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勤怠と勤務の違いとは?企業が知っておきたい勤怠管理知識

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近年、働き方改革の促進が進むにつれ、働き方の多様化が進み、企業においては、正社員だけでなく、契約社員や派遣社員、パートタイムやフリーランスなど、さまざまな雇用形態の労働者を雇うようになりました。
そのように、さまざまな雇用形態の労働者を扱ううえで、「勤怠管理」は重要業務のひとつですが、働き方の多様化が進むにつれて、より複雑化しています。
この記事では、「勤怠と勤務の違い」など、「勤怠管理」をおこなううえで必要な知識について解説します。

この記事でわかること

  • 勤怠と勤務の違い
  • 勤怠管理で把握すべき項目
監修者
蓑田 真吾

みのだ社会保険労務士事務所 社会保険労務士
https://www.minodashahorou.com/

大学卒業後、鉄鋼関連の企業に総合職として就職し、その後医療機関人事労務部門に転職。 約13年間人事労務部門で従業員約800名、新規採用者1,000名、退職者600名の労務、社会保険の相談対応にあたる。 社労士資格取得後にみのだ社会保険労務士事務所を開設し、独立。

勤怠と勤務の違い

勤怠と勤務の違い

「勤怠」と「勤務」はともに、仕事に関する言葉として使用されていますが、両者は一見似ている言葉のため、意味の違いが曖昧で、理解できていないという方もいるのではないでしょうか。「勤怠」と「勤務」の違いについて解説します。

勤怠とは?

「勤怠」とは、出勤や欠勤、休憩や遅刻早退など、労働者の勤務状況を管理するために用いられる言葉です。
勤怠管理は、従業員の給与計算や、労働関連法を遵守するために必要であり、適切に管理する必要があります。

勤務とは?

「勤務」とは、会社などにつとめ、働くことを意味する言葉です。

以上のことより、
「勤怠」は稼働時間など労働状況を管理するために使用される言葉で、「勤務」は、会社などにつとめて仕事に従事することを意味する言葉です。

勤怠管理が必要な理由

勤怠管理が必要な理由

勤怠管理はさまざまな面で必要となりますが、「労働時間の把握が義務化」されたこともあり、勤怠管理の重要性はさらに強まっています。

労働時間把握の義務化

働き方改革で、労働安全衛生法が改正され、2019年4月より「労働時間の客観的な把握」が義務化されました。
そのため、企業(使用者)においては、労働者についての労働時間のおよび適正な勤怠管理が義務となり、労働時間の把握を怠るなど、適切な管理をおこなっていないと、知らぬ間に法令違反を犯してしまうことになりかねません。

労働時間把握の義務化」において、違反した場合の罰則規定はありませんが、労働時間に関連する事項として、「時間外労働時間の上限規制」があり、違反した場合には、「半年以内の懲役もしくは30万円以下の罰金」が科せられることもあります。

法令の遵守や、企業の信頼を守るためにも、勤怠管理を適切におこないましょう。

勤怠管理で把握すべき項目

義務化されている「労働時間の適正な把握」のために、企業(使用者)が講ずべき措置について、厚生労働省は2019年に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を発表しています。
ガイドラインにもとづき、勤怠管理(労働時間の把握)で確認すべき項目について紹介します。

・始業・終業時刻の確認および記録
労働時間を適正に把握するため、労働日ごとの始業・終業時刻を確認・記録します。

・労働時間の記録方法
始業・終業時刻の確認・記録方法は、以下のいずれかの方法とされています。
1. 使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録する
2. タイムカード、ICカード、PCの使用時間の記録など、客観的な記録を基礎
として確認し、適正に記録する

・記録書類の保管義務
「労働時間の記録に関する書類の保存」について、労働者名簿や賃金台帳、出勤簿やタイムカードなど、労働時間の記録に関するすべての書類を3年間保存しなければならないとされています。

