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パパ・ママ育休プラスとは?制度内容と取得条件をわかりやすく解説

パパ・ママ育休プラスとは?制度内容と取得条件をわかりやすく解説

監修者:労務SEARCH 編集部
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パパ・ママ育休プラスとは両親で育児休業を取得する場合、その育児休業期間について延長できる制度であり2010年に制定されました。

育児休業については、2022年の育児・介護休業法改正でさらに男性が取得しやすくなったため、実際に導入している企業も少なくはないでしょう。企業担当者であれば、パパ・ママ育休プラスについても再度、内容や条件を確認しておきたいところです。

この記事では、パパ・ママ育休プラスの制度内容や取得条件について詳しく解説していきます。

パパ・ママ育休プラスとは

パパ・ママ育休プラスとは

パパ・ママ育休プラスとは、夫婦が共に育児休業を取得して、一緒に子育てができることを目的として、育児休業の特例として2010年に施行されました。

POINT

パパ・ママ育休プラスとは休業可能期間を延長できる特例

後述していますがこれまでは、母親と父親どちらも育児休業期間は原則として子供が1歳になるまででした。パパ・ママ育休プラスが施行されてからは、男性がより育児に参加できるよう一定条件下で育児休業期間が延長できるようになりました。

通常の育児休業については育児介護休業法に基づき、原則「子供が1歳になる日の前日まで」の期間で取得できるという決まりがあります。


育児介護休業法 第5条

労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業(第九条の二第一項に規定する出生時育児休業を除く。以下この条から第九条までにおいて同じ。)をすることができる。


ですがパパ・ママ育児休業プラスでは、両親が育児休業を取得するかつ、後述する一定条件を満たしている場合、育児休業期間を「子供が1歳2カ月になる日の前日まで」に延長することができます。

パパ・ママ育児休業プラスにより、夫婦どちらかが育児休業期間を終えても、もう1人がそこから2カ月の育児休業延長になるため準備期間などが設けられるなどのメリットもあります。

パパ・ママ育児休業プラスのメリット

  • 子供が1歳2カ月になるまで延長できる
  • 育児休業給付金も受け取れる
  • 母親の復帰準備などができる

また、パパとママが必ずしも同時に取得しなければいけないという訳でもありません。状況に応じて交代で取得することや、もちろん同時取得も可能です。しかし、1人あたりの育休取得可能最大日数は、産後休業含め最大1年間であるため注意しましょう。

パパ・ママ育休プラスの取得条件

パパ・ママ育休プラスの取得条件

パパ・ママ育休プラスは、両親が育児休業を取得する場合に一定条件下で期間が延長できるという特例でした。

では、取得するための一定条件とはどのような内容なのでしょうか。パパ・ママ育休プラスを利用するためには以下4つの条件を満たさなければ適用されません。

パパ・ママ育休プラスの取得条件

  • 夫婦が双方とも育児休業を取得していること
  • 配偶者が、子供が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
  • 取得者本人の育児休業開始予定日が、子供の1歳の誕生日以前であること
  • 取得者本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降であること

上記を簡単にまとめると、子供が1歳になる前に夫婦どちらかが育児休業を取得していて、あとからパパ・ママ育休プラスを利用する配偶者も、同じく子供が1歳になる前に育児休業を開始する必要があるということです。

育児休業の取得が大前提

パパ・ママ育休プラスの利用は、夫婦ともに「育児休業を取得していること」が前提条件です。

そのため、夫婦のうち片方が専業主婦/夫であれば利用することができません。

雇用形態については、契約社員の方も育休プラス制度を取得可能です。

パパ・ママ育休プラスの取得例

パパ・ママ育休プラスの取得例

パパ・ママ育休プラスは、子供が1歳2カ月になるまで育児休業期間を延長できます。母親と父親とで話し合って役割分担などを決めると思いますが、その前に雇用保険被保険者の女性が受けられる「産後休業」についておさらいしておきましょう。

POINT

産後8週間は「産後休業」とされる

労働基準法第65条に基づき、雇用保険に加入している被保険者が出産した場合は産後から8週間は原則として就労することができません。産前で妊娠している場合は、申請することで出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)より「産前休業」を取得することもできます。

つまり、母親が出産してからもらうお休み期間は、まず「産後休業」に8週間入り、その後に「育児休業」に入るという流れになります。

上記を踏まえたうえで、パパ・ママ育休プラスの取得例を紹介します。なお、すべて2023年1月1日を出産日と仮定します。

母親と父親が交代する取得例

まずは、産後1年間は母親が育児を担当して期間終了が来たら父親にバトンタッチするというパターンです。

パパ・ママ育休プラスで後半2カ月を父親が担当

2023年1月1日を出産日とするため、母親は8週間後の2月27日から育児休業となります。育児休業は、産後休業含めて最大1年間の取得日数であるため12月31日までが母親の取得期限です。そのため配偶者である父親が1月1日から2カ月間、パパ・ママ育休プラスを利用して育児休業を取得します。

上記の例のように、父親は当分経済的なサポートとして支援するという形をとる家庭も多いでしょう。母親が育児休業期間を終えた後は、子供を父親に任せていられるため自身の復職準備もできるでしょう。

