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育児休暇にまつわる年末調整や休暇計算についてまとめてみた

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人事労務管理人事労務管理の業務/手続き

育児休暇にまつわる年末調整や休暇計算についてまとめてみた

育児休暇中には給付金や手当など金銭が支給されます。育児休暇中の社員を抱える企業の人事担当者は年末調整や確定申告の時期が来たらどうしようと思われている方も多いはず。

常日頃行われることではないため、年末調整がどのように行われるのか、申請の注意点などをまとめてみました。

育児休暇・産休はどのくらいの期間取得させられるのか

産休は、法律で決められており、出産予定日を基準として産前6週間と出産後8週間の休業が必要になります。特に、出産後の8週間は労働基準法で就業することが認められていません。

ただし、産休後6週間が経過し、本人の申請があり、医師が就業に支障がないと認めれば就業することが可能です。逆をいいますと、産後の6週間は、たとえ本人が希望しても就業はさせられないことになり、違反した場合は【6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金】も設定されています。

育児休暇は、子どもが1歳に達するまで取得が可能ですが、保育園が見つけられない場合や、本人もしくは配偶者に何らかの問題(病気、離婚、死別等)があれば、2歳までの延長が可能です。

詳しくはこちらの記事をご覧ください:
▶産前産後休暇とは?取得可能日数や育児休業との関係を確認してみましょう

育児休業にプラスして、失業保険をもらう事は可能か

社員が育児休業を取得後、会社を退職した場合、失業保険をもらうことは可能です。

育児休業中は会社に在籍し、雇用保険被保険者になっています。そのため、対象にあてはまります。ただし、必ずしもそうとはいえませんが多くの場合は、所得が減っているためもらえる金額は減ること、退職して育児に専念する場合は就職の意思があるものの就職できないときに支給されるという趣旨である失業保険をもらうことができない、といった場合はあります。

失業保険は支給されるまでに、自己都合による離職の場合は3カ月間無支給の期間があり、支給中はハローワークの担当者と定期的な面談も必要となります。失業保険の支給は、退職日からではなく、手続きの完了日からになります。

育児休暇中の給付金や手当は所得に含まれるのか

産休・育児休暇中にもらえる給付金には、出産時に通常42万円が給付される出産育児一時金(協会けんぽ参照)や出産手当金(協会けんぽ参照)、1歳未満の子どもを養育する必要のある者が育児休業を取得したときに、要件を満たせば受け取れる育児休業給付金があります。

これらの給付金や手当は所得に該当しないため、税金は一切かかりません。
そのため、年末調整の手続きには当てはまらず、1月~12月の期間内にこの手当のみしか収入がない場合、申告は不要です。

また、先に述べた失業保険も所得に該当しません。

育児休暇中の社員の年末調整はどのようにすればいいのか

育児休業中の社員に対しては企業側が年末調整を行います。その際、社員から扶養控除等申告書を受け取る必要があります。

出産・育児を理由に退職してしまった社員には、自身で確定申告をしないといけないことをアナウンスしましょう。

年末調整、扶養に入るのは得か損か

ここからは、人事部にも相談が来る内容をまとめてみました。
年末調整時の申告書に記入する際に、扶養の部分で問い合わせが来るかと思います。下記をご覧ください。

社員が共働きの方の場合、収入がそれぞれにあるため配偶者控除を利用していない方も多いはず。ですが、育児休業に入れば収入が減るため、控除が利用できる場合があります。

所得税の計算の期間は1月~12月。その期間中の給与はいくらあったでしょうか。
この場合の給与は、給与明細に書かれてあるものであり、税金等が引かれる前のものを指します。また出産・育児に関わる手当・給付金は所得ではないため、差し引いて考えてください。

年間103万円以下の場合―配偶者控除を利用する

この場合は所得税が返ってきます。通常通り、企業側で年末調整をし、社員の配偶者の勤め先の扶養控除等申告書にも配偶者控除として記入をします。

年間103万円から105万円以下の場合

住民税や所得税が発生してきますが、年間103万円以下同様、配偶者控除の利用が可能です。育児休暇・休業の場合、自治体によっては住民税が減額・免除のところもあるため、各自治体へ問い合わせするようアナウンスしてください。

