産休、育休中は社会保険料が免除にされます。 申請手続きや免除される期間、終了した場合の対応方法を解説!

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産休中は、社会保険料が免除される保険料免除制度を利用できます。事業者・被保険者ともにメリットがあります。

今回は、産休中の保険料免除のための申請手続きや適用期間、免除額を解説します。

この記事でわかること

  • 人事・労務担当者が覚えておきたい保険料免除におけるポイント
  • 保険料免除制度を利用した場合の免除額
  • 事業主、従業員双方のメリット
  • 保険料免除に必要な申請書類や産休終了時の具体的な対応方法
監修者
難波 聡明

なんば社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士
https://www.namba-office.osaka.jp/

ワークスタイルコーディネーター。社会保険労務士
社会保険労務士の中でも10%に満たないと言われる助成金を専門に手掛けるの社会保険労務士。

産休、育休中の保険料免除制度とは

産前産後休業保険料免除制度とは

産休、育休中、保険料免除制度を利用すると産前産後休業期間中(産前42日(多胎妊娠は98日)、産後56日のうち、妊娠・出産を理由として業務に従事しなかった期間)の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が免除されます。

事業主・従業員ともに、負担する社会保険料が免除されます。

また、従業員は社会保険料が免除されても、将来受け取れる年金の減額や被保険者資格の変更・喪失はされません。

産休、育休を含めて、免除期間が設けられ、休業中の雇用保険料は発生しませんが、住民税は“有給””無給”にかかわらず納付しなければなりません。そのため、産休、育休期間中は注意が必要です。
給与を支払った場合は、雇用保険料を納めなければなりません。

対象者は産休、育休を取得する従業員と育児休業期間中の従業員が含まれます

人事・労務担当者が知っておきたいポイント

  • 出産とは、妊娠85日(4カ月)以降の出産(早産や死産、人工妊娠中絶)を指す
  • 産休、育休期間の変更や産休終了予定日よりも早く産休、育休期間が終了する場合、「産前産後休業取得者変更(終了)届」の提出が必要
  • 産休、育休の免除期間が重複する場合は、産休が優先される
  • 出産予定日が変更になる場合や予定した育休期間が変更になる場合は、変更届の提出が必要
事業主の社会保険料免除の注意点
対象期間 免除の有無
産休期間 事業主負担の社会保険料は免除
育休期間 事業主負担の社会保険料は免除されません

産休中の保険料免除手続き

産前産後休業中の保険料免除手続き

産休、育休休業期間中は以下の手続きをおこなうことで社会保険料が免除されます。
保険料免除制度を適用するためには、産休、育休期間中に以下の申請が必要です。

保険料免除の申請手続き
手続き期間 被保険者が産休、育休を取得したとき(産前産後休業期間中)
提出者 事業主
提出先 加入する健康保険組合 / 事業所の所在地を管轄する年金事務所
提出書類 健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届
添付書類 なし
提出方法 郵送・窓口申請(年金事務所のみ)・電子申請

▼健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届

▼健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届

健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届

保険料免除手続きのポイント

    • 産休、育休期間中の有給・無給は問われません。
    • 保険料の免除は月単位で計算されます。

産休、育休開始月から終了予定日の翌日が属する月の前月(産休、育休休業終了日が月の末日の場合は産休、育休終了月)までが対象期間

 

産休、育休中の保険料免除額

産前産後中・育児休業中の保険料免除額

産休、育休休業・育児休業期間中の社会保険料は、休業中に免除申請をおこなうことで、経済的負担を軽減できます。

東京在住、2022年4月1日出産予定(出産予定の子どもは1人)の従業員
産休、育休を取得する予定
産休期間:2022年2月4日~2022年5月12日
育休期間:2022年5月13日~2023年5月12日

育児休業期間は子どもが満1歳になったときに職場復帰を想定

保険料免除額(交通費込み/ボーナスなしを想定)
収入目安 社会保険料免除額
月収16万円 / 年収192万円想定 産休期間:67,464円 育休期間:247,368円
月収20万円 / 年収240万円想定 産休期間:84.330円 育休期間:309,210円
月収30万円 / 年収360万円想定 産休期間:126,495円 育休期間:463,815円
月収40万円 / 年収480万円想定 産休期間:172,875円 育休期間:633,875円

保険料免除制度の利用は、社会保険料負担軽減だけなく、キャリア志向の女性や女性管理職を定着させる、男性の育児休業を促進させる効果が期待できます。

産休休業の変更・終了時の対応

産前産後休業の変更・終了時の対応

保険料免除を受けている被保険者が、出産によって産休休業期間に変更または予定より早く復職した場合、以下の届け出を提出します。

「健康保険・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書/変更(終了)届」は、事業主が日本年金機構に提出します。

子どもが3歳までの間、勤務時間短縮等の措置を受けて働き、それに伴って標準報酬月額が低下した場合は、将来の年金受給額に影響がでないように、子どもが生まれる前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができる措置があります。

この措置を受けるためには、日本年金機構(管轄の年金事務所)に「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書・終了届」を提出します。

さらに産休終了日に当該産休に係る子を養育している被保険者は、一定の条件を満たす場合、随時改定に該当しなくても産休終了日の翌日が属する月以後3カ月間に受けた報酬の平均額に基づき、4カ月目の標準報酬月額から改定できます。

この措置を受けるためには、「産前産後休業終了時報酬月額変更届 厚生年金保険 70歳以上被用者産前産後休業終了時報酬月額相当額変更届」を日本年金機構(管轄の年金事務所)へ提出します。

対象となる従業員がいる場合、忘れずに申請しましょう。

 

産休、育休中の保険料免除制度:まとめ

産休、育休期間中の保険料免除制度とは、従業員、事業主の経済的負担を低減できる制度です。

事業主は従業員からの申し出があった時点で、速やかに健康保険組合や事業者の所在地を管轄する年金事務所に申請をし、復帰に向けたサポートをおこないましょう。