この記事でわかること
- 特定法人の社会保険電子申請が2020年4月から義務化
- 新e-Govは健康保険組合への電子申請非対応、マイナポータル連携必須
- 新e-Gov利用には新アカウント登録と電子証明書の認証が要
この記事でわかること
2020年11月24日、e-Gov電子申請システム(以下、e-Gov)がリニューアルされました。
しかし、今回のリニューアルでは、健康保険組合への電子申請はできません。
そのため、マイナポータル経由で電子申請をおこなう必要がありますが、マイナポータルを経由する電子申請が可能なウェブサイトが存在しないため、民間のシステム会社が開発した、マイナポータルと連携しているシステム(労務管理システム:SaaS)の利用が必要です。
今回はe-Govのリニューアル後の違いや申請に必要な手続きを解説します。
目次
2020年4月、特定法人を対象に、社会保険(健康保険・厚生年金保険)や雇用保険の対象帳票の電子申請が義務化されています。
健康保険組合において、特定法人の電子申請義務化となる対象届は「算定基礎届」「月額変更届」「賞与支払届」の3つです。
赤太字が義務化対象
マイナポータルと連携した民間の労務管理システムが必要です。
健康保険組合の電子申請が可能な対象手続き
e-Govとは、行政が提供するオンライン申請・届出等の窓口サービスを提供するポータルサイトです。
社会保険や雇用保険に関する電子申請が可能です。
健康保険組合の電子申請はおこなえません。 新たなe-Govでは利用環境が拡充され、Macでの申請も可能になり、過去の申請届出案件の紐づけもできます。
主な仕様変更は以下の通りです。
▼旧e-Govと新e-Govとの違いについて
旧e-Gov | 新e-Gov | |
ログイン方法 | ID/パスワード | ID/パスワード 二段階・認証 |
---|---|---|
動作環境 | Windows | Windows・Mac |
電子証明書 | 申請ごとに電子証明書を添付 | |
事前準備 | アカウントの作成 ポップアップブロックの解除 信頼済サイトへの登録 e-Gov電子申請アプリケーションのインストール |
|
アカウント管理 | 個々に利用 | |
企業情報登録 | 利用時にファイルから読み込み | システムに登録可能 複数事業所情報を登録可能 事業所登録数制限なし |
申請手続きの検索 | キーワード検索 | キーワード検索 カテゴリ検索 イベント別検索 |
申請データ作成 | 帳票様式に合わせた入力画面様式枠に1枠ずつ入力 | |
申請データ一時保存 | ファイルで保存し、再開時に読み込み | システムに保存可能 別アカウントでの呼び出しは不可 |
申請データ管理 | なし(到達番号および問い合せ番号で状況照会) | システム管理 ステータス、到達番号、対象期間、法人名、申請者指名、手続き名で状況照会 |
申請データ保管期間 | ステータスが「手続終了」になってから90日間 | |
公文書・コメント保管 | ダウンロードしてファイル管理 |
詳細は新e-Govのマニュアル(PDF)をご確認ください。
リニューアルされた新e-Govでは、健康保険組合への電子申請がおこなえません。
また、他の社会保険の電子申請をおこなうためには、新たなアカウント登録と電子証明書の認証が必要です。
2020年11月24日のリニューアル以降、新e-Govの利用には、新たにアカウント登録が必要です。
新e-Govのアカウント登録手続き
マイナポータルへの電子申請は、3つの認証に対応しています。新e-Govを利用するためには、以下のいずれかの認証登録が必要です。
対応認証
AOSignサービスに関わる認証局、TOiNX電子入札対応認証サービス、セコムパスポート for G-IDサービスが作成する電子証明書 また、利用する電子証明書によっては、事業所関係変更届もしくは提出代行証明書(社会保険労務士)が必要です。
2020年11月にリニューアルしたe-Govを利用するためには、新たにアカウント登録と電子証明書の認証が必要です。
しかし、健康保険の「算定基礎届」「月額変更届」「賞与支払届」の3つについて、特定法人(大企業)は電子申請が義務となっているにもかかわらず、引き続きe-Govでは健康保険組合の電子申請はおこなえません。
健康保険組合の電子申請には、社会保険システム連絡協議会が推奨する、民間のシステム会社が開発したマイナポータルと連携できる労務管理システムを導入しましょう。
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