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人事担当者が知っておくべき『勤怠』のあれこれ

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人事労務管理就業規則/勤怠管理

人事担当者が知っておくべき『勤怠』のあれこれ

企業は従前から労働時間を把握する義務がありますが、働き方改革関連法が施行され、より正確な勤怠管理を求められるようになりました。正社員だけでなく、契約社員や派遣社員、アルバイトやパートなど、すべての従業者に対して勤怠管理を行わなくてはなりません。
そのため、人事労務担当者は勤怠について適正な把握を求められます。

正しい勤怠管理を行うために、勤怠の基本的な知識を身につけましょう。

『勤怠』とは

勤怠管理を意識している人事は多いようですが、そもそも勤怠とはどういうことなのか理解している人は少ないのではないでしょうか。

辞書で『勤怠』を調べると、『仕事に励むことと怠けること。または出勤と欠勤。勤惰』を意味しています。
参考:Goo辞書 https://dictionary.goo.ne.jp/jn/59463/meaning/m0u/

辞書では勤勉と怠惰で勤怠となっていますが、一般的に勤怠というと、出退勤状況や休暇や休憩などの出勤状況のことを指します。

社員が何時に出社して何時に退社したか、休憩や休暇はいつ取得したか、残業はどの程度しているかなどを把握するため記録し、就業規則や雇用契約に則った働き方をしているか管理することを勤怠管理といいます。

管理すべき勤怠の内容8つ

勤怠で人事労務が把握するのは、出退勤時刻や時間外労働時間だけではありません。有給日数や出勤日数など、把握すべき項目は数多くあります。一般的に人事労務が把握する項目は、以下のとおりです。

出勤時間・退勤時間とは

出勤時間と退勤時間は、実際に働いた時間を基準に考えます。会社に到着したのが8時であっても、業務を開始したのが9時であれば出勤時間は9時になります。
会社から帰ったのが19時であっても、業務が18時に終了していれば18時が退勤時間となります。

出社時間や退社時間と混同している会社も多いようですが、出社時間は会社に到着した時間のことで、退社時間は会社から帰宅した時間です。この区別を理解していないと、残業時間で問題になることがあるため、しっかり把握しておきましょう。

勤務時間・労働時間とは

雇用契約や会社の就業規則で定められた始業時間から終業時間までのことを、勤務時間といいます。就業時間、または所定就業時間ともいい、9時から18時までの勤務が定められている会社の場合、勤務時間は9時間になります。

似たような言葉で労働時間がありますが、労働時間は勤務時間から休憩時間を差し引いた時間です。勤務時間が9時から18時の会社の場合、休憩時間が1時間であれば、労働時間は8時間となります。

出勤日数とは

従業者が業務のために、会社に出勤した日数のことを出勤日数といいます。有給を取得した場合、会社に出勤しなければ出勤日に数えられませんが、1時間でも出社した場合は出勤日として数えられます。

時間外労働時間とは

労働基準法における法定労働時間を超えた労働時間のことを、時間外労働時間といいます。
一般的には残業時間といわれることが多いですが、超過勤務ともいわれます。
法定労働時間は1日8時間・週40時間と定められており、これを超過した場合、残業時間が累積されていきます。

残業時間で気をつけなければならないのが、法定労働時間に対する残業時間なのか、それとも所定労働時間に対しての残業なのかという点です。所定労働時間は、会社の就業規則で定められた労働時間であるため、たとえば所定労働時間が1日7時間の会社の場合、従業者が2時間残業したとしても、割増賃金は1時間分になります。

深夜労働時間とは

22時から翌朝5時までの時間は深夜労働時間に該当します。この時間帯に就業する場合は、深夜労働として扱われるため、通常の賃金より割増した深夜割増賃金を支払わなくてはなりません。深夜手当などといわれることが多いですが、割増率は労働基準法で定められており、基礎賃金の25パーセント以上とされています。

なお、上記時間帯が残業時間と重なる場合には、割増率は法定時間外労働の25パーセントと深夜割増の25パーセントとを合わせて50パーセントとなるので注意が必要です。

休日労働時間とは

労働基準法第35条では、1週間に1回あるいは4週間を通じて4日以上の休日を与えることが定められていますので、この法定休日に働かせた場合は法定休日労働となり、この日の労働時間がまるまる割増賃金の対象になります。割増率は労働基準法で定められており、基礎賃金の35パーセント以上とされています。

