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【社労士監修】育児休業給付金とは?いつから、いつまでもらえる?延長は?支給日や条件、手続きは?

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「育児休業給付金」は女性の社会進出と共に認知度を上げているように感じます。ただし、その内容について従業員はもちろん、会社側の担当者も特に手続き経験が少ないと、勘違いや誤解しているケースが非常に多くあります。ここでは、育児休業給付金の重要ポイントを整理してご説明します。

監修者
加藤社会保険労務士事務所 加藤 一徹

日本大学卒業後、医療用医薬品メーカーにて営業(MR)を担当。 その後人事・労務コンサルタント会社を経て食品メーカーにて労務担当者として勤務。

育児休業給付金とは

冒頭でも述べました「育児休業給付金」とは、出産と子育てにより発生する育児休業期間中に対象者へ支給される手当です。

この育児休業給付金の受給対象者は、

  • 1歳または1歳2ヶ月(さらに育児期間を延長する場合は1歳6ヶ月)未満の子を養育している労働者
  • 休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12ヶ月以上ある労働者

これらに該当するものとされています。加えて、

  • 育児休業期間中には1ヶ月の賃金が休業開始前の1ヶ月当たりの賃金の8割以上支払われていないこと
  • 就業している日数が1ヶ月ごとの期間に10日、10日を超える場合は就業している時間が80時間以下であること

こちらも受給対象者の条件とされています。事業主はその詳細をきちんと把握する必要があることを留意しましょう。

育児休業給付金の支給額と支給日

育児休業給付金の支給額については、1ヶ月あたり原則として【休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6ヶ月経過後は50%)相当額】と定められています。

支給日数については、基本的には30日となっており、休業終了日の属する支給対象期間では、支給対象期間の日数が該当します。ちなみに、ここで定められる賃金日額は、事業主が提出する「休業開始時賃金月額証明書(票)」により、原則育児休業開始前6ヶ月の賃金を180で除した額となります。

たとえば、【育児休業前の1ヶ月の賃金が30万円であった場合、育児休業給付金として休業期間中の1ヶ月あたり30万円の67%相当額である、20万1千円が支給されることになります。ちなみに、育児休業の開始から6ヶ月経過後は50%になるため、15万円が育児休業給付金として支給されます(支給日数が30日であるとき)。】

パパママ育休プラス制度とは?

近年の核家族化や保育園不足などは、子育てにおける問題として挙げられます。その打開策として、また男性の育児参加への促進を目的として、育児休業の期間に「パパママ育休プラス制度」という特例が設けられています。

この制度は父母の双方が育児休業を取得する場合、子が育児休業の原則1歳になるまでから1歳2ヶ月になるまでに期間を延長することができるというものです。また、パパママ育休プラス制度の利用についても育児休業給付金が適用されており、要件を満たす場合は子が1歳2ヶ月に達する日の前日までの間、1年まで育児休業給付金が支給されます。

この要件とは、

  • 育児休業開始日が1歳に達する日の翌日以前である場合
  • 育児休業開始日が配偶者が取得している育児休業期間の初日以後である場合
  • 配偶者が当該子の1歳に達する日以前に育児休業を取得していること

これら3つをいい、いずれも満たしていなければなりません。また、定められている配偶者には、国家公務員、地方公務員等の公務員である場合も含まれています。

実際の手続きに必要なこと

育児休業給付金を受ける場合には申請が必要となります。あわせて、この申請は一度限りではなく、原則として2ヶ月に1度行う必要があることに留意しましょう。

この申請手続きとして事業主は、事業所の所在地管轄のハローワークへ

  • 育児休業する労働者の休業開始時賃金月額証明書

同時に

  • 育児休業給付受給資格確認票
  • (初回のみ)育児休業給付金支給申請書

これらを提出する必要があります。また、初回支給申請の場合は

  • 賃金台帳
  • 出勤簿など

支給申請書の記載内容を確認できる添付書類も必要となります。提出は初回の支給申請(休業開始日の初日から起算して4ヶ月を経過する日の属する月末)を除く、指定された期間に行いましょう。

また、「パパママ育休プラス制度」の申請手続き方法については、ハローワークインターネットサービスより「雇用継続給付」ページ内の「育児休業給付について」で、ご確認ください。

ちなみに労働者が自らこの申請手続きを希望している場合、事業主ではなく本人が申請を行うことも可能です。

育児休業の延長について

最後に育児休業の延長についても押さえておきましょう。休業期間中に子供を預ける保育所が見つからない等といった、特別な理由がある場合には、子が1歳6ヶ月に達する日前までの期間に育児休業を延長することが可能となります。

ちなみに、「パパママ育休プラス制度」では、育児休業終了予定日とされた日が子の1歳に達する日以降である場合、休業終了予定日の翌日から1歳6ヶ月までの間で延長可能となります。延長していても、前述の育児休業給付金の支給対象となりますので、よく確認しておきましょう。

【内部リンク:育児休暇の期間について。今年の10月から最大2年に延長されます!

まとめ

今回は育児休業中の手当である育児休業給付について、給付に該当する労働者の条件や支給額、その申請の流れについて解説しました。出産や育児は特別な事情が生まれることも多いイベントなので、規定や申請については複雑になりがちです。

しかし、労働者の重要なライフイベントであるとともに、現代では企業側のサポート体制も社会的信用等においては大変重要であることに変わりはありません。そのため、事業主は労働者の出産や育児が発生する場合には柔軟に対応するとともに、誠実な対応がもとめられている部分であるといえます。

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