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経費精算の不正とは?不正事例と発見方法、不正防止策をわかりやすく解説

経費精算の不正とは?不正事例と発見方法、不正防止策をわかりやすく解説

監修者:労務SEARCH 編集部
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実際にかかった金額以上で経費精算しようとするケース、関係ない領収書で請求するケースなど、経費精算にかかわる不正事例は数多くあります。

本記事では、経費精算の不正事例や、不正の発見方法、その対策を解説します。

経費精算における不正とは

経費精算における不正とは

経費精算における不正とは、「事業に関係ない経費の混入」や「支出した金額以上での請求」といった行為のほかに、「社用スマホの私的利用」など多岐にわたります。
経費の不正な請求は犯罪行為です。もし不正な経費精算を見逃していると、より大きな不正につながる恐れもあります。経費精算の不正は、社内からの告発で発覚するケースは少なく、経理部署が多大な労力をかけて、大量の領収書をチェックしなければなりません。

経費精算の不正事例

経費精算の不正は、主に「事業に関係はあるが金額が不正な請求」と「事業に関係ない請求」に分けられます。

金額の不正な経費精算

金額の不正な経費精算には、以下のケースがあります。

  • 実際の金額以上での精算
    領収書の金額を改ざんし、「¥10,000」を「¥40,000」にして差額¥30,000を着服するなど、領収書の金額を水増しするケースです。
  • 支出に私的なものが含まれている精算
    必要な消耗品の購入に、私的な買い物が混入しているケースです。

費消していない経費精算

いわゆる『カラ出張』が代表的ですが、横領という立派な刑法犯罪です。カラ出張には、「実際には出張していないが交通費のみを請求するケース」または「出張のキャンセルを報告せずに、チケット購入後に払い戻しを受けるケース」などがあります。
カラ出張が発覚する要因は、「社内から告発される」、「営業日報との突合で見破られる」などです。

出張の交通費だけでなく、通勤の交通費についても「電車通勤と偽って自転車で通勤するケース」など、実際の通勤経路と異なる通勤経路で手当を請求する場合もあります。また、領収書をコピーしておき、複数回にわたって請求するケースもあります。

不正な精算が起こりやすい経費

不正な精算が起こりやすい経費

経費の不正が起こりやすい支出としては、「交通費」と「接待交際費」が代表格とされています。

交通費(通勤費、移動交通費)

通勤費用や出張時の交通費は、不正が起こりやすい経費です。公共交通機関の交通費は領収書の発行が可能ですが、発行が面倒なため、領収書の確認を省略している会社も多くあります。

代表的なケースは以下のとおりです。

接待交際費、会議費

接待や会議で扱う経費についても同様です。

経費精算時の不正の発見方法

経費精算時の不正の発見方法

経費精算時に不正を発見する方法としては、記載内容(金額など)の違和感による発見と、記載された表面(筆跡など)による発見とがあります。

記載内容への注目による発見

経費精算の金額が、類似の場合よりも高額な場合は、水増しが疑われます。たとえば、一般的な接待費用よりも高額なケースです。金額が高額ではない場合でも、いつもは少人数の接待にもかかわらず多人数の金額になることで気づけるかもしれません。

交際費や会議費に不自然さがある場合は、日付や参加人数、利用した商業施設を確認することで、一人当たりの単価をチェックします。会社によっては、接待を受けた側へ確認する場合もあります。交通費や通勤定期代は、公開情報と比較することで、適正かどうかをチェック可能です。

表記への注目による発見

手書き領収書の数字の表記にブレ、筆跡相違、インク相違などがある場合は、凝視すると違和感に気づけるかもしれません。領収書を束にしてパラパラめくってみる、領収書を照明にかざすなどで、不正を検知できます。

手書きの領収書が原本ではなくコピーの場合は、インク部分だけが不自然に鮮明になる(逆に印刷部分の文字はかすれて見える)などの違和感があります。領収書の日付が会社の休日になっている場合は、出張日程との突合が必要です。また、場所や商業施設などを普段から使っていないケースは、確認が必要となります。
レシートを添付している場合は、記載されている購入品目を確認することで、人数の水増しや私的な消耗品の混入が判明するかもしれません。

経費精算の不正対策と効率化

経費精算の不正対策と効率化

経理担当者が不正を発見できないでいると、「不正してもバレない」と判断され、不正が常態化する恐れもあります。不正な経費請求への対策はチェック体制の整備などですが、コストがかさむため、より効率的な体制が必要です。

社内ルールの明確化

交際費・会議費・通勤手当などの請求方法、金額の確認方法などを社内でルール化することが大切です。

たとえば、以下のルールが挙げられます。

また、通勤手当などは、定期的な現物確認やICカード利用履歴の提出が不正抑止につながります。

経費精算のシステム化

大量の領収書を目視で確認することは大変なため、人の目に代わって、経費精算を自動化するアプリがあります。アプリのなかには、無料のものやスマホで使えるものなどもあります。

経費精算のアプリでは、以下の機能を利用可能です。

また、通勤手当や交通費についても以下の機能が使用可能なアプリもあります。

経費精算をアプリでおこなう場合は、電子帳簿保存法に対応したものが有効です。電子帳簿保存法で要求され、「真実性の確保」「可視性の確保」を満たしているアプリであれば、検索性の向上、アプリ上での申請や承認も可能になり、紙の保管も不要となるため、管理コストを削減できます。

経費精算のアウトソース

経費精算をすべてアウトソースすることで、事務コストを削減できます。特に出張は、社員の事務負担(チケットやホテルの手配、立替支払の発生、経費の請求など)や、経費精算時の負担が大きいです。出張手配の代行会社と提携すれば、チケット・ホテル手配の一括委託、交通費などの一括請求支払も可能となります。

まとめ

不正な経費精算は、社内のモラル低下、事業損益の不透明化、税金の追徴リスクなど、事業経営に悪影響をおよぼす行為であると同時に、犯罪行為です。少額の不正であっても、将来の大事件につながらないように、発生させないことが大切です。

多量の経費請求を完全にチェックするためには多大なコストがかかります。経費精算など正確さが必要なバックオフィス業務については、アプリの利用などにより、コスト削減をおこなうことが大切です。

監修者労務SEARCH 編集部

労務・人事・総務管理者の課題を解決するメディア「労務SEARCH(サーチ)」の編集部です。労働保険(労災保険/雇用保険)、社会保険、人事労務管理、マイナンバーなど皆様へ価値ある情報を発信続けてまいります。
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