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外国人留学生をアルバイト雇用!基礎知識や企業の対応方法

人材不足への対策の一つである外国人留学生のアルバイト雇用が年々増加傾向にあります。
今回は外国人留学生のアルバイト採用を検討している企業や人事労務担当者のために、就労に関する基礎知識や対応方法、採用に関する注意点を解説します。

外国人留学生のアルバイトについて

外国人留学生は、留学の在留資格を所持しているだけでは就労することができません。
アルバイトとして働くには、地方入国管理局で「資格外活動許可」を取得する必要があります。
また、資格外活動許可を取得した外国人留学生でも、働ける時間や職種に以下のような制限があります。

アルバイト時間の上限

外国人留学生が日本に滞在する目的は学業です。
アルバイトをする際は、本来の在留資格の活動である学業の妨げにならないよう、労働時間に制限が設けられています。

  • 1週間の労働時間は、合計28時間以内
  • 在籍する教育機関の長期休業期間は1日8時間以内・週合計40時間以内に拡大

上記のように働く時間には制限がありますが、働く時間帯に制限はありません。
18歳以上であれば深夜でも働くことができます。

【参考】外国人雇用に関するQ&A – 東京労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/riyousha_mokuteki_menu/jigyounushi/13-01-19-4_test.html

アルバイト雇用の対象外業種

外国人留学生のアルバイトは、出入国管理法施行規則19条5項1号前記において、下記の業種での勤務が禁止されています。

  • 風俗営業もしくは店舗型性風俗特殊営業が営まれている営業所において行うもの
  • 無店舗型性風俗特殊営業
  • 映像送信型性風俗特殊営業
  • 店舗型電話異性紹介営業もしくは無店舗型電話異性紹介営業

パチンコ店やゲームセンター、麻雀店、キャバレー、スナックなどの風俗関連の業種には従事することができません。

入管法による罰則

出入国管理および難民認定法73条の2には外国人留学生のアルバイトに関する罰則が定められており、下記のいずれかに該当する場合は、3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金またはその両方が科されます。

  • 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
  • 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者
  • 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為または前号の行為に関しあっせんした者

外国人留学生にアルバイト時間の上限を超えた勤務(オーバーワーク)をさせると、不法就労助長罪が適用され、雇用者は3年以下の懲役、300万円以下の罰金、またはその両方の対象となります。
また、資格外活動許可のない外国人留学生に就労させた雇用者、禁止されている風俗関連の業種にて就労させた雇用者にも、同様のペナルティが科されます。

【参考】出入国管理および難民認定法73条の2参照
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=326CO0000000319_20190401_430AC0000000102&openerCode=1

保険や税金の扱い

外国人留学生のアルバイトの健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険の加入および税金の扱いについて解説していきます。

雇用保険や労災保険への加入について

日本人の従業員と同様に、外国人留学生のアルバイトにも労働基準法や最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法が適用されるため、要件を満たす場合は保険にも加入しなければなりません。

健康保険 厚生年金 雇用保険 労災保険
× × ×
加入要件を満たさない
(1週間の所定労働時間が40時間の事業所の場合)。
加入要件を満たさない
(1週間の所定労働時間が40時間の事業所の場合)。
昼間学生である留学生は雇用保険の加入対象外。 留学生も労働者に該当。労働保険の保険料算出の賃金に算入。

所得税の源泉徴収について

日本の所得税法では、住所または居住の判定によって「居住者」「非居住者」が規定され、源泉徴収税額が異なります。

  • 居住者とは、国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居住を有する個人のこと。外国人留学生が4年制大学に通っている場合、1年以上の居住を必要とするため「居住者」にあたります。
  • 非居住者とは、居住者以外の個人のこと。

外国人留学生のアルバイトについては、日本人の従業員と同じように「給与所得の源泉徴収税額表」に基づき、給与支払い時に源泉徴収を行います。
非居住者に該当する場合は、原則として国内源泉徴所得20.42%で徴収されます。

ただし、外国人留学生によっては、租税条約や学生条項により免税されるケースがあります。
日本と居住地国との間で租税条約が結ばれている場合は、支払い日の前日までに「租税条約に関する届出書」を国内源泉所得の支払者を経由して納税地の所轄税務署長に提出することで免除対象となります。
日本で働く外国人留学生の多い国の租税条約の有無と免税内容は以下のとおりです。