今回はわかりやすく1年ぴったりで交代としていますが、夫婦で話し合ってしっかりと役割分担をしましょう。

母親と父親が共同で育児をする取得例

次に、夫婦一緒に育児をしたいという家庭向けの取得パターンです。

夫婦共に、できるだけ長い期間育児を担当

母親と父親揃って一緒に育児休業期間を合わせることも可能です。最大日数を一緒に育児されるのであれば、パパ・ママ育休プラスを利用する配偶者は子供が1歳2カ月になるちょうど1年前である3月1日から育児休業を取得すると良いでしょう。

上記の例は、両親で長い期間育児に時間を使いたいというケースです。母親はどうしても産後1月1日から12月31日までの1年間を育児休業とし、父親はパパ・ママ育休プラスを利用して3月1日から翌年2月末(子供が1歳2カ月になる日)まで育児休業を取得します。

そうなれば期間が被っている3月1日から12月31日までの10カ月間を共に育児にあてることができます。

パパ・ママ育休プラスで育児休業給付はどのくらいもらえる?

パパ・ママ育休プラスで育児休業給付はどのくらいもらえる?

パパ・ママ育休プラスを利用した場合にもらえる育児休業給付は、通常の雇用保険制度から支給される育児休業給付金と割合は同じです。

育児休業給付の受給額

  • 育児休業開始日より180日は、休業開始時賃金日額 × 支給日数(原則30日)の67%
  • 育児休業開始日より181日移行は、休業開始時賃金日額 × 支給日数(原則30日)の50%

ですが、パパ・ママ育休プラスを利用すれば2カ月分多く受給することができるためその点はメリットと言えます。育児休業給付金の受給条件が、本来の項目と変わりなく以下となります。

育児休業給付の受給条件

  • 1歳未満の子を養育するために、育児休業を取得した被保険者であること
  • 育児休業を開始した日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は就業した時間数が80時間以上の)月が12カ月以上あること
  • 1支給単位期間中(支給単位期間とは、育児休業を開始した日から起算した1カ月ごとの期間、その1カ月の間に育児休業終了日を含む場合はその育児休業終了日までの期間をいう)の就業日数が10日以下または就業した時間数が80時間以下であること。

次に、実際にパパ・ママ育休プラスを利用する際の申請方法について解説します。

パパ・ママ育休プラスの申請方法

パパ・ママ育休プラスの申請方法

パパ・ママ育休プラスを利用して育児休業を取得する場合は、通常の育児休業申請に加えて以下の書類が必要になります。

パパ・ママ育休プラス
申請時の必要書類

  • 育児休業申出書
  • 育児休業給付金資格確認表
  • 育児休業給付金支給申請書
  • 住民票の写しなど支給される対象者の配偶者であることを確認できる書類
  • 配偶者の育児休業取扱通知書の写し、または配偶者の疎明書などの配偶者が育児休業の取得を確認できる書類
    配偶者が雇用保険の育児休業給付金を受給していない場合、または雇用保険被保険者番号の記載がない場合に限る

パパ・ママ育休プラスは、必ず配偶者に関する証明としての書類が求められます。育児休業給付は自身たちでもハロワークへ申請することができますが、基本的には会社を経由して申請手続きをしてもらうのが良いでしょう。

パパ・ママ育休プラスに関するよくある質問

パパ・ママ育休プラスに関するよくある質問

パパ・ママ育休プラスが取得できないケースは?
パパ・ママ育休プラスの取得条件は夫婦がともに「育児休業を取得する場合」が前提としてあります。育児休業は原則として雇用されていること、一定日数就労していることなどが必須です。そのため専業主婦・主夫の方が利用することはできません。
パパ・ママ育休プラスでも育児休業給付金をもらえる?
パパ・ママ育休プラス特例を利用した場合でも、育児休業給付金が受け取れます。受給額は育児休業期間開始より180日までは月額給与の67%、181日より先は50%がもらえます。
パパ・ママ育休プラスを企業が導入すると得られるメリットは?
パパ・ママ育休プラスを導入することで、従業員のライフスタイルをサポートすることができます。その結果、会社に対する評価もアップすることが見込めるでしょう。また、男性への子育て参画と女性の活躍促進などにも大きく繋がります。
育児休業給付金の受給条件は?
1:1歳未満の子供を育てるために育児休業を取得していること。2:開始より前2年間で、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月あること。3:1支給単位期間中は就労日数が10日以下であること。が受給条件です。

まとめ

パパ・ママ育休プラスとは、育児休業についての特例制度であり子供が1歳2カ月になるまで最大延長できるという内容でした。

2022年4月に育児介護休業法が改正されたことなど、より育児に対する問題意識が進んでいっています。また産後パパ育休をはじめとする男性の育児休業促進の動きも加速しています。

これからの会社の在り方として、性別問わず各種育児支援制度の導入は必要不可欠とも言えるでしょう。

従業員や会社担当者が、パパ・ママ育休プラスや育児休業等取得者申出書の書き方などについてよく理解しておくことで対応がスムーズになります。育児休業を利用する際はぜひ本記事の内容を参考してみてください。

監修者労務SEARCH 編集部

労務・人事・総務管理者の課題を解決するメディア「労務SEARCH(サーチ)」の編集部です。労働保険(労災保険/雇用保険)、社会保険、人事労務管理、マイナンバーなど皆様へ価値ある情報を発信続けてまいります。
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