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年末調整の結果が住民税に関係するって本当?住民税の節税方法も

年末調整の結果が住民税に関係するって本当?住民税の節税方法も紹介

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年末調整の担当者は、従業員から「来年の住民税は、今年の年末調整の結果によって決まるって聞いたんだけど本当?」といったような質問が寄せられることがあるかもしれません。

たしかに一般的な会社員の場合、年末調整の結果により翌年の住民税の税額がおおむね決まります。しかし例外もあります。

この記事では、このような質問への回答に加え、住民税を節税する方法についても解説します。

監修者労務SEARCH 編集部

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年末調整は翌年の住民税に影響する

結論から述べると、年末調整の結果は翌年の住民税に影響を与えます。年末調整ではその年の所得税が計算され、払い過ぎた税金が還付されたり、不足分が徴収されたりします。

この所得税の最終計算結果は、翌年の住民税の計算の基礎となります。そして住民税は、前年の所得に基づいて計算されます。従って、年末調整で確定した所得額が翌年の住民税の計算に用いられるのです。

年末調整で所得が増えれば住民税も増える可能性があり、逆に所得が減れば住民税も減る可能性があります。

年末調整で住民税は還付される?

年末調整において住民税が還付されることはありません。年末調整は所得税に関する手続きであり、住民税の還付とは直接関係がありません。

年末調整は所得税の調整に関するものであり、住民税の還付は別の手続きによって行われます。

住民税の種類と計算方法

住民税には「均等割」と「所得割」があり、その合計額を課税されます。

POINT

均等割とは

均等割とは原則、その地域の住民全員が同じ金額を納める税金です。例外として、収入が低い場合や生活保護を受けている場合には均等割、所得割とも非課税となります。

なお、世帯全員の住民税が非課税となる場合にはさまざまな恩恵が用意されていますので、一度確認してみましょう。

POINT

所得割とは

所得割とは、その人の所得に応じた金額を納める税金です。所得割の金額は、その人の1年間のさまざまな所得から各種控除を減額した金額の10%と定められています。

なお「さまざまな所得」には事業を営んで得た事業所得や、個人事業主や法人に雇われて受け取った給与所得などがあり、それらの1年分の所得を合計した金額を合計所得金額と言います。

所得は給与所得のみ、所得控除は年末調整によりすべて反映されている通常の会社員は、確定申告をする必要がありません。

その場合には本人がふるさと納税をしていない限り、ほとんどの場合には年末調整の結果により翌年の住民税の税額が決まると言ってもいいでしょう。

住民税の支払方法

住民税の支払方法には、大きく分けて「普通徴収」と「特別徴収」の2種類があります。

普通徴収と特別徴収の違い

POINT

普通徴収とは

納税義務がある方が直接納付する方法です。1年分の住民税を6月/8月/10月/1月の4回に分けて、従業員自身が支払いの手続きをしなければいけませんので手間がかかります。

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特別徴収とは

会社が給与や退職金を支払う際に住民税を差し引いて、代わりに納付する制度です。

法律上、給与を支払っている方の場合、個人事業主・法人を問わず特別徴収を行わなければならないと定められています。
その地方公共団体ごとに特例があります。

これまでは普通徴収を選択していても見逃されていましたが、最近は地方公共団体が特別徴収を行うことを強く指導しています。

納期は特例制度がある

また、原則として特別徴収をした住民税は翌月の10日までに納付する必要がありますが、給与を受け取る方が常時10人未満の場合には10月10日と6月10日の年2回、まとめて支払うことができる制度があります。

この「納期の特例」という制度を利用するには、事前に申請をする必要があります。まずは地方公共団体に問い合わせてみましょう。

転勤・転職してきた場合の手続き

なお、年の途中で転職・転勤してきた従業員がいる場合には、前の勤務先から「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を受け取らないと自社・自支店で特別徴収を継続できません。

蛇足となりますが、転職をしてきた従業員の場合には前の勤務先から源泉徴収票を受け取らないと年末調整がおこなえません。この2点を前の勤務先から受け取っておくように、従業員に伝えておきましょう。

どうしても「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」を受け取ることができない場合、原則として普通徴収で支払うか、一括して支払うかを選択する必要があります。しかし、地方公共団体が対応してくれることがありますので、一度相談してみましょう。

住民税の節税には「ふるさと納税制度」がおすすめ

ふるさと納税制度という名前は耳にすることがあっても、制度の内容はよくわからないという方も多いのではないでしょうか?

ふるさと納税とは、自分が選ぶ地方自治体に寄付ができる制度です。その寄付をした金額から2,000円を差し引いた金額(たとえば5万円の寄付をしたとしたら4万8,000円)が翌年の住民税から差し引かれる制度です。

これだけを聞くと2,000円分損をしてしまうように聞こえますが、それぞれの自治体ごとに特徴のある「お礼品」を送ってくれますので、上手に使うと2,000円でさまざまな地方の特産品などを手に入れることができます。

ただし、自分が住んでいる自治体への寄付には「お礼」を送ってくれないことがありますので、事前に確認してみてくださいね。

それぞれの地方の肉や魚などの特産品が話題になりますが、それらに限らずその地域の温泉宿で利用できる宿泊券や健康診断の受診券、さらには災害や公共事業への寄付など、目的に合わせたさまざまな返礼品があります。

ふるさと納税するならワンストップ特例制度が便利

以前はふるさと納税制度を利用するにあたっては、確定申告をする必要がありました。しかし現在は「ワンストップ特例制度という制度が創設され、簡単な手続きをするだけで、翌年の住民税で自動的に調整してくれるようになりました。
利用できるのは、ふるさと納税をする地方自治体が5自治体以内の場合

ワンストップ特例制度の申請期限は、毎年1月10日です。万が一、間に合わなかった場合や差し引かれる金額(上記の例だと48,000円)の一部を早めに還付してほしい場合、確定申告をおこなうことで対応できます。

なお、翌年の住民税から差し引かれる金額には上限があります。それぞれの年収や控除の状況により異なりますが、データを入力すると上限を計算してくれるサービスがありますので、ぜひ利用するよう従業員の方におすすめしてみましょう。

まとめ

住民税は地方自治体から通知される事項が多く、自社で主体的に手続きを行うケースが少ないため、所得税と比較して印象が薄いかもしれません。

転職してきた方がいる場合に前職の源泉徴収票を受け取る必要があることには気づいても、住民税の書類を受け取ることをうっかり忘れてしまうことがありますので、注意が必要です。

また、住民税の金額が多すぎるのではないかとの問い合わせがあった場合には、年末調整にミスがなかったかどうかを確認するのはもちろん、従業員自身が確定申告をしていないかどうか問い合わせてみるといいでしょう。

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