できる?
- 保育所等へ入所できないなど一定の事情がある場合、育児休業を1歳6か月、さらに最長2歳まで延長できる場合があります。ただし、育児休業給付金については2025年4月から延長手続きの審査が変更され、保育所等への申込みが速やかな職場復帰のために行われたものと認められることなども必要です。
- 男性はいつから育休を取れる?
- 男性は子の出生後から通常の育児休業を取得できます。また、出生後8週間以内であれば、通常の育児休業とは別に最大28日間の産後パパ育休も利用できます。
まとめ
育児休業とは、原則として1歳未満の子を養育する男女の労働者が利用できる、育児・介護休業法に基づく制度です。正社員だけでなく、要件を満たせばパート・アルバイト・契約社員も利用できます。
通常の育児休業は子1人につき原則2回まで分割でき、一定の事情があれば最長2歳まで延長できます。父親は通常の育児休業とは別に、出生後8週間以内に最大28日取得できる産後パパ育休も利用可能です。
また、2025年には出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金が新設されたほか、子の看護等休暇や残業免除の対象拡大、3歳以降の柔軟な働き方を実現するための措置など、仕事と育児の両立支援制度も大きく拡充されました。
企業は育児休業の申出を適切に受け付けるだけでなく、個別周知・意向確認や復職後の両立支援まで含めた運用体制を整えることが重要です。
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卒業後、服飾関係企業にて事務・販売・営業職を経て、2007年11月に社会保険労務士に合格。さくら Human Plusの代表を務めるワークスタイルコーディネーター/特定社会保険労務士。
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