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労働条件通知書とは?雇用契約書との共通点や違い、明示すべき労働条件を解説!

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人事労務管理人事労務管理の業務/手続き

一般的に「雇用契約書」は知っていても、「労働条件通知書」を完全に理解している方は少ないかもしれません。事業主によっては、それぞれを兼用して交付しているケースも見受けられます。

しかし、労働条件通知書と雇用契約書は異なる趣旨・異なる内容の書面です。今回は混同されやすい労働条件通知書に焦点を当てつつ、雇用契約書との共通点や違いをご紹介いたします。

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労働条件通知書とは

労働条件通知書

【参考】厚生労働省 労働条件通知書

労働条件通知書とは、企業と労働者が労働契約を結ぶ際に交付する、労働条件(賃金や契約期間、勤務地、勤務時間、業務内容など)を記載した書類を指します。一般的に労働契約を結ぶ際に、企業が提示する義務がある内容が記載されています。また、労働条件通知書は労働契約締結時に渡すことが一般的です。新卒採用の場合は内定を出すまでに通知します。

労働条件の通知・「労働条件通知書」の根拠となる法律は?

労働条件の通知・「労働条件通知書」の根拠となる法律は?

労働者への「労働条件の通知(法令上は「明示」)」は、労働者保護のため、労働条件の最低基準を定めている「労働基準法」や「パートタイム労働法」、「労働者派遣法」に基づく事業主の義務です。

これらの労働関係法令により、明示すべき労働条件のうち、一部書面で行う項目があるため、結果的に「労働条件通知書」を作成することとなっています。

また、通知すべき労働条件は労働基準法をはじめとした労働関係法令に定められた基準を満たすものでなければならず、明示した労働条件が事実と違っている場合には、労働者は即時に労働契約を解除することができます。

▶労働契約法の内容とその意義、労働契約書を書面にする重要性とは

雇用契約書とは

雇用契約書とは、企業と労働者の間で交わす契約書を指します。雇用契約書は2部ずつ作成し、両者の署名・押印をした上で、企業と労働者がそれぞれ保管します。また、雇用契約書の作成は労働通知書と違って、義務ではなく、任意となっています。

雇用契約・雇用契約書の根拠となる法律は?

雇用契約の代表例である「労働契約」は、民法に定められた典型契約のひとつです。労働契約は、書面でのやりとりがなくても有効であり、口頭による契約でも労働者と使用者の両者がその契約内容に合意していれば、「労働契約」としては成立します。そのため、法的な書面締結の義務はありません。

書面締結が必要ない理由には、信義則違反や公序良俗違反などがない限り、当事者間の契約の自由が尊重されると民法に定められているからと考えられます。しかし、後々、お互いの認識の違いでトラブルになることを避けるために、一定の条件内容を書面に残しておく方法として、雇用契約書を交わしておく企業が多いといえます。

労働通知書と雇用契約書の違いとは

労働通知書と雇用契約書では、義務と任意という点に大きな違いがあり、人事担当者や労務担当者はそれぞれの違いを理解しておかなければいけません。

労働通知書と雇用契約書の違い
項目 労働通知書 雇用契約書
書面による締結 義務 任意
適応される法律 労働基準法、パートタイム労働法、労働者派遣法 民法
合意の必要性 事業主(使用者)から労働者への一方的な交付 事業主(使用者)と労働者との合意

法律上労働者に明示しなければならない労働条件とは?

法律上、労働者に明示しなければいけない労働条件は、可能な限り書面で確認することが望ましいとされています。使用者が、労働者に必ず明示しなければならない項目は以下となります。

  • 労働契約の期間
  • 期間の定めのある労働契約を更新する場合の更新の有無、更新がある場合はその判断基準
  • 就業の場所と従事すべき業務の内容
  • 始業および終業の時刻(勤務時間)、所定時間外労働の有無(みなし労働時間性や裁量労働制など)、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務がある場合にはその就業時転換(変形労働時間制の適用や休日労働)に関する事項
  • 賃金の決定、計算、支払の方法、賃金の締切日、支払時期、昇給
  • 解雇の事由を含む退職についての事項

