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経理担当必見!めんどうな給与明細についてまとめてみた

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人事労務管理人事労務管理の業務/手続き

給与明細の作成は高い専門性が求められる作業の一つです。長年担当していても、細部の項目については法改正などの最新情報を常に得ている必要もあります。今回はそうした給与明細の必要性と経理担当として知っておきたいクラウドサービスの現状にも迫りたいと思います。

給与明細の発行は義務付けられているのか?

労働基準法では、給与明細の作成が義務付けられているわけではありません。しかし、所得税法第231条や健康保険法第167条第3項、労働保険の保険料の徴収等に関する法律第32条第1項によると、控除額を従業員に通知することが義務付けられています。これは、給与から所得税や社会保険料、労働保険料などを控除した場合です。

また、多くの企業では銀行振込によって給与を支払っているかと思います。厚生労働省の通知(※平10.9.10 基発第530号)によると、銀行振込の場合、基本給や諸手当といった支給額、源泉所得税や社会保険料などの控除額、これらを計算した最終的な手取りの支給額を計算書に記入して、従業員に交付する必要があります。

※「第167条3 事業主は、前2項の規定によって保険料を控除したときは、 保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない。」

  • 基本給・各手当を種別ごとに記入
  • 源泉徴収税額・社会保険料額等、控除した項目ごとの金額
  • 支払った金額(手取り額)

給与明細の3つの要素

給与明細には、「勤怠項目」「支給項目」「控除項目」の3つの項目を記入します。支給項目に示した総支給額から控除項目の合計額を差し引いた金額が、その月の口座振込額、従業員の手取りの給与額となります。

  1. 勤怠項目

    給与明細の勤怠項目には、出勤日数・欠勤日数・労働時間・残業時間や有給休暇取得日数・有給残日数などを明記します。

  2. 支給項目

    給与明細の支給項目には、基本給・時間外手当(残業手当)・通勤手当・住宅手当・家族手当など各種手当の金額を明記します。

  3. 控除項目

    給与明細の控除項目には、給与から徴収した所得税や住民税などの税金、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などの控除額を明記します。

従業員の給与計算方法

給与の計算は以下の手順に従って行います。

(1)労働時間の集計

出退勤を記録しているタイムカードや勤務表から、従業員の1カ月分の労働時間を集計します。また、勤務日数・欠勤日数・有給取得日数・有給残日数なども集計します。

(2)課税支給額の計算

基本給の他に、時間外労働手当などがある場合はその分を加算します。また欠勤や遅刻、早退などがある場合は、必要に応じて減らしましょう。これらの基本給と諸手当が、課税される際に対象となる課税支給額となります。

(3)通勤手当の計算

通勤手当は公共交通機関であれば月15万円までは課税対象から外されますので、課税支給額とは別で計算します。通勤手当には通常、定期代や切符代が該当します。

(4)控除額(健康保険料、雇用保険料、厚生年金保険料)の計算

上記の支給額を算出したら、次は控除額を算出することになります。控除の対象となるのは主に健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料です。保険料はそれぞれ定められた保険料率を元に計算されます。

(5)源泉所得税の計算

課税対象額に国税庁が提示している給与所得の源泉徴収税額表
(出典:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2018/01.htm)に当てはめて、所得税を算出します。1社だけに勤務している場合も、複数の会社に勤務している場合も、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している会社では「甲」、そうでない会社では「乙」の欄を確認します。

(6)控除額の差し引き

最初の支給額から控除額を差し引くことで、手取り支給額が確定します。

給与明細書はWEBで発行する時代へ

近年、給与明細書の発行を、クラウドサービスなどを活用しWEBで行っている企業が増えています。ペーパーレス化で業務の効率化を計りましょう。経理担当として知っておきたいクラウドサービスの現状に迫ります。

給与明細の電子化はOKなのか

所得税法では、「交付を受ける従業員が承諾すれば明細の電子化は可能なものの、書面での交付請求があれば応じなければならない」とされていますので、いつでも印刷できる状態にしておきましょう。

WEB明細の3つのメリット

  1. ペーパーレス化でコスト削減できる

    大きなメリットの一つは、今まで紙で発行していた給与明細を電子化できることです。社員が100名いたとすると、毎月100枚の給与明細を発行する必要があります。これでは会社規模が大きくなればなるほど、コストがかかってしまいます。クラウドサービスなどシステムを導入することでペーパーレス化が実現し、経費や手間を削減できます。

  2. 管理が簡易化し業務効率UP

    システムで管理をすると、たとえば税率が変動した場合にも自動で対応ができます。そのため、従来のようにエクセルなどを使って手動で計算をした場合の打ち間違いや数式エラーなどの人的ミスが減り、数字を打ち込むだけで給与計算が簡単に終わります。

  3. スムーズな対応が可能になる

    発行した給与明細を紛失した場合の再発行や、過去分の発行が必要なときに、紙ではなくデータで管理をしておくことで、簡単に対応できるので従業員からの要望にすぐ応えることができます。

WEB化するときの注意点3つ

  1. 従業員へWEB化の周知が必要である

    給与明細をWEB上のメールやクラウドサービスを利用して管理するときに、どのようなサービス・ソフトを選択するかによって運用方法が変わります。選択したものによっては、使い方や管理方法が複雑になり、またPC操作が苦手な社員が、確実に利用できる状態にする必要があります。

  2. 書面でも用意できる状態にしておく必要がある

    先述した通り、所得税法によると、書面での管理からデータ管理へ移行する場合には従業員の許可を得る必要があります。従来通り、「給与明細は書面でも欲しい」と言われる場合は、印刷できる状態にしておかなければなりません。

  3. 情報漏洩の危険性がある

    データで給与明細を管理するということは、利便性がある反面、第三者に情報が漏洩してしまう危険性も考えられます。そのため、セキュリティソフトの導入や定期的なパスワードの変更など、最新の対策を常に考える必要があります。

企業側はいつまで給与明細を保管しておくべきか

企業側は、従業員に配付する給与明細自体を保管しておく必要はありません。しかし、給与計算に関する情報が記載されている書類は保管義務が定められています。保管期間に分けてご紹介しますので、それぞれ下記書類にはご留意ください。

3年の保管義務が定められているもの

  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿

7年の保管義務が定められているもの

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書
  • 源泉徴収簿

入退社の多い企業や管理部門の従業員の少ない企業では作成が手間になってしまうケースも多々あります。また、複数種類の書類を複数年度分保管することになりますので、一元管理したいものです。書類やデータの紛失・破損のリスクを考慮すると、クラウドサービスの利用を検討することをおすすめします。

まとめ

給与明細の発行は、従業員との話し合いを行いながら、WEB化を進めることでコストの削減になり、またドキュメントの保管も同時に行え、ペーパーレス化を進めつつ社内のデータ一元化と管理コストを下げながら、様々なデータ管理を進めることが可能になります。

働き方革命が話題になる昨今では、クラウドシステムの導入により、こうした合理化を進めることも、企業の競争力を維持する重要なポイントになりそうです。

現在、クラウドサービスを利用した労務管理は給料計算に留まらず、労務管理全般の合理化と一元管理化を目指しており、代表的なものにワンストップ電子サービスとして「オフィスステーション」などのサービスも登場しました。この機会にこうしたサービスの導入なども検討してみてはいかがでしょうか。

ソビア社会保険労務士事務所 代表社労士/ホワイト財団 代表理事|五味田 匡功

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