年間150万円以上201万円以下の場合―配偶者特別控除

企業側で年末調整をし、社員の配偶者の勤め先では、配偶者特別控除を利用します。

*配偶者特別控除の変更点

配偶者特別控除は2018年の新制度から大きく変わりました。大きなポイントは対象となる配偶者の合計所得金額が大きく引き上げられたことです。この改正により、123万円にひきあげられたため、減税効果がより上がりました。

年間201万円以上の場合―控除不可

特に、その年の半期から育児休暇に入った方が多いのですが、201万円以上の場合は配偶者控除も配偶者特別控除も利用ができません。そのため、企業側のみで年末調整を行うとよいでしょう。

年末調整に関する控除と還付時期

育児休暇中にはなにかと出費がかさみます。年末調整の還付金も大事な資金です。
では、いつの時期に年末調整の還付金が支払われることになるのでしょうか。控除についてもう少しお話します。

年末調整で可能な控除は他にどのようなものがあるか

配偶者控除や配偶者特別控除もそうですが、社員の育児休暇中に年末調整に関する書類の提出を総務部から依頼します。
ですが、どのようなものが控除可能なのか社員へ伝えておかないと、必要な書類を捨てしまうといったようなことが起こりかねません。そうなると、企業側も書類を回収できません。

もちろん申告制であるため、企業側から過度に伝える必要もないかもしれませんが、控除に関する内容は把握し、事前に伝えておくと親切です。

住宅ローン控除

103万円以上の所得がある場合は控除が可能です。源泉徴収票に書かれている源泉徴収税額に、負担する所得税がかかれていれば、控除が可能です。

最近では、夫婦で分担してローンを組んでいる方が多いです。
その場合、分担割合をあらかじめ決めるのですが、特に妻の割合が多いと、育児休暇中に所得が下がれば、控除できなくなります。妻の住宅ローン控除を夫に移すことはできないのです。分担割合を決める際はその点を注意してもらう必要があるでしょう。

生命保険料控除

以下の保険に社員が加入している場合、10月頃に生命保険料控除証明書が郵送されます。
年収によっては、所得税・住民税が安くなる場合があるため保管を勧めましょう。

  • 生命保険料
  • 個人年金保険料
  • 医療保険料 等

他には、社会保険料控除や地震保険料控除などあります。

扶養家族が年末調整期間に増えた場合はどうするか

年末調整期間に家族が増えたと連絡があった場合どのように対応すればよいのでしょうか。よく問い合わせがあるのですが、配偶者控除と混同さている方が多いです。
扶養控除は16歳以上のため、もし年末調整期間に子どもが増えたとしても手続きする必要がありません。

年末調整の還付の時期はいつ頃なのか

年末調整の還付の時期は、一般的には12月の給料日です。年末調整の変更が必要な場合は、翌年の1月31日までが期限のため、手続きが遅れる場合であっても、1月中には還付されます。

育児休暇中に年末調整をするのが間に合わなかった場合

企業側が手続きする期間中に書類がそろわない等、年末調整が間に合わない場合や、変更の期限が過ぎてしまった方もいるはずです。その場合、過去5年までの分であれば、確定申告で還付申告をすることが可能です。

必要な書類は保存し、自身で申告するように伝えておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。育児休暇・休業中の年末調整は非常に煩雑な作業です。会社自体、常日頃からこの手続きをするわけでなく、育児休業の社員が出るたびの対応になってしまいます。
もちろん、手当等は被保険者の申告制になりますが、企業側が出産・育児に関しての情報を周知する努力義務があります。

スムーズな対応ができるよう、内容を把握しておくことに加え、気軽に質問ができる専門家を用意しておくことをおすすめします。

ソビア社会保険労務士事務所 代表社労士/ホワイト財団 代表理事|五味田 匡功

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