また、この他にも雇用形態に応じて、明示すべき内容があります。

  • 有期契約労働者の場合

    契約期間終了後の契約更新に関する内容(自動更新、更新の可能性、契約更新をしないなど)

  • 短時間労働者の場合

    昇給、退職手当、賞与の有無、および雇用管理の改善等に係る相談窓口

  • 派遣労働者の場合

    賃金の見込額その他の待遇に関する事項、事業運営に関する事項、および派遣制度の概要

労働契約の締結に当たって、労働条件が明示されなかった場合でも、契約自体は有効となります。なお、上記のうち短時間労働者以外の労働者への昇給に関する事項の明示に限り、書面による明示は要しません。

したがって、労働条件通知書と雇用契約書とは、いずれも労働条件を明文化したものである以上、実際の内容では重複することも多く、しばしば兼用されていることが現状といえます。

外国人雇用や労働条件通知書と雇用契約書の兼用について

外国人労働者の受け入れ拡大に伴い、今後は外国人労働者向けの労働条件通知書を発行する機会が増えると考えられます。また、労働条件通知書と雇用契約書に記載される内容は重複する部分も多いため、業務効率化の一環として、兼用する場合の書き方も確認しておきましょう。

外国人労働者向けの労働条件通知書

労働者が外国人であっても労働条件通知書の発行は行わなければいけません。事業主と労働者との認識の齟齬を防ぐ上でも、日本語と英語が併記された労働条件通知書を作成すると良いでしょう。また、英語の代わりに労働者の母国語で記載することもおすすめです。

労働条件通知書と雇用契約書の兼用について

任意である雇用契約書の発行は、後に起こり得る企業と労働者間のトラブルを防ぐ有効な手段です。また、記載する内容が労働条件通知書と重複する部分も多いため、労働条件通知書と雇用契約書を合わせた書面を交わすことも少なくありません。労働条件通知書で明示すべき項目を記載した上で、書面の上部に「雇用契約書兼労働条件通知書」と記載すれば、両者を兼用した書面ができあがります。

求人票の内容が労働条件とみなされるケースとは?

求人票の内容が労働条件とみなされるケースとは?

求職者が求人票や求人広告を見て、企業に応募することは、労働契約の申込みの行為にあたります。しかし、求人の内容が実際の労働とかけ離れたものであった場合、採用時に「企業と求職者の間で、求人の内容を変更する」と合意したと認められる事情がない限り、労働基準法違反になる可能性があります。

具体的な判例として、以下の2つが挙げられます。

  • 求人票の雇用形態は期間の定めのないものだが、実際は契約期間満了とともに雇止めされたケース

    通例として、「事業主が求人票に労働条件を明示する際、それが契約内容となると前提としており、求職者もその前提の下で企業に応募するかを決定していること」を考慮したケースです(ただし、同一の事業主への訴訟でも、当初は期間の定めのない雇用契約であったが、その後、期間の定めのあるものに変更することが双方合意されていたとして、申し立てを棄却した判例もあります)。

  • 入社後の賃金額が、求人票の基本給見込額を下回っていたため、その差額の支払いを求めるケース

    あくまでも見込額であり、その説明もあったため、申し立て棄却となったケースです。

労働条件の明示を怠った、または労働条件が明示された内容と異なっていた場合には、労働者は即時に労働契約を解除することができ、これに違反した事業主(使用者)は、30万円以下の罰金が課せられます。

まとめ

労働条件契約書と雇用契約書は根拠となる法律が異なる、作成や交付が義務か任意で大きな違いがあります。また、求人票の内容が実際の労働条件と異なる場合は労働者側からの契約の解除が可能であり、労働条件の明示がない場合は罰金が課せられる可能性もあります。

労働者を雇用する際は、求人票を含む労働条件通知書の記載内容に、法律上の漏れがないかをしっかりと確認し、労働者に安心して働いてもらえるようにしましょう。

社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー

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