出身国 租税条約の有無 免税
中国
ベトナム ×
日本国外から支払われるものは免税
ネパール × ×
韓国
5年間免税 年間2万米ドルを超えない

このほかアメリカやイギリス、ロシア、インドの学生については、免税の適用が「国外からの送金に限る」という規定が条約にあるため、給与は免税となりません。

【参考】No.2884 源泉徴収義務者・源泉徴収の税率 – 国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2884.htm

外国人留学生をアルバイト雇用するメリット

外国人留学生をアルバイトとして雇用することによって期待できる企業側のメリットは以下のとおりです。

労働力の確保

少子高齢化問題が深刻化しており、今後ますます労働力人口が減少するといわれています。
外国人留学生をアルバイト採用することで、中小企業で顕著になりつつある人手不足を補うことができます。

グローバルな対応

多国籍の外国人留学生を雇用することで、グローバルな対応が可能となります。
たとえば日本語の分からない旅行客が来店したとき、母国語でメニューの説明をしたり、お客様のニーズを聞き入れるなど、スムーズな応対ができます。

外国人留学生のアルバイト雇用への対応

人手不足の緩和が期待されている外国人留学生のアルバイト雇用ですが、企業は雇用前に以下4つのポイントをチェックする必要があります。

在留資格(ビザ)の確認

日本に在留する外国人は、入国の際に与えられた在留資格の範囲内で、定められた在留期間に限って在留活動(留学や就労など)が認められています。
外国人留学生を雇用する場合、本人が所有している「在留カード」で在留資格や在留期間を確認し、就労させる予定の仕事内容が在留資格の範囲内の活動か、在留期間を過ぎていないか確認しなければなりません。

【参考】外国人雇用に関するQ&A – 東京労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/riyousha_mokuteki_menu/jigyounushi/13-01-19-4_test.html

資格外活動許可の確認

アルバイト雇用するには、「資格外活動許可を得ていること」が条件であると入管法で定められています。
資格外活動の許可を受けていない外国人留学生をアルバイトに従事させた場合は不法就労助長となるため、採用前に必ず確認してください。
万が一、面接した留学生が許可を得ていない場合は、労働契約を結ぶ前に必ず資格外活動許可を得てもらうようにしてください。

他社でのアルバイトの確認

労働時間を決める際には、他社でのアルバイト状況を確認しなければなりません。
アルバイトを掛け持ちしている場合、他社での労働時間を本人に確認したうえで、1週間の労働時間が合計28時間以内となるよう調整する必要があります。

ハローワークへの届け出

労働施策総合推進法第28条第1項により、外国人労働者の雇用および離職の際に、その都度、当該外国人労働者の氏名と在留資格、在留期間等について確認し、ハローワークへ届け出ることが義務づけられています。
届け出はハローワーク窓口での提出のほか、電子申請も可能です。
提出を怠ったり虚偽の届け出を行った場合は、30万円以下の罰金が科せられるため注意が必要です(労働施策総合推進法第40条1項2号)。

まとめ

  • 地方入国管理局で資格外活動許可を取得した外国人留学生のみアルバイトとして働くことができる。
  • 労働時間の上限は、週合計28時間以内、在籍する教育機関の長期休業期間は1日8時間以内(週合計40時間以内)に拡大する。
  • 出入国管理法にて、風俗関連の業種への従事は禁止されている。
  • 外国人留学生にアルバイト時間の上限を超えた勤務をさせた雇用者、資格外活動許可のない外国人留学生に就労させた雇用者、禁止されている風俗関連の業種にて就労させた雇用者は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方の対象となる。
  • 外国人留学生のアルバイトにも労災保険が適用される。
  • ほかの日本人従業員と同様に「給与所得の源泉徴収税額表」に基づき、給与支払い時に源泉徴収を行うが、留学生によっては租税条約や学生条項により免税されるケースがある。
  • 雇用前は在留資格および資格外活動許可の確認、他社でのアルバイト状況の確認、雇用後はハローワークへの届け出をしなければならない。
ソビア社会保険労務士事務所 代表社労士/ホワイト財団 代表理事|五味田 匡功

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