有給休暇とは

有給休暇は労働基準法の第39条で認められている権利で、年次有給休暇のことです。一定期間勤続すると取得することができる休暇で、休んでも賃金が減額されません。たとえば正社員の場合、雇い入れから半年経過した時点で、10日間の有給休暇が付与されます。その後は1年ごとに有給休暇が付与されます。

働き方改革関連法により、2019年から有給休暇の取得が義務化されることになりました。年10日以上の有給休暇が付与される場合、会社は必ず5日以上の有給休暇を従業者に取得させなくてはなりません。

欠勤とは

会社からの業務免除が受けられない休暇のことを欠勤といいます。従業者の事情による休暇のため、欠勤をした場合は給与が支払われません。

やむを得ない事情で欠勤する場合は、会社の裁量により、あとで有給休暇に切り替えることも可能です。欠勤扱いになってしまうと給与が支払われないだけでなく、賞与の査定などにも影響を与えてしまうため、有給休暇を取得することで査定のリスクを回避できます。

あらかじめ会社に報告をせず欠勤した場合は無断欠勤が適用され、評価や査定に大きな影響を与えてしまいます。無断欠勤が続くと会社の就業規定による懲戒解雇が適用され、退職金が支払われないこともあります。また、再就職が不利になってしまうことも考えられます。

会社に欠勤を報告していても、その理由が就業規則にあたらない場合、正当な理由なく休んだとして、無断欠勤扱いされることもあります。

勤怠の管理が難しいワケ

勤怠管理は台帳に記入する紙ベースの会社もあれば、タイムレコーダーを使用して管理している会社も少なくありません。全社員が積極的に勤怠管理に協力してくれれば問題ありませんが、多くの人が働く会社では、タイムレコーダーの打刻漏れや記入ミスなどが日常的に発生します。

小規模の会社であればすぐに気付くこともできますが、人数の多い会社では給与計算のときにようやく気付くということも多く、勤怠管理が難しい一面もあります。
自分の変わりに打刻してもらえることから、不正に打刻をする社員もいるため、出退勤時間を改ざんされることもあります。

退勤時間を改ざんし、残業代を稼ごうという良からぬたくらみを企てる社員もいることでしょう。24時間見張っているわけも行かず、こうした問題が改善できない会社も多いのではないでしょうか。

勤怠状況が悪い従業員の管理の仕方

何度も遅刻や欠勤を繰り返す従業者は、社会人としての自覚が低い、または仕事に対してやる気がないなどが考えられます。仕事に対する姿勢や周りへの態度を見ていれば、原因もある程度絞られることでしょう。

どちらにしてもこのままだと自主退職、または解雇になってしまうことも考えられるので、遅刻や欠勤などの多い従業者に対しては、その都度、注意をすることが必要です。遅れた理由や休んだ理由をヒアリングすることで、本人も勤怠状況が良くないことを自覚し、態度を改めることも考えられます。

また、業務が追い付いていない場合、残業が続いて寝不足が続いていることもあります。ヒアリングすることで問題点が判明し、改善できるよう対策を練ることもできます。
従業者も会社に意見を聞いてもらえたことで、ストレスの解消につながり、勤怠状況が改善されることもあります。

勤怠にまつわる注意すべき法律

勤怠に関する法規制でもっとも注意が必要なのは、残業代の未払いです。全国的に労働基準法32条の労働時間や、37条の割増賃金に違反している会社が多いことから、残業代を削減しようとしていることが読み取れます。

会社側とすれば、少しでも経費を削減するために残業代を削りたいところですが、従業者にとっては賃金を引き下げられていることになります。残業代の支払いに応じない場合、裁判に持ち込まれることも考えられます。

また、支払い拒否の態様によっては刑事事件に発展することもありますので、会社の信用を失ってしまうことでしょう。

まとめ

勤怠にまつわる話を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
勤怠管理の主な目的は、就業規則や雇用契約に則った働き方ができているかのチェックのためですが、従業者の健康管理のために行っている会社もあります。

従業者に適正な給与を支払うためにも、勤怠の基礎知識を理解しておくことが必要です。

ソビア社会保険労務士事務所 代表社労士/ホワイト財団 代表理事|五味田 匡功

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