労務SEARCH > 人事労務管理 > 人事労務管理の業務/手続き > テレワークで働かない人・働きすぎな人の二極化!? 人事労務担当者が認識すべき課題とは

テレワークで働かない人・働きすぎな人の二極化!? 人事労務担当者が認識すべき課題とは

この記事でわかること

  • テレワークによる業務時間の管理が難しく、働きすぎと働かない人が生まれる
  • 働きすぎを防ぐためには、通勤時間の削減や集中しやすい環境が原因であることを理解し、対策を講じる必要がある
  • 管理職による監視よりも、社員一人ひとりの自主性に基づく意識改革と、適切なマネジメントの方法を見つけることが重要

テレワークを採用する大企業も増え、社員の労務管理の徹底が求められており、管理職だけでなく、人事労務担当者として新たな仕組みや管理方法を見つける必要があります。

業務時間が曖昧になりがち

業務時間が曖昧になりがち

出社を前提とした勤務は周囲の目があり、勤務時間内はしっかりと仕事をこなす姿が一般的でした。

しかし、テレワークとなると業務への取り組みは従業員に一任されるため、勤務時間中、業務以外のことに時間を費やしていないか、または業務時間以上に仕事をおこなっていないかの判断がとても難しくなっています。

就業規則に定めた勤務時間より業務に従事していない従業員は問題ですが、企業として敏感にならざるを得ない問題は勤務時間以上に業務にあたっていないか、つまりはサービス残業が蔓延している状態です。

2020年4月には中小企業を含む全企業に罰則付きの時間外労働の上限規制が施行されました。企業にはテレワークにおいても、コンプライアンス(法令遵守)の健全化が求められており、適切な勤怠管理をおこなう必要があります。

人事労務担当者として、テレワークをおこなっている社員の働き過ぎを防ぐためにも措置を実施しなければなりません。

そのため、テレワークで働きすぎている原因を特定し、対策を立てるべきです。

テレワークで働き過ぎる原因

  • 通勤時間がなくなったこと
  • 作業に集中できる

テレワークによって、通勤時間がなくなってしまうため、出社勤務よりも働いていない感覚が強くなってしまうことが考えられます。また、出社勤務では、上長から話しかけられる、ちょっとした会議が発生しやすいなど作業を中断する機会が多いといえます。テレワークでは、こうした機会もないため、作業に没頭するため、働き過ぎへとつながってしまう可能性があります。

こうした社員の働き過ぎを防ぐためには、社員に適度な休憩を促す上司の気遣いや、自宅での働く環境(プライベートスペースと業務スペースを分けるなど)を改善する指導が最適です。物理的な問題で働く環境の構築が難しい場合、福利厚生によって、補填するなども検討します。

一方で、巷でも話題となっているようにテレワークやテレワークでは”働いているフリ”をしている社員の存在も平等を保つためには看過できない問題です。

管理職による監視はマイナス効果

管理職による監視はマイナス効果

“働いているフリ”をしている社員の是正において、管理職による適切なマネジメントが必要となりますが、

そもそも「なぜ管理職が部下を監視する必要があるのか」という根本的な原因を考えなければなりません。

管理職による監視が必要な理由

  • 数値で計測できるアウトプット(成果物)がない
  • 履歴を残しにくい業務が多い
  • 部下の健康状態や進捗を把握できない

日本企業の多くがメンバーシップ型雇用(人に仕事がつく)を採用しており、ジェネラリストの比率が多くなっています。そのため、雑務や会議への出席も業務のひとつとされ、協調性が重視されていました。

しかし、テレワークで価値の高い人材は数値で計測可能かつ必要最低限の時間で成果を達成できる共通点があります。“働いているフリ”をしている社員は“働いていない”のではなく、業務そのものが曖昧で価値の低い業務が集中していると考えられます。

こうした数値化できない、可視化できない業務はひとつひとつにKPIを設定し、成果として残る運用方法が効果的です。

数値化・可視化の仕方

  • 資料作成では、数や作成に要した時間
  • ディレクション業務はコミュニケーションツールでのやりとり
  • フィードバックが可能な業務の再定義
そもそも数値化・可視化できる業務であれば、自動で計測できるため、監視を前提とした進捗報告は必要ありません。

社員一人ひとりの業務に対する意識改革

社員一人ひとりの業務に対する意識改革

今後、テレワークを浸透させていくためには、社員一人ひとりが達成状況を意識し、自主的にゴールを設定できる人材に成長しなければなりません。

率直に言えば、テレワークは成果主義が前提です。
そのため、従業員一人ひとりが自分の業務が会社にどれだけ利益を生み出すかを意識し、業務に取り組む必要があります。意識改革は人事部が主導して、社員の自覚を高めなければなりません。

一方で、経営者の意識改革も必要です。テレワークの推進を反対する経営層も珍しくありません。出社勤務こそが唯一のマネジメント方法である考える先入観を持つ経営者には、テレワークによる恩恵(コスト削減や生産性向上)と、マネジメントのおける不安を払拭させる方法(マネジメントの自動化)を提示しましょう。

働きすぎ・働かない人の対応方法

働きすぎ・働かない人の対応方法

人事担当者としてテレワーク勤務者の働き過ぎに気付ける仕組みも必要です。パソコンの閲覧時間やログイン・ログアウト時間、人事担当者との定期的な面談が効果的です。

一方で、働かない社員には、パソコンの閲覧履歴やコミュニケーションツールのログ監視などが有効です。先述した通り、管理職による度重なる進捗確認といった監視は成果を出す社員のモチベーションを下げ、働かない社員の抜け道として機能する可能性があります。

社員の働きぶりを測定できる自動化ツールや業務内容の明確化、評価基準の見直しで、働きすぎや働かない社員のどちらにも対応できます。

働き過ぎ防止とマネジメントの両立方法

  • パソコンの稼働時間の測定
  • 業務内容の明確化
  • 数値化が可能なアウトプットを評価対象にする

テレワークによる働きすぎ・働かない社員:まとめ

テレワークによる社員の働きすぎは労働基準法への抵触が懸念され、働かない社員は組織全体の士気を下げ、生産性を妨げる要因となります。

「オフィスステーション 労務ライト」は導入わずか5分で、電子申請義務化対象の帳票や頻出手続きをず~っと無料でご利用いただけます(アカウント登録無限)。

「オフィスステーション 労務ライト」はe-Govの外部連携APIを利用した「オフィスステーション 労務」の機能を絞り込み、無料化したソフトウェアです。

\ ずっと無料!e-Gov連携ツール /

「オフィスステーション 労務ライト」

オフィスステーション 労務ライト

本コンテンツは労務SEARCHが独自に制作しており、公正・正確・有益な情報発信の提供に努めています。 詳しくはコンテンツ制作ポリシーをご覧ください。 もし誤った情報が掲載されている場合は報告フォームよりご連絡ください。

この記事をシェアする

労務SEARCH > 人事労務管理 > 人事労務管理の業務/手続き > テレワークで働かない人・働きすぎな人の二極化!? 人事労務担当者が認識すべき課題とは