勤怠管理の注意点

勤怠管理の注意点

勤怠管理では、「変動がある項目」について注意が必要です。
毎月固定給で、変動項目が少ない正社員と比べ、シフト勤務制のパートタイムやアルバイトは毎月基本給に変動があるため注意が必要です。
また、正社員においても、時間外労働など、固定項目以外の変動がある項目については毎月注意が必要です。

契約社員・パートタイム・アルバイトの勤怠管理

正社員の勤怠管理では、基本的に固定給のため、基本給など大きな項目の変動はあまりありません(時間外労働や有休消化など変動する項目もあります)。

しかし、そのほかの雇用形態、特にパートタイムやアルバイトなど、基本給が毎月変動する労働者については、管理が複雑であり注意が必要です。

・契約社員の勤怠管理
契約社員の場合、正社員と同じように基本的に固定給のため、基本給など大きな項目の変動はありません。しかし、賞与の規定や基準が正社員と異なったり、雇用契約期間の更新または終了が生じたりするため、そのようなタイミングを見過ごさないように管理が必要です。

・パートタイム・アルバイトの勤怠管理
パートタイム・アルバイトの場合、シフト勤務制の場合が多く、時間給のため、基本的に毎月変動が生じます。そのため、適切に労働時間を把握する必要があり、労働者によって、時間給が異なる場合もあるため、細かく管理する必要があります。
また、パートタイムやアルバイトの場合、扶養内勤務で働く労働者も多いため、扶養内の上限を超えてしまわないように、使用者側が注意して管理する必要もあります。

労働者による勤怠管理不正

勤怠管理(労働時間の把握)の方法は、企業によってさまざまですが、場合によっては、労働者による不正が発生することもあるため、注意が必要です。
特に、自己申告制の時間外労働の計算や、タイムカードや自己記入による労働時間の管理など、労働者の主体性が高い管理体制ほど、不正が発生しやすくなります。
そのような不正を防止するためには、管理者の承認や、PCの起動時間と連動したシステムを導入するなど、状況に合わせた対策が必要です。

適切に勤怠管理をおこなうためには

適切に勤怠管理をおこなうためには

適切に勤怠管理をおこなうためには、まず、現在の勤怠管理体制を把握し、必要に応じて勤怠管理システムを導入するなど、勤怠管理体制の改善が大切です。

勤怠管理方法の見直し

勤怠管理方法の見直しにおいて、重要となるのが「時間外労働の管理」と「勤怠管理システムの導入」です。

時間外労働の管理

勤怠管理において、特に複雑な項目であるといえるのが「時間外労働の管理」です。
特に、複数の営業所や支店などを抱える企業では、管理部門による「時間外労働の管理」が複雑化しやすく、各営業所や支店任せになってしまうため、適切な管理が難しくなる傾向があります。
時間外労働の管理は、法令を遵守するためにも重要な事項ですが、企業の無駄なコスト(人件費)をおさえるためにも必要不可欠です。
「時間外労働の管理」における改善策のひとつとして、「申請・承認制」を取り入れることも有効的です。
時間外労働を申告制にすることで、労働時間の管理がしやすくなり、承認制にすることで、無駄な労働時間を省くこともできます。

勤怠管理システムの導入

勤怠管理方法は多岐にわたるため、企業によって管理方法もさまざまです。
そのため、企業によってはExcelファイルなどに入力して、労働時間の管理および給与計算をおこなっていることもあるでしょう。
入力する項目が多ければ多いほど、ミスや記入漏れが発生しやすく、間違いがないか、確認する工程も必要なため、多くの時間やコストがかかってしまいます。
そのような場合は、比較的コストがかかりにくい、「クラウド型勤怠管理システム」を導入するなど、勤怠管理システムの導入がおすすめです。

まとめ

働き方の多様化が進み、さまざまな雇用形態の労働者を扱う企業では、「勤怠管理」の複雑化が課題となっています。
勤怠管理は、法令を遵守するためにも必要な管理業務であり、適切におこなう義務があります。
勤怠管理体制を見直し、「勤怠管理システム」を導入するなど、勤怠管理を怠らないようにしましょう。

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