この記事でわかること・結論
- 住民税は特別徴収と普通徴収があり、給与所得者かそうでないかで区分される
- 住民税の特別徴収は給与から天引きする納付方法であり、企業が各市区町村へ納付する必要がある
- 普通徴収は自営業者などが自身で確定申告などをしたのち送付される納付書にて支払う
この記事でわかること・結論
住民税は、前1年間(1月から12月)の課税所得に応じて6月から納付する税金のことを言います。会社員であれば毎月の給与から差し引かれ、個人事業主などの方は納付書か口座引き落としで住民税を納付します。
また、上記のように給与所得か事業所得かなどによって住民税の納付方法は「特別徴収」と「普通徴収」に分かれています。それぞれの違いを改めて確認しておきましょう。
本記事では住民税の納付方法について、特別徴収と普通徴収の概要や流れ、ほかにも副業をしているケースやそもそも住民税が非課税となるケースなどもあわせて解説します。
目次
住民税とは、都道府県および市区町村に居住する各個人が負担する地方税の一種であり、主に地域社会における各種行政サービスやインフラなどの費用として利用されています。
住民税は各種行政サービスなどの費用として私たちが支払う必要のある税金です。公共施設、学校教育、上下水道、ゴミ処理、救急車、消防車、パトカーなどの公的サービスについては国と地方公共団体が主に分担で提供しているものです。そこにかかる費用として、居住している各個人が住民税という形で負担をしているのです。
つまり、私たちが当たり前のように日々安全に暮らしている背景には、住民税を支払っていることが一つの理由として挙げられるのです。住民税の具体的な用途などは、公式Webサイトなどで公表している市区町村もあります。
また住民税は、
の2種類で構成されておりまとめて「住民税」と呼びます。実際に納付するときは、特に納税額が区分されていないため知らない方も多いでしょう。
地方公共団体に納める住民税には「特別徴収」と「普通徴収」という2つの納付方法があります。それぞれ所得によってどちらで納付するのかが決まります。
会社勤めしている方など給与所得を受け取っている労働者は住民税を特別徴収で納付、個人事業主やフリーランスなど事業所得を得ている場合は住民税を普通徴収で納付します。
住民税を納付する時期は、特別徴収か普通徴収かによって異なります。
特別徴収の場合はその年の6月から翌年5月にかけて、前年(1月から12月)の所得に応じた金額が毎月の給与から差し引かれます。
個人事業主などが該当する普通徴収は、まずは市区町村より6月に納付書が届きます。そして1年分を、一括か4回に分割(6月・8月・10月・翌年1月)という納付方法を選び納付します。
会社員など特別徴収の場合は住民税が差し引かれた金額が給与として振り込まれますが、個人事業主など普通徴収の場合は自身で納付する必要があるため忘れないようにしましょう。
特別徴収と普通徴収それぞれについてもう少し詳細に解説します。
住民税の特別徴収とは、毎月の給与から天引きされる納付方法です。そのため会社勤めであり給与所得者である労働者分の住民税は、原則として特別徴収に該当します。
住民税の特別徴収は、以下のような流れで進めます。
特別徴収納付の流れ
企業が提出する必要のある給与支払報告書は、各従業員分と各市区町村分が必要な2種類の書類から構成されています。
作成には時間がかかりますが毎年1月末までには提出しなければならないため、年末調整のタイミングなどを機に早めに準備をしておきましょう。
住民税の普通徴収とは、給与所得者ではない方が納付書にて住民税を納めるという納付方法です。自営業者や個人事業主・フリーランスなどの方が該当します。
住民税の普通徴収は、次のような流れで納付します。
普通徴収納付の流れ
確定申告後は5月もしくは6月中に納付書が届きます。6月末までに一括で支払うか、4回(6月・8月・11月・翌1月)に分けて支払うかを選択することができます。
支払方法は納付書や、口座振替などがあります。自身での納付であるため期限を忘れないように注意です。
会社勤めしている方は、給与から特別徴収で住民税を納めることが基本です。しかし、従業員によっては異なる対応が必要であるため覚えておきましょう。
給与所得者のなかで、たとえば副業や株取引をしているなどで給与所得以外にも収入がある方は、住民税のために該当収入分の所得申告をしなければなりません。
また、給与所得以外の収入額に応じて、所得税のために別途確定申告が必要になるため注意しましょう。
市区町村によりますが、どちらも申告時に「本業会社からの天引き(特別徴収)」か「自身で納付(普通徴収)」を選択できることが多いです。自身で納付する場合は、給与所得以外の収入分における住民税についての納付書が届きます。
会社を退職した方の住民税については、退職時期によって対応が異なります。
転職がスムーズにおこなわれ続けて次の会社で働くという場合は、特別徴収のまま引き継いでもらうことができる可能性があります。その際は、最初の給与から住民税分が差し引かれます。
住民税とは、市区町村など地方公共団体へ各個人が納付する税金のことです。納付方法には特別徴収と普通徴収の2種類があり、それぞれ納付までの流れなどが異なります。
企業は雇用している従業員分の年末調整や給与計算などを経て、従業員の居住する各市区町村へ書類を提出、そして納付書で住民税を納入しなければなりません。
副業している方や、退職された方の対応などもしっかりと理解してスムーズな住民税納付を心がけましょう。
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